肺癌
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38 巻, 7 号
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  • Peter Goldstraw
    1998 年 38 巻 7 号 p. 789-793
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • Harvey I. Pass
    1998 年 38 巻 7 号 p. 795-805
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 道明, 小林 淳, 北村 諭
    1998 年 38 巻 7 号 p. 807-813
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌治療による放射線食道炎について, 自験症例の臨床的検討を行った. 対象は1990年1月から1995年12月までの6年間に原発性肺癌のため当科に入院し, 食道を含む胸部に放射線照射 (1日2回) を行った62例である. 総線量は平均55.6Gyで, 48例 (77%) において照射開始後平均29.7Gyで咽頭部痛, 食道嚥下痛などの症状が認められた.照射前化学療法施行群 (n=46) では87%に発症が認められ, 50%に発症した非施行群 (n=16) より有意に高率であった (p<0.05). 粘膜保護剤を予防的に内服していた27例においても22例 (81%) が食道炎を発症した. 発症後の主な治療は粘膜保護剤の内服開始または追加であったが, これにより症状が改善したものは6例のみであった. 症状の悪化による照射中止は2例, 中心静脈栄養施行例は1例であった. 高頻度に発症する本症に対し, 現行の治療では不十分と考えられるため, より効果的な治療や予防対策を検討する必要がある.
  • 出口 博之, 四ノ宮 成祥, 尾関 雄一, 佐藤 光春, 桑原 元尚, 原口 秀司, 尾形 利郎, 田中 勧
    1998 年 38 巻 7 号 p. 815-823
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌33例, 非肺癌15例の気管支洗浄液のテロメラーゼ活性をnon-RI法により測定し, 肺癌の補助診断法としての有用性について検討した.肺癌症例の陽性率は78.8%で, 非肺癌の26.7%に比べ有意に高率であった.組織型別では扁平上皮癌88.9%, 腺癌81.3%, 大細胞癌50%, 小細胞癌66.7%であった. 細胞診との比較ではclassIIで36.4%, classIIIで33.3%, classIV, Vで91.3%の陽性率であり, 細胞診のclassの高いものほど, テロメラーゼ活性の陽性率も高かった (Spearman: p=0.0001).classIIと診断された中で最終診断が肺癌であった症例は57.1%の陽性率であり, 非肺癌の26.7%に比べ高い傾向にあった. 細胞診で確診がつかない症例でもテロメラーゼ活性が高い場合には肺癌である可能性が高く, 気管支洗浄液のテロメラーゼ活性測定は肺癌の補助診断法として有用であると考えられた.
  • 岡田 真也, 海老原 善郎, 工藤 玄恵, 芹沢 博美, 加藤 治文
    1998 年 38 巻 7 号 p. 825-835
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Solitary fibrous tumor of the pleuraの20症例を病理組織学的に検討した. 組織学的には細胞密度によって, 硬化型, 富細胞型および混合型に分類された.電顕的に腫瘍細胞はspindle cell, dedritic cellと, その中間型からなり, 種々の細胞内小器官をいれた細胞突起で嵌合していた.免疫組織学的には, 細胞の形態に拘らず, vimentin (100%), CD34 (73%) の陽性率が高かった.一部の細胞にはsynaptophysin, neurofilament, S-100, MIC-2, NGFR, SMA, desminが陽性となった.臨床的悪性の2例では, 細胞密度, 核異型度, 核分裂像頻度が高く, そしてp53, ki-67, PCNAの陽性率も高いことが共通していた.
    以上から本腫瘍細胞は神経系や筋系細胞への分化能を持った胸膜下結合織の未分化間葉系細胞に由来すると考えられた.その悪性度の判定には従来の形態的な因子のほかに, p53などの分子生物学的評価が必要である.
  • 溝渕 一哉, 藤田 幸久, 横村 一郎, 上田 幹雄, 橋本 進一, 岩崎 吉伸, 中川 雅夫
    1998 年 38 巻 7 号 p. 837-845
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発巣と転移巣間にDNAploidyの点から悪性度に差異があるかを検討する目的で, 原発性肺非小細胞癌の剖検例10例につき, 原発巣と転移巣より各々複数のsamplingを行い, 両者の核DNA量を比較した. 原発巣・転移巣とも10例全てがDNAaneuploidyまたはDNAmultiploidyで, DNA diploidyを呈する腫瘍は存在しなかった. 原発巣と転移巣の両者間のDNAploidy pattern・DNA indexは多数例で一致し, 不一致例 (intertumoral DNAheterogeneity陽性) は3例と少数であった. 今回の結果より原発性肺癌においては, 一旦転移を形成した後, 転移先で新たなクローンを獲得する可能性も否定できないと考えられた.
