肺癌
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16 巻, 2 号
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  • 浅井 喜久子
    1976 年 16 巻 2 号 p. 91-100
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    原発性肺癌手術例 (男子100例, 女子40例) 非癌手術例 (男子28例, 女子21例) について気管支粘膜上皮の扁平上皮化生像発現頻度と喫煙歴, 癌組織像, 年齢, 術前照射との関連を検討し, 又さらに気管支粘膜上皮下の炎症性細胞浸潤の程度との関係も検討した. すなわち扁平上皮化生像は, 必ずしも現在の炎症像の程度とは関連せず, 喫煙により増強されるが, 一方同程度の喫煙者例では, 非癌例に比して肺癌例に一層顕著に, 又比較的広範囲に認められ, 大きな気管支にみられる事がしばしばであり, 特に癌組織像とは, 関係しなかった.
  • 石川 創二, 小松 健治, 富木 経三, 石原 重樹
    1976 年 16 巻 2 号 p. 101-110
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    当科に入院加療した237例の原発性肺癌の切除率は35%で, そのうちI期, II期例は33例 (39.8%) に過ぎず, 50例 (60.2%) がIII期の切除例であった. 試験開胸に終った46例の肺癌のうち, III期に属するものが24例認められ, 同じIII期でありながら, 切除した例と, 非切除例とで, 予後に如何なる差異があるかを, 切除例34例と, 試験開胸例24例について比較検討した。結論的には切除群に2例の5年以上の生存をえたが, 試験開胸群には5年生存例はなく, 平均生存月数も切除群で24.4ヶ月, 試験開胸群で9.5ヶ月となり, 差を認めた。しかし病巣の性状によっては, 切除群がすべて優位でなく, 特に胸壁浸潤肺癌に対する広範囲胸壁合併切除例の予後は極めて悪く, 試験開胸, 放射線療法を行なった例に優位の延命がみられた。一方進行肺癌に対する試験開胸は, 高いRiskを与えるので, 術前の十分な検討によって, 試みの開胸は避けるべきであると思う.
  • 癌性リンパ管症との関連に於て
    松本 寿之介
    1976 年 16 巻 2 号 p. 111-127
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍肺転移147例のX線像を, 結節影のみの型 (I型), 結節影を含まない放射状影又は不整索状影 (II型), 結節影と放射状影, 不整索状影の混合型 (III型) の3つの型に分類した.別出肺の得られた20症例について, X線所見と病理所見を対比し, 肺転移像の成立機序を検討した.原発性肺癌と単発性肺転移との鑑別診断には, 結節影の辺縁の性状および肺炎, 無気肺等の二次性陰影の検討が重要な鑑別点となる.
  • 小野 良祐, 北川 俊夫, 尾形 利郎
    1976 年 16 巻 2 号 p. 129-140
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    過去5年間 (1969年5月~1974年12月) に国立がんセンター病院で取り扱った肺癌の内, 放射線治療と気管支動脈内抗癌剤投与法の併用を行なった原発性肺癌111例の治療経過について放射線治療の立場から報告する.その内訳は, 扁平上皮癌51例, 腺癌27例, 大細胞型未分化癌9例, 小細胞型未分化癌24例, である.1974年UICC・TNM病期分類を使用して, 肺癌111例を分類すると, Stage I4例, Stage II15例, Stage III92例である.3年粗生存率は67例中10例 (14.9%) であり, 組織型別では扁平上皮癌32例中3例 (9.4%), 腺癌17例中4例 (23.5%), 大細胞型未分化癌4例中2例 (50.0%), 小細胞型未分化癌14例中1例 (7.1%) の3年生存率を示す.治療成績は当然のことであるが, 病期により大いに相違がある.症例の病期別にその3年粗生存率をみると, Stage I3例中2例 (66.7%), Stage II8例中3例 (37.5%), Stage III56例中5例 (8.9%) である.気管支動脈造影法を併用することの利点は, 無気肺部分, 肺門を中心にした縦隔内病巣の把握が可能で, 照射野決定に役立つ.又, 選択的に抗癌剤を投与した場合は, その効果によって, 肺門, 縦隔部病巣に対する放射線投与量の減少が期待できる.すなわち, 気管支動脈内抗癌剤投与の際の薬剤分布状態は肺門縦隔部に著明であり, 肺癌放射線治療における問題点の一つである肺門・縦隔への照射線量の減少が期待できる.このことは肺門・縦隔に対する大線量照射による照射後, 心肺機能不全, 放射線肺炎の発生頻度を低下せしめうるものと思われる.
  • 第II報: 制癌剤MMC, 5-FUおよび色素剤PSPについての成績
    佐川 圭助
    1976 年 16 巻 2 号 p. 141-151
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    前回発表したBLMの成績に加えて, MMC, 5-FU, PSPの各薬剤の胸水内投与, 静脈内投与時の血液中および胸水中濃度の経時的推移を人工的に胸水貯留状態を作成した犬を用い検討した.胸水内投与の場合, 5-FUのような低分子量の制癌剤では明らかに胸水内濃度の減衰はより速かとなり, 半減期は高分子量の薬剤のそれより短縮する.胸腔内から漏出した薬剤の濃度は胸腔内から血管系への遅い移行のために静脈性投与の場合より比較的長時間血中に維持される.BLM, MMC, 5-FU, PSPの胸水内での濃度の減衰を半減期で比較した成績によるとその中で最も高分子 (1400) のBLMも直接胸腔から血管系に移行すると思われる.静脈内投与における血中の個々の減衰曲線は2つのコンパートメントより構成される.最初に速いコンパートメントが認められついでゆるやかなコンパートメントが続く.ゆるやかなコンパートメントに於ては低分子の薬剤は高分子のものよりより速かな減衰曲線を示す.血中から胸腔内への薬剤の移行は同様に分子量の大きさに左右され, 低分子の薬剤は高分子のものより胸腔内により速かに移行する.本研究成績は, 癌性胸膜炎による胸水貯留のある肺癌患者の治療には, 薬剤と薬剤の注入の場の適切な選択が重要であることを示唆している.
  • 1976 年 16 巻 2 号 p. 153-155
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 16 巻 2 号 p. 157-171
    発行日: 1976/06/25
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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