日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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38 巻, 10 号
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総説
研究論文
  • 高橋 栄治, 三田 文雄, 遠藤 剛
    2002 年 38 巻 10 号 p. 372-381
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    N-メチル-4-または2-シアノピリジニウム,2-クロロピリジニウム,2-メトキシピリジニウム, 2,6-ジクロロピリジニウム,2-クロロ-6-メトキシピリジニウム,3-ブロモキノリニウム,2-フェ ニル-4-メトキシカルボニルキノリニウム,8-ニトロキノリニウム,ベンゾチアゾリウムおよび2-メチルチオベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート塩を,対応する含窒素へテロ環とジ メチル硫酸との反応後,六フッ化アンチモン酸カリウムとの塩交換により合成し,これらを開始剤に用いたエポキシモノマー,アクリルモノマーの重合を検討した。電子吸引性置換基を有する塩が電子供与性置換基を有する塩よりも低温でエポキシモノマーの重合を開始した。ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物を添加すると,N-メチルアンモニウム塩単独の場合よりも熱重合開始温度が低下し た。これらの塩は光重合開始剤としても作用ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類,2,2-ジメトキシ-2-アセトフェノンのような光ラジカル発生剤および2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセンのような芳香族化合物が光増感剤として有効であった。
研究論文
  • 重森 一範, 越智 光一
    2002 年 38 巻 10 号 p. 364-371
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2014/10/31
    ジャーナル フリー
    側鎖に架橋点としての水酸基を持ち,ポリオキシプロピレングリコール(PPG)をソフトセグメントとするウレタン樹脂と3官能イソシアネートからなる硬化剤を反応させて粘着剤を調製した。その粘着剤のソフト,ハードセグメントの比率や架橋度を変化させ,粘着力,再剥離性との関係を検討した。一般的に180°剥離試験で8.0N/25mm以上の粘着力と再剥離性を共に満たすことはウレタン樹脂では困難であるが,ソフトおよびハードセグメントの構造を制御することによりこの両方の物性を満たす粘着剤を調製できた。これはウレタン粘着剤のソフトセグメントが粘着力の向上に作用し,ハードセグメントや架橋構造に由来する凝集力の上昇が再剥離性に作用したためと考えられる。ハードセグメントや架橋構造が少ないと凝集力不足のため再剥離性は悪くなり,多すぎると凝集力が強くなりすぎて粘着力を発現させることはできない。これらの現象は動的粘弾性測定においてハードセグメントや架橋度の増加に従って,貯蔵弾性率のゴム状領域が凝集力の上昇とともに上がっていることからも確認できる。また,ハードセグメントの上昇とともに表面自由エネルギーが上昇していることは中粘着力と再剥離性が両立する証拠の一つになると考えられる。
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