エポキシ樹脂中で反応性の異なるチタニウムアルコキシド(TTE, TTIP, TTB)をin-situ重合することによって得られたエポキシ/チタニアハイブリッド材料の誘電特性について検討した。誘電率測定より,ハイブリッド化に伴い室温付近の貯蔵誘電率の大幅な低下が観察された。一方,β緩和はチタニウムアルコキシドの反応性の増加に伴いより強く抑制され,ピーク面積が低下した。これはエポキシ樹脂の開環反応により生成したヒドロキシル基とチタニウムアルコキシドが反応して,共有結合を形成し,硬化物内のヒドロキシルエーテル部の運動が抑制されたためと考えられる。エポキシ/チタニアハイブリッド体では,チタニウムアルコキシドの反応性を変化させても,エポキシマトリックス内にチタニアセグメントが分子オーダーで均質に分散しているのが透過型電子顕微鏡(TEM)により観察された。
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