日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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48 巻, 3 号
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研究速報
  • 林 英樹, 山田 剛史, 鬼頭 明生, 水谷 好孝, 二村 道也, 尾之内 千夫, 平野 幸治, 三宅 卓志
    2012 年 48 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 2012/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    ひずみセンシング材料の開発を目指し,三重結合を主鎖に持つ新規ポリマーの合成を行った。得られたポリマーを基板に塗布し,種々の力で曲げてラマンスペクトルを測定し,アセチレン由来ピークの位置の変化を調べた。その結果,アセチレン由来ピークの低波数側への移動が観測されたので,このポリマーはひずみセンサーへの適応の可能性が示唆された。従来,ひずみセンシングに用いていた材料は,基材にキャストした後加熱架橋させてひずみセンサーへのコーティング膜にしていたが,本方法では加熱架橋の必要がなくなった。このことから,プロセスの簡略化が可能となっただけでなく従来適応できなかったラマン不活性材料への対応もでき,材料の適用範囲が広がることが期待される。
研究論文
総合論文
研究論文
  • 村瀬 正次
    2012 年 48 巻 3 号 p. 90-96
    発行日: 2012/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    鋼材中に0~9%Crを添加した鋼材およびSUS410,430,304を基材としたポリエチレン被覆鋼材の接着耐久性を,温塩水浸漬および塩水噴霧試験(SST)にて調査した。Cr量が増加するに従い温塩水浸漬後の接着耐久性は向上する。SST試験後の端部からの被覆層の剥離速度もCr量の増加に従い改善するが,9%添加以上では効果が飽和する。Cr量増加とともに接着耐久性が改善するのは,鋼材裸面の腐食電位と関係することが示唆された。Cr添加による電位の貴化は,被覆層下の鋼表面と鋼材露出部分の電位差を小さくすることで,被覆層下のカソード反応を抑制すると考えられる。ただしステンレス鋼は剥離面における隙間腐食の影響や,SUS304は接着性が劣ることを考慮しなければならない。
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