肺癌
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19 巻, 2 号
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  • 特に癌の拡がり, および予後との関連性について
    宮本 宏, 井上 勝一, 村尾 誠
    1979 年19 巻2 号 p. 107-116
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行期肺癌患者59例の細胞性免疫能を測定し, 癌の拡がり, および予後との関連性について検討した.進行肺癌患者ではDNCB反応の低下が著明であり, DNCB反応陽性例は陰性例より生存期間は有意に長かった.PPD反応は70才未満では末期までほぼ陽性に保たれており, 陰性例の予後は極めて不良であった.遅延型皮膚反応はTNM分類-M因子, 末梢リンパ球数とT細胞数はT因子の影響が大きかった.生存期間が12ヶ月未満の患者では末梢リンパ球数の減少とPHA幼若化反応の低下が著明であった.T細胞の比率は予後と全く相関しなかった.
  • 後藤 有人, 瀬ノ口 頼久, 豊平 謙
    1979 年19 巻2 号 p. 117-125
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当科 (1960-1975) の肺癌341例の治療成績を検討した.手術単独治療の5年生存率58%・手術放射線併用のそれは15%であるが, 高令者や進展例の多い放射線単独治療では根治照射が6%, また姑息的照射は2年生存率が1%と不良であった.しかし放射線単独治療で1期の5年生存率は22%で, 諸家の外科治療成績と比較して大差ない結果が得られ, また項目別には左上葉原発とSplit course法の成績が良好で, 組織型別には小細胞未分化癌の1年以上生存例はなく極めて不良な成績であった.
  • とくに胸膜癒着術について
    川田 博, 荒井 信吾, 蒲田 英明, 岡野 弘, 谷本 普一
    1979 年19 巻2 号 p. 127-134
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当院で過去18年間に経験した88例の癌性胸膜炎につき, その原発臓器部位, 各種治療効果を検討した.各種治療によってもなお胸水の減少が不良の例に, タルク末や細菌菌体成分であるブロンカスマベルナを使用した胸膜癒着術を行ない, 77%に有効な結果をえた.抗癌剤とあわせこれらの治療が有用と考えられる.又癌性胸膜炎の治療に反応するものとしないものの生存期間を検討すると, III期肺癌では前者の生存期間の延長を認めた.
  • 藤村 重文, 須田 秀一, 山内 篤, 佐藤 博俊, 蘇原 泰則, 近藤 丘, 半田 政志, 岡部 健, 千木良 晴ひこ, 小林 俊介, 川 ...
    1979 年19 巻2 号 p. 135-142
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    切除可能な原発性肺癌患者132例を対象として, tuor doubling time (tD) と肺癌病期およびPPD皮内反応 (PPD) の成績との関係について検討した.
    tDは, 腺癌116日, 扁平上皮癌の94日, その他の癌 (大細胞および小細胞癌) 71日であり, 何れも病期の進行と共に短縮するのがみられた.腫瘤径とtDとの間には直接相関は得られなかったが, PPDの強弱によって両者間に関係のあることが示唆され, またその他の癌においてはtDの長いものほどPPDが増強している傾向がみられた.
    肺癌治療に当って病巣の切除に加えた免疫療法が必要であることが強く示唆された.
  • 沢村 献児, 古瀬 清行, 横山 邦彦, 橋本 武志, 松田 実, 土井 修, 福岡 正博, 楠 洋子, 赤土 洋三, 野田 定, 於勢 伝 ...
    1979 年19 巻2 号 p. 143-148
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去3年間に各種の検診群の97,980名の中から, X像有所見有自覚症状のハイリスクグループに限定した者に喀痰細胞診を加える肺癌集検を試み, 41例の肺癌を発見した.中9例 (22%) は早期癌で, この中の7例は細胞診発見であり, 6例のChestX-raynegativeの肺門部早期癌を含んでいた.細胞診は最低3回は必要であり, 特殊検診群を肺癌検診へ利用することは, 経済効率の上からも有用な方法であると確信した.
