日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
21 巻, 7 号
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  • (第1報) 魚肉中の核酸関連物質の測定法
    毛利 威徳, 平井 厚子, 川崎 陽子, 橋田 度
    1974 年 21 巻 7 号 p. 313-317
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ヒポキサンチン,イノシン,イノシン酸などの核酸成分はカラム法,酵素法によって測定した。淡水魚のバクレンのヌクレオチドパターンは,ATP, ADP, 5'-IMPが主体であった。核酸塩基へのキサンチンオキシダーゼの作用についてはグアニンにわずかに反応した。
  • (第2報) 魚缶詰製造ならびに貯蔵中の核酸関連物質の変化
    毛利 威徳, 平井 厚子, 川崎 陽子, 橋田 度
    1974 年 21 巻 7 号 p. 318-323
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    揮発性塩基(VB-N)は缶詰製造後,37℃保存3ヵ月目より測定値が増加した。室温においてはあまり変化はなかった。ヒポキサンチンの場合,測定値は,製造直後と6カ月目とほとんど差異がなかった。缶詰のヒポキサンチン量より製造時のヒポキサンチンの量を推定することができた。
  • 白井 正澄, 渡辺 研, 岡本 奨
    1974 年 21 巻 7 号 p. 324-328
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    大豆11Sおよび7Sグロブリンにとむ画分の5%溶液より湯葉状皮膜を生成させ,成膜状態や膜質について比較した。11S, 7Sとも液温60℃までは溶液中で大きな変化がなく,80℃でサブユニットに解離または高分子に会合する。膜の強伸度はpHによって異なるが11Sは7Sよりつねに引っ張り強度大きく,また11S,7Sとも中性附近で伸び率が減少しアルカリ側でとくに11Sは急増した。NEM, ME,尿素いずれの添加でも強度は低下し,成膜阻止作用は尿素が最も大きかった。またこれらは11Sの方が大きく影響を受けた。7S皮膜は表面に大きなシワができるが,11Sは生じない。しかし11SもNEM添加により大きなシワができ,7Sも尿素添加により消失した。以上のように11S, 7Sは湯葉の膜質への関与がそれぞれ相異なり,また皮膜生成にはSH基の存在は不可欠なものではないが,皮膜強度やシワの発現など膜質に関係するものと思われた。
  • (第1報) アスパラガス中の腐食因子について
    竹内 伊公子, 長田 博光, 大塚 滋
    1974 年 21 巻 7 号 p. 329-335
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) ホワイトアスパラガスのエキス中の腐食因子および黒変因子は,陽イオン交換樹脂に吸着されないで,陰イオン交換樹脂に吸着する区分に大部分が存在する。陰イオン交換樹脂に吸着しない1部の腐食因子はエーテルには溶けない。陰イオン交換樹脂に吸着する腐食因子および1部の黒変因子はエーテルにかなり溶け出す。
    (2) 陰イオン交換樹脂に吸着した酸性区分は,ゆるやかな条件の部分加水分解で,容易にグルタミン酸,酒石酸およびクエン酸などを遊離する。
    (3) アスパラガス缶詰の缶内面腐食因子(スズ溶出型の腐食因子および黒変因子)は既知のいわゆる「腐食因子」,遊離のシスチンやシステイン,有機酸,硝酸塩あるいはアントシアン色素などではなく,また,単一な物質でもないと考えられる。腐食因子のうち,少くとも1つはグルタミン酸,有機酸あるいは炭水化物がゆるやかに結合した化合物であると考えられる。
  • 中林 敏郎
    1974 年 21 巻 7 号 p. 336-340
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ミカン缶詰の白濁防止のために,MC同様の効果を有する天然物(PO)の分離を試みた結果,
    (1) 石灰処理した温州ミカン果皮の熱湯抽出液から,アルコール沈殿などによって白濁防止能を有するPOを分離した。
    (2) POは水溶性の白色粉末で,アラビノースとガラクトースを含む比較的低分子のヘミセルロースの一種と考えられる。
