社会学評論
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36 巻, 1 号
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  • 1985 年 36 巻 1 号 p. 2-3
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 平松 闊
    1985 年 36 巻 1 号 p. 4-23,145
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    一九六〇年代後半から一九七〇年代前半にかけてのわが国の急激な産業構造の変化による社会構造の変動は、「村落共同体の崩壊か残存か」の議論にみられるような「村落構造」の危機的状況を生み出した。こうした状況のもとで、日本の村落の現状をインテンシヴに記録し、その微妙な変化も逃さず把えておくことは重要ではあるが、他方、標準化されたデータのもとで村落構造を比較すると同時に、全国的な村落構造の特性とその変化や地域特性を計量的に押えておくことも重要であろう。本論はこの後者の試みの第一歩である。具体的には、世界農林業センサスによる「農業集落カード」 (主に一九七〇年データ) に記載されたデータを利用し尽すことを考え、多変量解析を用いて、全国および地域に共通な、客観的で比較可能な成分の抽出を試みている。
  • 北原 淳
    1985 年 36 巻 1 号 p. 24-34,144
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    特定の村落社会の構造的特徴をあきらかにすることを目的とした、事例研究的観察法調査においては、参与による直接観察よりはむしろ圧倒的に非指示的な面接質問によってデータをうることが多い。この方法は対象から一定の統計的手法によってモデルを導き出す方法とちがって、特定インフォーマントと社会関係を結ぶ中でデータをえなければならない。そのため、その社会関係のレベルに応じて情報のレベルもちがってくることが予想される。しかし調査者の対象社会への参与の度合を強め、インフォーマントとの親交を結べばそれだけ情報の精度が高まるという一般法則がなりたつ保証はない。調査者はインフォーマントとの二者関係のレベルだけではなく、その二者関係をとりまく社会的拘束要因を判断し、情報のレベルを判定する能力が要請される。村落社会の経験的実在からつくり出した概念やモデルが抽象的になりすぎず、中範囲的性格をもつためには、正確なフォーク・コンセプトの理解が必要である。この点で調査者は現地において、有能なアシスタント、インフォーマント、さらに共同相手としての研究者に依存する所が大きい。しかしフォーク・コンセプトに由来する理論モデルの理念型的限界にも留意すべきである。
  • 松本 通晴
    1985 年 36 巻 1 号 p. 35-47,144
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    ある社会事象をまず記述しよう。その記述された社会事象の存在形態の原因をつぎにさぐることにしたい。しかし社会事象の斉一性もその内部において差異的な現れ方をする。この差異的な社会事象を解明するところに解釈が生まれる。
    本論文では、都市の中の離村者たちが結節してつくりだす同郷団体を素材として、右の記述、説明、解釈を適用してみようと思う。
    すでに戦前には農村人口の自然増加部分がほぼコンスタントに流出し、戦時ならびに戦後にはさらに大量の次三男、女子、そして長男、世帯主も都市に流出してきた。彼らは多く都市の中で同郷団体を結成する。
    通常、離村者えちは近代における資本の蓄積過程からほぼ必然的に都市に移住してきた。そして今日では、山村と離島出身者の間に個々に分散する離村者というにとどまらない、いわば同郷団体の形成が特徴的に見られている。この場合には、離村者の中の指導者の存在が大きく作用している。ここに筆者の論点がある。
  • -内向性志向文化と少年非行-
    森田 洋司
    1985 年 36 巻 1 号 p. 48-65,143
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    暴走族青少年の性格特性は、極端に高い外向性と高い神経症的傾向を示している。日本の青少年は一般に、発達につれて児童期よりも内向化する傾向がみられ、その生育環境にさまざまな内向化への文化的圧力が介在しているものと推定される。暴走族青少年がわが国の児童期の特性である外向的傾向を異常に高く示すということは、彼らの発達過程にこうした文化的圧力が欠如していたか、あるいは外向性強化要因が作用していたものと思われる。また、こうした彼らの高い外向性は彼らの逸脱行動に人格的な未成熟性をもたらす要因ともなっている。
    また、暴走族青少年では学業不振が著しいが、それは現代の学習過程が彼らの極端に高い外向的特性に不適合なるがゆえに生じているものと思われる。したがって、彼らの学業不振は知識の配分過程への不適応と見なすことができるが、それは同時に知識配分過程に潜在的に含まれている「かくれたカリキュラム」としての内向性志向文化への不適応でもある。
  • -水田稲作地帯の下級大地主の事例-
    高橋 満
    1985 年 36 巻 1 号 p. 66-89,142
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    地主制研究は、戦前の農村社会の構造とその変動を理解する鍵である。この点で、農村社会学における寄生地主制研究は、地主による農民支配の構造、逆に、農民の主体形成の社会的・経済的基盤およびその具体的過程を明らかにしようとしてきたのであるが、理論的にも実証的にも十分な成果をあげているとは言い難い。とくに、地主・小作関係の具体的姿が明らかにされない点に大きな弱点がある。
    こうした研究状況をふまえて、本稿では、水稲単作地帯の一地主を事例として取り上げ、大正期における地主・小作関係を土地所有に基礎をおく家と家の関係から-とくに労働組織の分析に焦点を据え-把握することを課題としたい。そこには、地主制研究を中心的に担う経済史学において等閑視されてきた諸点を補い、農民層分解を社会学的視点から究明しようとする意図が込められているが、以下の分析はその第一階梯にとどまる。
  • -社会科学に対する現象学の意義をめぐって-
    儘田 徹
    1985 年 36 巻 1 号 p. 90-102,142
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    現象学が社会学に対してなんらかの積極的な意義をもつと考える社会学者にとって、その意義がメタ理論的なものかそれとも理論的なものかという問題は、きわめて重大な争点となるように思われる。
    本稿ではこの問題に一定の解答を与えるために、次のような一連の分析をおこなう。
    (1) この問題をシュッツの学問体系のなかに位置づけること。この結果、この問題が生じる原因がシュッツの体系のなかにあることがあきらかになる。
    (2) シュッツの学問体系のなかでは、現象学が社会学を含む社会科学に対して理論的な意義をもつとした場合には、ある矛盾した事態が生じざるをえないことをあきらかにすること。この結果、現象学がシュッツの体系内で社会科学に対してもちうる意義は、メタ理論的なものに限定されることになる。
    (3) (2) 分析の結果がフッサールの体系と矛盾しないことをあきらかにすること。
    そして以上の分析の結果、現象学は社会学を含む社会科学に対してメタ理論的な意義だけをもつことが確認される。
  • -山本論文へのいくつかの疑問-
    野口 裕二, 都築 一治
    1985 年 36 巻 1 号 p. 103-105
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • -野口・都築両氏に答える-
    山本 努
    1985 年 36 巻 1 号 p. 106-107
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 宮本 孝二
    1985 年 36 巻 1 号 p. 110-111
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 堤 マサエ
    1985 年 36 巻 1 号 p. 112-113
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • -市民自治をめぐる自治体と住民-
    園部 雅久
    1985 年 36 巻 1 号 p. 113-115
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 秋元 律郎
    1985 年 36 巻 1 号 p. 115-117
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
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