日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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36 巻, 10 号
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総説
研究論文
  • 衣笠 秀行, 荒井 智一
    2000 年 36 巻 10 号 p. 408-414
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究は偏心モーメントの生じない二重重ね合わせ継ぎ手を対象に,継ぎ手強度に及ぼす板厚増加の影響について検討を行ったものである。接着面にはせん断応力と垂直応力が作用する。板厚の増加は,せん断応力分布を均等化する効果と,垂直応力を増加させる効果を同時に継ぎ手にもたらす。前者が継ぎ手強度に及ぼす影響についてはこれまでに多くの研究がある。本研究では,接着面のせん断応力分布は同じで垂直応力の向き(圧縮と引張)が逆である,軸圧縮時と軸引張時の継ぎ手強度の比較を行うことにより,後者の板厚増加による接着面垂直応力の発生が継ぎ手強度に及ぼす影響につ心て検討を行った。その結果,軸引張力を受ける二重重ね合わせ継ぎ手には板厚の増加により,せん断応力分布が均一となることによる強度上昇と同時に,接着面に引張垂直応力が発生することによる継ぎ手強度の劣化が,無視できない大きさで発生していることが確認できた。
研究論文
研究論文
  • 木原 幸一郎, 渡辺 剛, 杉林 俊雄, 安西 哲也, 山辺 秀敏
    2000 年 36 巻 10 号 p. 397-403
    発行日: 2000/10/01
    公開日: 2015/04/30
    ジャーナル フリー
    二軸負荷試験機と十字形の接着継手を用いて,せん断接着強度の評価法を検討した。接着剤としてエポキシ樹脂を用いた。接着剤単体を硬化させて,その性質を測定した結果,本接着剤にはミーゼスの降伏条件を適応できることがわかった。有限要素法を用いて弾塑性解析を行い,十字形接着継手の接着層の応用分布を計算した。解析の結果,2方向の負荷の大きさによらず,接着層においてミーゼスの相当応力を支配するのはせん断応力であった。従って,継手破壊時の合せん断応力は2方向の大きさによらず一定になると考えられる。そこで,二軸負荷試験を行った。実験結果は解析結果と一致した。最後に,十字形接着継手の破壊強度,接着剤単体の試験片さらに,円筒突合せ接着継手のねじり強度を比較した。これらの強度はほぼ一致した。以上の結果から,ミーゼス則を適応できる接着剤の場合,本評価によりせん断接着強度の評価が可能なことを示した。
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