    (3) POはタンニンと結合して沈殿を生じ,白濁防止能と除タンニン能とが同じ作用に基づいていることを確かめた。
    (4) ミカン缶詰への添加試験の結果,POが白濁防止剤として有効であることを明らかにした。
  • (第13報) カードラン型多糖類13140によるタンニンの吸着
    中林 敏郎
    1974 年 21 巻 7 号 p. 341-344
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    微生物の生産するカードラン型多糖類13140(PS)とタンニンとの反応を検討した結果,
    (1) PSによるタンニシ吸着は短時間に完了し, pHの影響を受けないが,高温で低下し,とくにエタノールによって著しく阻害される。
    (2) PSの除タンニン率は加熱によるゲル化によってもほとんど変化しない。
    (3) PSは低分子ポリフェノールをほとんど吸着しないが,普通のタンニンはよく吸着し,除タンニン剤として使用できる。
    (4) タンニンの存在でPSのゲル化能は著しく阻害される。
  • (第7報) めん類に対する添加物の抗菌力について
    棚田 益夫, 内田 晴彦
    1974 年 21 巻 7 号 p. 345-350
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    抗菌力が認められている食品添加物および天然物25種類について,生めんまたはゆでめんに対する抗菌力を比較検討した。
    (1) エチルアルコールの抗菌力は生めん,ゆでうどんのいずれにおいても,試料中の水分に対する相対量に応じて増加し,約13%以上では微生物の増殖は認められなかった。
    (2) グリシンの抗菌力は生めん,ゆでうどんのいずれについてもおおよそ0.5%以上の添加で認められ,2%以上添加しても抗菌力はほとんど増加しなかった。
    (3) グリシンおよびエチルアルコールのゆでうどんに対する抗菌力は蒸気殺菌処理併用でかなり増加した。
    (4) 原料粉に添加されたグリシンのゆでめん中残存率はゆでうどんで26%,ゆでそば,ゆで中華めんでそれぞれ39%であった。
    (5) 有機酸では酢酸,DL-リンゴ酸の抗菌力がすぐれていた。
    (6) 以上の添加物およびその他の添加物の抗菌力を“抗菌力指数”として示した。
    (7) これらの添加物を併用したさいの効果は相加的とみなされた。
  • 久保 直哉, 真 ゆみ子, 萩沼 之孝
    1974 年 21 巻 7 号 p. 351-357
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    キュウリについて収穫後に室温で12日間,低温およびCAで19日間貯蔵を行ない,低温障害およびガス障害とキュウリの品質,性状および成分の変化,とくに有機酸組成の変化との関連を検討した。
    (1) 貯蔵中の腐敗は高炭酸ガスおよび低湿区において増加し,低酸素区においては増加しなかった。また障害は室温において黄化,室温および低湿区において委縮,低温および高炭酸ガス区においてピッティングが認められた。
    (2) 重量減少率は低湿区において増大し,硬度は室温区において,黄化とともに減少した。
    (3) 屈折計示度,全酸および全糖は低湿区が多く,CA区は少なかった。
    (4) 低温および高炭酸ガス区においてpHはかなり上昇し,アスコルビン酸はかなり減少し,いずれも障害の指標になると思われた。
    (5) 有機酸の分別定量はシリカゲルの分配クロマトグラフィーを自動化した有機酸自動分析機によって行ない,前述のような前処理なしの簡易法を考案し定量した。
    (6) 有機酸組成の変化については低温区および高炭酸ガス区においてリンゴ酸の減少が著しく,クエン酸,フマール酸およびコハク酸の増加が大きかった。またこれらの区ではケト酸も認められた。したがって有機酸組成の変化がある程度障害の指標となり得ると考えられる。
    (7) キュウリの最適貯蔵条件は温度が8~10℃,湿度は95%前後であり,CA貯蔵の最適条件は酸素が5%以上,炭酸ガスは5%以下の組合わせの中にあると思われる。
  • 1974 年 21 巻 7 号 p. 358-363
    発行日: 1974/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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