日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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40 巻, 2 号
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総説
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研究論文
  • 市川 功, 榎本 香津子, 内田 健
    2004 年 40 巻 2 号 p. 51-57
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2014/11/30
    ジャーナル フリー
    現在,半導体封止材料のマトリックスレジンとして注目されているビフェニル分子は,多くの汀電子をもつ分子である。これをエポキシ樹脂硬化物中に導入すると,汀電子を仲介としたフレキシブルな相互作用により平面構造を有する分子が積層し,外界からの刺激に対して分子平面がスライドし系内部に発生する応力を緩和させることができる。そこで我々はいくつかの骨格を有するマトリックスレジンにおいて,その電子状態を分子軌道法より求め,これらを用いた硬化物の分子配向性をXRDにより定迩化し機械特性を測定し比較した。その結果,冗砺子密度の高いものを反応物として使用すると,分子配向性が高くゴム領域での弾性率が低く線膨張の小さい硬化物を得ることができた。またこれを半導体封止材料に応用したとき,半導体パッケージ内部に存在する金属フレームー封止材界面において高い接着性を有し,しかも熱刺激により発生する応力を低減させ,これまでにない高い耐IKリフロー‘性を発現するに至った。
研究論文
  • 岩蕗 仁, 福崎 智司, 永田 員也
    2004 年 40 巻 2 号 p. 44-50
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2014/11/30
    ジャーナル フリー
    ステアリン酸によるアルミナ粒子の表面改質機構について,フーリエ変換赤外(FT-IR)分光分析による調査を行った。吸着されたステアリン酸の逆対称COO'伸縮振動とc=o伸縮振動の吸収帯は,ステアリン酸陰イオンが優先的にアルミナ表面へ吸着することを示している。アルミナの表面水酸基によるOH伸縮振動に帰属される吸収帯の強度は,coo-吸収帯の出現に伴って減少し,アルミニウムイオンに結合したOH基とステアリン酸陰イオンとの交換が認められた。対称および逆対称CH,伸縮振動の吸収帯は,ステアリン酸吸着量の増加に伴って,単分子層吸着が飽和するまで低波数側にシフトした。このことは,吸着されたステアリン酸の炭化水素鎖のコンホメーションがゴーシュからトランス・ジグザク構造に変化することを示唆している。CH2はさみ振動による吸収は,単分子層の形成までは一本であり,吸着されたステアリン酸とステアリン酸陰イオンの炭化水素鎖のサブセルは六方晶系であることを示している。
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