日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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47 巻, 12 号
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総説
総説
研究論文
  • 宮﨑 健太郎, 辰野 智子, 宮田 壮
    2011 年 47 巻 12 号 p. 465-470
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    皮膚表面温度付近において異なる貯蔵弾性率を有するアクリル系粘着剤の角質剥離機構について検討を行った。架橋剤添加量により貯蔵弾性率を変化させた4種類の粘着剤を用いて作製した粘着テープについて,その角質剥離機構を角質染色面積率測定とタンパク質定量により評価した。貯蔵弾性率が低い粘着剤ほど角質を均一に剥離することが可能であり,剥離量も多かった。これは粘着テープを貼付した皮膚の断面観察の結果から,貯蔵弾性率の低い粘着剤は皮膚表面凹凸によく追従して変形するとともに,皮膚自身も粘着剤に合わせて変形することに起因するものであると考えられる。一方,貯蔵弾性率の高い粘着剤はほとんど変形せず皮膚表面の凸部分とのみ接触し,皮膚の変形も小さかった。
研究論文
  • 山田 雅章, 折山 雅至, 滝 欽二
    2011 年 47 巻 12 号 p. 471-477
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
     油状成分を多く含む難接着木材用接着剤の開発を目的として,ケン化度の異なる数種類のPVAと構造の異なる4種類のpMDIの混合物を接着剤として様々な試験を行い,PVAの疎水基量が接着性改善に与える影響を検討した結果,以下のことが明らかになった。 側鎖の疎水基量が増加するにつれてPVA水溶液のpMDIおよびヒノキ精油の分散性能は向上した。また疎水基量がある値以上になると分散性の向上は頭打ちとなった。pMDIを添加したPVAは動的粘弾性のE”ピーク温度が高温側にシフトし,同時にE’にゴム状平坦部が現れたが,側鎖の疎水基量が多く良好な分散性を示したPVAほどE”ピーク温度のシフト量が大きくなる傾向が見られた。ゴム状平坦部におけるE’値から算出した見かけの架橋密度は,分散性の良好なPVAほど架橋密度が高い値を示す傾向があった。ヒノキ精油を塗布したカバ材の接着性能は,常態および耐水ともにpMDI分散性が良好なPVAほど良好な結果を示した。このことから油状成分を多く含む木材に対してPVA側鎖の疎水基が有効に作用することが推測された。
技術論文
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