  • 田尻 道彦, 亀田 陽一, 前原 孝光, 石和 直樹, 野田 和正
    1998 年 38 巻 7 号 p. 847-853
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    微小肺癌の臨床病理学的性格を掴むために, 腫瘍最大径10mm以下の末梢部肺癌切除症例39例を検討した. 25例に肺葉切除及びR2郭清を施行したが, n0が24例, n1が1例, 全例pm0であった. 組織型は腺癌33例 (高分化25例, 中分化6例, 低分化2例), カルチノイド5例, 大細胞癌1例であった. 腺癌について, 増殖様式を肺胞被覆型 (被覆型) と肺胞構造破壊型 (破壊型) に, 腫瘍内線維化巣を陰性, 弾性線維型, 膠原線維増生型に, 細胞丈を高群, 中群, 低群に分類し検討した. それぞれ被覆型25例, 破壊型8例, 線維化巣陰性20例, 弾性線維型7例, 膠原線維増生型6例, 高群3例, 中群9例, 低群21例と, 高分化, 被覆型, 線維化巣陰性, 低群が多いことが特徴的であった. 術後, 肋骨転移1例 (破壊型腺癌, 担癌生存), 肝転移1例 (カルチノイド, 原病死), 他病死1例が認められ, 他は非再発健存である. 末梢部微小肺癌は一般に予後良好であるが, 組織学的に進行例と思われる症例もあり, 縮小手術の適応には, 詳細な組織学的検討を要すると思われた.
  • 加藤 雄二, 山田 耕三, 尾下 文浩, 野村 郁男, 野田 和正, 石和 直樹, 前原 孝光, 亀田 陽一
    1998 年 38 巻 7 号 p. 855-862
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    胸腺腫瘍の近接臓器への浸潤の有無および内部構造について, 通常の造影CT画像とthinsectionCT (TS-CT) 画像を用いて検討した.対象は最近5年間に当センターにて切除され, 確定診断がついた浸潤性胸腺腫瘍10例, 非浸潤性胸腺腫瘍6例, 胸腺癌4例である.個々の症例について画像所見と病理所見をprospectiveに比較検討をした.周辺組織への浸潤を指摘できたものは, 通常CT画像では14例中3例 (21%) であったが, TS-CT画像では14例中12例 (86%) であった.画像的に浸潤を指摘できなかった2例は, 病理学的には顕微鏡的に腫瘍が周辺の脂肪組織へわずかに浸潤していた例であった.病変の内部構造に関しては, 病理学的に隔壁の存在を認めた16例において, 通常CT画像では3例 (19%) に認めたが, TS-CT画像上では12例 (75%) であった.以上より, 胸腺腫瘍に対するTSCT画像は, 質的診断やその拡がり診断に関して有用な情報を与え得る検査であると考えられた
  • 斎藤 雄史, 山川 洋右, 桐山 昌伸, 深井 一郎, 近藤 知史, 藤井 義敬, 立山 尚, 栄本 忠昭
    1998 年 38 巻 7 号 p. 863-870
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    術前針生検にて胸腺腫と診断された胸腺癌を2例経験した.いずれの症例も, 針生検HE標本では, 軽度の細胞異型を認める上皮性腫瘍で, 通常胸腺癌には見られないリンパ球浸潤を伴っており, atypical thymomaと診断されたが, 術後病理HE標本では明らかな扁平上皮癌であった.抗bc1-2およびMIB-1抗体を用いて, これら2症例の針生検標本の免疫組織染色を行った。対照として, 術前針生検標本の検討可能な胸腺腫4例を用いた.抗bc1-2抗体により, 胸腺癌では細胞質が強く染色されたのに対し, 胸腺腫のbc1-2染色はほとんどみられなかった.MIB-1抗体による染色指数は胸腺腫1.0~3.6%, 胸腺癌14.0, 14.6%と胸腺癌で高値を示した.術前針生検の小さな切片では, 胸腺腫と胸腺癌との鑑別が困難な事があり, bc1-2やMIB-1の染色が両者の鑑別の補助となりうることが示唆された
  • 山崎 明男, 益田 貞彦, 大瀬 良雄, 田原 稔, 中原 和樹, 薬丸 一洋
    1998 年 38 巻 7 号 p. 871-875
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は62歳, 男性.1996年11月に胸部異常陰影を指摘され, 当科に入院した.既往歴には高血圧で降圧薬服用があった.胸部X線, CT上, 左上葉に45×25mmの辺縁不整な腫瘤影を認めた.全身検索のために行った腹部CTでは, 左副腎に内部不均一影があった.血中, 尿中ホルモン値, 腹部MRI, 123I-MIBGシンチを行い, 術前に褐色細胞腫と診断できた.術中, 術後の血行動態を考慮し, 褐色細胞腫の手術を先行させ, 2期的に肺癌の手術を施行する事とした.1997年1月27日, 左副腎・腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は, 副腎外発生であったが, 副腎への浸潤はなかった.この手術の1ヵ月後の1997年2月27日, 左上葉切除術, 肺門縦隔リンパ節郭清 (R2b) を施行した.病理は低分化腺癌, 術後病理病期は, pT3N0M0 stage IIBであった.上葉切除の術中, 術後の血行動態は安定しており, 安全に管理する事ができた.褐色細胞腫を合併した肺切除では, 褐色細胞腫の手術を先行させる事により安全に手術ができると考えられた.
