日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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56 巻, 8 号
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総説
  • 中川 貴文
    2020 年 56 巻 8 号 p. 325-330
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー

    Recently many new detached wooden houses are produced using pre-cut processing( described later). In order to evaluate the structural performance of a wooden house, information on the frame and design information on the joints are required. This information is created as three-dimensional information in CAD (Computer Aided Design) data for pre-cut processing and has an extremely high affinity for structural analysis. At present two-story wooden houses are just only required to calculate the amount of wall. However, if three-dimensional information at the time of pre-cutting can be utilized in structural design, it is possible to produce wooden houses with structurally more structural safety. We focus on the CAD information for wooden houses and introduce the contents of the research which examined the method to cooperate with the structural performance evaluation.

研究論文
研究論文
  • 杉本 由佳, 鈴木 祥仁, 松本 章一
    2020 年 56 巻 8 号 p. 303-313
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー

    4 種類のエポキシ樹脂,9 種類のジアミン硬化剤および2 種類のポロゲン( 細孔形成剤) を組み合わせて使用した熱硬化反応によって共連続多孔構造を有するエポキシモノリスを作製し,金属―エンジニアリングプラスチック間の異種材料接合に応用した。ステンレス鋼板あるいは銅板上にエポキシモノリスを作製し,ポリカーボネート板あるいはポリフェニレンスルフィド板を熱溶着して接合試験片を作製した。上記のエポキシ材料ならびに被着体を組みあわせたエポキシモノリス接合系の耐熱性を各試験片の加熱処理前後における引張りせん断試験の結果から評価した。また,モノリス材料の熱重量分析によってエポキシ硬化物の熱分解挙動を明らかにした。これら結果に基づいて,エポキシ樹脂およびジアミン硬化剤の構造や官能基数がエポキシモノリスの細孔構造ならびに接合強度や耐熱性に与える影響について考察した。

  • 堀口 結以, 高橋 紳矢, 武野 明義
    2020 年 56 巻 8 号 p. 314-324
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー

    高分子が破壊するときの初期現象であるクレーズのもつ相内ボイドが環境( 周囲) 温度に応答して閉孔する機構を,主にクリープ変形現象を利用した解析手法によって検討した。通常,高分子多孔材料内のボイドは母体樹脂の融解に伴って閉孔する。しかしながら,クレーズ内のそれは融点より低い温度,かつ母体樹脂種に関わらず,常に60℃近傍で閉孔運動( 以下,ヒーリング) を開始することが確認されている。我々は,すでに当該ヒーリングがボイドのもつラプラス圧と接触環境との界面自由エネルギーに起因した現象であることを報告しているが,本研究において,ヒーリング開始温度前後でクレーズ内ボイドに発生させたクリープ変形から上記要因の追認を行った結果,以下のことが明らかとなった。クレーズ発生試料に対し,クリープ進行温度条件下で当該測定を行ったところ,母体樹脂の加熱伸長および収縮を伴わない試料長変位の減少が観測された。また,この変位挙動はクリープ時の印加張力に強く依存した。さらに,クレーズ内ボイドの界面環境を気体から液体に置換した際のヒーリング開始温度は,対気体より対液体界面の方が上昇した。このとき,前者より後者の界面自由エネルギー( 界面張力) は低下しているため,これがヒーリング現象と密接に関わっていることをあらためて確認した。加えて,この界面張力と各温度でボイド近傍にはたらく力学応力の均衡状態によって,クレーズ相の微多孔構造に差異が生じることが判明した。

研究論文
  • 林 明日香, 関口 悠, 原賀 康介, 佐藤 千明
    2020 年 56 巻 8 号 p. 296-302
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー

    第二世代アクリル系接着剤( SGA) は室温硬化型接着剤であるため,硬化温度が塗布環境の雰囲気温度に依存する。本研究では,SGA の硬化温度が接着強度および破壊じん性へ及ぼす影響を調査した。せん断試験では,破壊形態が硬化温度の影響を受けたが,硬化温度による大幅な強度変化は観察されなかった。しかしながら,AFM による材料内部のミクロ観察より海島構造の変化が観察されたこと,バルク材の引張試験より材料物性の変化が確認されたことから,接着剤の硬化物は硬化温度の影響を受けていることが示唆された。また,この変化は破壊じん性への影響が大きいことがDCB 試験によって明らかにされた。低温硬化時の破壊じん性はせん断試験と異なりポストキュアによる回復がない一方で,高温硬化時には破壊じん性が大幅に向上することが分かった。

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