日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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53 巻, 2 号
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総説
総説
研究論文
  • 呉 杉, 中根 久志, 森 きよみ
    2017 年 53 巻 2 号 p. 49-55
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル フリー

    本研究では,主成分をアルミナとし,バインダーがリン酸アルミニウムの無機接着剤の高温ヤング率に及ぼす熱処理温度の影響について調べた。まず,高温炉内につるした棒状バルク試験片を炉外上部から落とした鋼球により衝撃加振し,その固有振動数を振動音から分析し,室温から900℃まで試験片の固有振動数を測定した。その後,ベルヌーイ・オイラー梁理論を用いて,固有振動数からヤング率を求めた。さらに,高温下において静的曲げ試験を行い,高温衝撃加振実験の結果を検証した。その結果,二つの実験方法で測定したヤング率の温度依存性の傾向はよく一致した。本研究の結果,リン酸アルミニウムをバインダーとした無機接着剤の高温下におけるヤング率の温度依存性を簡便に測定する方法を示し,この材料の高温特性を明らかにした。

研究論文
  • 佐藤 暢也, 杉木 友哉, 山田 英介
    2017 年 53 巻 2 号 p. 41-48
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル フリー

    ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG:分子量650,T65),またはエポキシ樹脂との相溶性が高いポリカプロラクトングリコール(PCL:分子量1000,L1)を用いた高ハードセグメント含有ポリウレタン(PUR)を前報と同様の方法でそれぞれ合成し,分子量と化学構造の異なるPUR中のハードセグメント(HS)含有量及びエポキシへの添加量を変えた硬化物の諸物性を測定し,前報の結果と合わせて検討した。硬化物の物性結果から,T65-PUR系では添加量の増加とともに接着性や破壊靭性が向上し,HS含有量の増加は,曲げ特性と破壊靭性に対して改質効果が見られた。破壊面のモルフォロジー観察結果からは,いずれの系も海島型のミクロ相分離構造であり,HS含有量の増加はPUR粒子を微細化することを認めた。一方,エポキシ樹脂との相溶性が高いL1-PUR系では,接着物性のじゃっかんの向上及び破壊靭性値と曲げ弾性率の増大を認めた。この系の破壊面のSEM 観察から,PTMG系よりも極めて微細なナノスケールの相分離構造を形成していることを確認した。

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