日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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47 巻, 8 号
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総説
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研究論文
  • 宮城 善一, 近藤 祐介, 雑賀 聡一
    2011 年 47 巻 8 号 p. 302-308
    発行日: 2011/08/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
     粘着剤の先端的工業分野の使用において,微小変形領域における粘着剤のせん断特性を把握するために特性評価法の高度化が必要である。規格に定められた試験方法は主に品質管理が目的であり,微小変形領域のせん断特性を考察する上では測定分解能が低い。そのため,変位測定分解能を10nmとした試験装置を開発し,粘着剤のせん断特性に関わる静的粘弾性特性の解析を試みた。 この試験装置によりアクリル系粘着剤のせん断変形とずれを測定し,粘弾性力学モデルの係数を特性値として分散分析を行った結果,被着体温度,架橋剤添加量の効果の有意性を確認することが出来た。評価特性としてクリープコンプライアンスを使用した場合,せん断特性に対する被着体温度と架橋剤添加量の依存性が負荷時間の長い領域において大きくなることがわかった。また,微小せん断変形領域における負荷時間と被着体温度換算の関係が,室温を中心とした実用的な被着体温度範囲において適用できることを検証した。
研究論文
  • 伊東 慶子, 浦濱 圭彬, 中村 吉伸
    2011 年 47 巻 8 号 p. 294-301
    発行日: 2011/08/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
     粘着テープは広い分野で多様な使われ方をしているが,その特性は粘着剤の力学的性質に大きく依存している。特に粘着テープを剥離するときの粘着剤の変形,いわゆる糸曳きが性能発現に大きく寄与している。そこで,上面および側面から粘着剤の剥離挙動を観察出来る装置を作製した。架橋度の異なるアクリル系粘着剤で,糸曳き現象および剥離速度を,剥離荷重を変化させて測定した。その結果,剥離速度の測定と側面からの糸曳き長さ,糸曳き幅を計測することにより真の粘着剤歪み速度を測定することが可能となった。また,凝集破壊を起こしている剥離でも糸曳き長さ,糸曳き幅を測定できるようになった。 今後は,この歪み速度に相当する引張速度での応力一歪み曲線を測定することにより,粘着テープ剥離接着力の材料力学からの解析が可能となる。
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