  • 小川 純一
    1979 年19 巻2 号 p. 149-156
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌患者の全身と局所の免疫能を比較するため, 末梢血と所属リンパ節のリンパ球のPHA反応, T細胞の割合, IgG-Fcリセプター陽性T細胞の割合を検索した.PHA反応では, 術前治療のないstage Iの患者より採取したリンパ節リンパ球が末梢血リンパ球に比し約2倍の反応値を示したが, stageの進展とともに次第に低下し, リンパ節が転移陽性となると末梢血リンパ球の半分以下と著明に減少した.所属リンパ節の位置による変化は, 腫瘍に近接したものほどPHA反応は高く, 遠ざかるにつれ低下していく傾向が見られた.
    T細胞の割合では, リンパ節は末梢血リンパ球に比し低値を示したが, PHA反応で見られたごとく, 病巣に近接したリンパ節ほどT細胞の割合は高かった.
    IgG-Fcリセプター陽性T細胞の割合は, 末梢血, リンパ節ともに正常人末梢血より増加していたが, リンパ節相互間では有意差を見なかった.
  • 瀬木 三雄, 栗原 登, 石川 七郎, William Haenszel
    1979 年19 巻2 号 p. 157-165
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌患者378例, 非肺癌対照患者756例につき, 疫学面接調査を行ない, マンテルーヘンセル法による補正相対危険度を算出した.男の場合においてはシガレット, きざみ (日本風) とも, 喫煙量が多い.喫煙開始年令が若い.煙を深く吸い込む一等の場合にその値が大きく, また組織型との関係においては, 特に扁平上皮癌が喫煙量と関係が大きいという結果を得た.
  • ことに悪性度との関連について
    君塚 五郎, 林 豊
    1979 年19 巻2 号 p. 167-176
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌手術例84例について, 形態学的に悪性度とみなし得る組織学的変化, 術後の生存期間を検討した.血管浸潤は腺癌より扁平上皮癌に多く, 浸潤度γ例, 改正分類の分化の低い例に高率であった.これと術後生存期間との関連は, 血管浸潤陽性例の3年以上の生存率は21%, 陰性例は83%で, 陽性例の生存期間は短い.分化度も術後生存期間と関連が強い.基質結合織において, 膠原線維が多い例やその変性の見られる例は術後生存期間が短い.
  • 小松 彦太郎, 芳賀 敏彦
    1979 年19 巻2 号 p. 177-182
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    左下葉切除後7年以上生存している肺の燕麦細胞癌の一例を報告する.症例は血痰を初発症状とした32才の女性で, 細胞診の結果, 未分化癌と診断され, 左下葉切除が施行された.病理組織学的には, 左Bg原発の燕麦細胞癌であった.術後Co604800radの照射をうけ, 7年以上たった現在まで再発の徴候なく健在である.この症例の長期生存理由及び, 肺小細胞癌の外科療法について, 若干の考察を加えた.
  • 河合 祥雄, 益田 貞彦, 佐藤 哲夫, 田中 元一, 斉藤 光典, 平山 恵造
    1979 年19 巻2 号 p. 183-190
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小細胞未分化肺癌に小脳症状並びに典型的Eaton-Lambert症候群を合併した47才男性例を報告した.筋電図上低頻度刺激でwanning現象, 高頻度刺激でwaxing現象を示し, カルシウム剤と塩酸グアニジンが筋力回復に有効であった.肋間筋の組織学的検索でtype Igroupingの所見を, 電顕でsecondary synaptic cleftsの数と面積の増加を認めた.また, 本邦文献でのEaton-Lambert症候群を集計検討し, 本邦では脳神経支配領域筋の症状を呈する例の多い傾向を認めた.
  • 1979 年19 巻2 号 p. 191-193
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1979 年19 巻2 号 p. 195-206
    発行日: 1979/06/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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