  • 朝井 克之, 羽田 圓城, 坂口 浩三, 池田 晋悟, 川野 亮二, 穴見 洋一
    1998 年 38 巻 7 号 p. 877-883
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は54歳, 男性.主訴は左前胸部痛と左上肢鈍重感.精査上, 左肺尖部胸壁浸潤肺腺癌, 左副腎転移 (臨床病期T3N0M1-IV期) と診断.まず原発巣に対して放射線照射 (30Gy/15回) を行い, 腫瘍は5.0×4.2cm大から3.6×2.5cm大に縮小した.次いで原発巣切除, 即ち左肺上葉切除, 左鎖骨下動脈, 腕神経叢合併切除, 人工血管再建, および左R3γ郭清を施行.左副腎は5.8×4.2cm大で, 第28病日に後腹膜アプローチで左副腎摘出術を施行. さらに原発巣切除部の左胸郭上口に放射線照射 (20Gy/10回) を追加した. 病理組織学的に原発巣および副腎転移巣は低分化腺癌で, 原発巣は左鎖骨下動脈および腕神経叢への浸潤を認め, 病理病期はT3N0M1-IV期であった. 左副腎摘出から12ヵ月後の現在, 再発を認めず社会復帰している. IV期肺癌の中でも片側副腎単独転移症例では, 原発巣および転移巣に対する積極的な外科治療により予後の向上が期待できる.
  • 服部 良信, 溝口 良順, 根木 浩路, 星野 竜, 山本 徹, 杉村 修一郎
    1998 年 38 巻 7 号 p. 885-889
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発性気管癌は稀な疾患である.症例は58歳の男性で, 1997年3月初めに血痰が出現し, 耳鼻科でポリープ様声帯と診断され通院中であった.同年8月交通事故で某病院に入院し, 血痰の喀痰細胞診でclass IIIと診断され, 精査目的で9月6日当院に転院した.入院時理学的所見, 血液検査, 胸部単純X線写真には異常を認めなかった.胸部CTでは, 気管内に突出した腫瘤を認めた.気管支鏡検査で, 気管内にポリープ状の腫瘤を認め, 生検で扁平上皮癌と診断された.頭部および腹部CT, 骨シンチ, Gaシンチでは転移巣は認めなかった.10月21日第4~8気管軟骨輪を環状切除, 端々吻合術を施行した.病理組織検査ではcarcinoma in situの中等度分化扁平上皮癌で, 免疫組織化学検査, およびIn Situ Hybridization法の結果よりHuman papillomavirusの関与が強く示唆された.
  • 肉眼所見および病理組織所見との対比
    叶内 哲, 星 俊子, 松島 秀和, 相原 利一, 高柳 昇, 星 永進, 青山 克彦, 河端 美則
    1998 年 38 巻 7 号 p. 891-896
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    手術の行われた原発性肺癌で肺梗塞を合併した3例 (扁平上皮癌1例, 非定型カルチノイド1例および腺癌1例) について, CT所見と切除肺の肉眼所見および病理組織所見を対比検討した.梗塞巣は合計13個で, いずれも浸潤により狭窄した肺動脈の支配領域に存在していた.胸膜から離れた病変が7個, 胸膜面に接する病変が6個認められた.2例では中枢肺動脈と肺静脈の両方の狭窄が認められたが, 1例では肺動脈の狭窄のみで肺静脈は保たれていた.肺癌に伴う肺梗塞のCT所見の特徴は, 浸潤により狭窄した肺動脈の支配領域に存在すること, 胸膜から離れた結節と胸膜面に接する結節がほぼ同じ頻度で観察され, 気管支肺動脈束に沿う分布を示す場合もあること, 周囲にスリガラス状陰影を伴う新鮮な病変や, 小葉間隔壁で境界されるため直線的辺縁を有する病変, 収縮性変化を伴う古い病変など発症時期の異なる多彩な病変が同時に観察されること, である.
  • 1998 年 38 巻 7 号 p. 897-904
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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