-
年令及び術前心肺機能との関連において
原 信之, 古川 次男, 吉田 猛朗, 井口 潔
1981 年 21 巻 4 号 p.
379-387
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
369例の肺癌手術症例を対象とし術後の心肺合併症発生に及ぼす術前因子を検討した. 術後肺合併症は全体の20%に, 心合併症 (不整脈) は18%に発生した. これらの合併症発生率は, 肺合併症では高令者程, また術前閉塞性換気障害 (一秒率低下) を有する症例や喫煙者に高くみられた. 術後不整脈は高令者, 術前高血圧や心電図異常を有する者に多く発生した. また運動負荷によって心電図異常を示す症例にも術後不整脈を多く認めた.
抄録全体を表示
-
稲岡 正己, 庭瀬 公武, 草島 勝之, 小松 作蔵, 夏井坂 徹, 鈴木 明, 室谷 光三
1981 年 21 巻 4 号 p.
389-393
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌手術例48例についてClinlcal, Surgical, Pathological TNMを比較検討し, 術前, 術中診断の適否の評価とその限界を考察した. Clinical TNM診断の成績は, T, M, Nの順に良好であった. T因子の誤診例では肺外進展の評価の甘さによるものが多く, N因子の診断ではリンパ節の大きさのみの評価では限界があると思われた. M因子の正診率が予想外に低かったのは, 臨床診断不可能と思われる微小肺内転移のためであった。
抄録全体を表示
-
臨床病理学的研究
沢田 勤也, 福間 誠吾, 関 保雄, 田中 文隆, 石田 逸郎, 桑原 竹一郎, 長尾 孝一
1981 年 21 巻 4 号 p.
395-403
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺巨細胞癌8例の臨床病理学的検討を行なった。臨床所見では白血球増多症, 血沈亢進と細胞診上の形態学に特徴があり, DTは平均33日と短かった. 病理学的には腫瘍は灰白色結節で壌死, 出血が目立っており, 組織学的には顕著な細胞異型, 多核・単核巨細胞と問質内炎症細胞浸潤を認めた. 更に肉腫様所見, 腺癌への移行, 扁平土皮癌への移行が認められ本腫瘍の多分化能を示唆している. 治療成績は不良で予后は甚だ悲観的であった.
抄録全体を表示
-
Skin Test Index (STI)について
陳 鋼民, 荻野 健次, 清水 信義, 松本 伸, 岡崎 哲郎, 和田 豊治, 小西 洋, 安永 英孝, 田中 聰, 寺本 滋
1981 年 21 巻 4 号 p.
405-409
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌症例97例について四種類の遅延型皮膚反応を用いて測定を施行した. 総合的評価は各種皮膚反応の発赤直径を対数にとり, その平均値よりSkin Test Index (STI) を算定した. この成績を肺癌TNM, 病期分類, 組織型, 手術内容, 予後および栄養状態などとの関連において, 比較検討を行った. 結果は (1) T
3, N
2にSTIの低下をみた. (2) 非治癒手術群にSTIの低下をみた. (3) STI 1.0以上の症例に栄養指標の低下をみた. (4) STI1.0以上症例に2年以上生存者が多数みられた.
抄録全体を表示
-
小室 康男, 米田 修一, 本間 威, 吉田 清一
1981 年 21 巻 4 号 p.
411-418
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
小細胞性未分化癌30例に対してCOM療法を行った. Endoxan, Vincristine, Methotrexateを第1日, 第5日に点滴静注した. 2コース後に効果判定をした, 30例中23例に原発巣に関して放射線照射を行った. 結果はCOM単独では有効率70%(CR: 27%, PR: 43%) COM+Rでは有効率91%(CR: 56%, PR: 35%) を示した. 局所の再発についてみると照射群は23例中1例で再発まで8ヵ月であったのに対して, 非照射群は7例中4例認め再発まで1~3ヵ月であった. また全症例の50%生存期間は8ヵ月であった. COMの副作用には重篤なものはなく白血球数4000/mm
3以下を示したものは9例認めたがいずれも一過性ですみやかに改善されたCOM+Rは有効率の改善に有力でありひいては生存期間の延長をもたらすものと考える.
抄録全体を表示
-
松島 敏春, 原 宏紀, 矢木 晋, 加藤 収, 副島 林造, 福屋 崇, 津嘉山 朝達
1981 年 21 巻 4 号 p.
419-425
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
昭和48年4月より54年12月迄の156例の肺癌患者で, 7例が異時性の, 7例が同時性の, 肺癌との重複癌を認めた. 異時性重複癌の先行癌は胃癌3, 子宮癌2, 喉頭癌, 乳癌各1例で, 2~26年前に切除されていた. 同時性重複癌が臨床的に診断されたのは2例のみで, 5例は剖検による診断で, 中でも3例は剖検により小さい癌巣が発見された. 私共の重複癌の頻度はこれ迄報告されたものより高く, その理由を考察した.
抄録全体を表示
-
岩 喬, 渡辺 洋宇
1981 年 21 巻 4 号 p.
427-438
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
進行肺癌に対し, 補助療濁井用のもとに拡大手術を施行した. III期切除例の61%はN
2, 76%はT
3であり, それぞれ, 広範囲縦隔郭清及び他臓器合併切除を施行した. 103例のIII期切除例の5生率は13.6%(準治癒手術例: 22.4%) であり, 75例の他臓器合併一切除例の3生率は12.9%(準治癒手術: 18.9%) であった. 長期生存例は, N因子の低い腺癌, 及び扁平上皮癌, 胸壁切除例であった. 免疫療法併用は, 明かに拡大手術施行例の延命に有効であった.
抄録全体を表示
-
加藤 治文, 小中 千守, 小野 寿太郎, 松島 康, 斎藤 勤, 田原 真, 河手 典彦, 米山 一男, 西宮 克明, 飯村 一誠, 早田 ...
1981 年 21 巻 4 号 p.
439-445
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/09/13
ジャーナル
フリー
肺癌診療へのレーザー光線応用の1つとして, photosensitizerであるhematoporphyrin derivative (HpD) を静注し, krypton ion laser beamの照射によるHpD/laser photoirradiation systemの腫瘍局在の診断への可能性を, 犬実験中心型肺癌で試みた.
20-methylcholanthreneの反覆粘膜下注入で生ぜしめた早期扁平上皮癌犬4例では, 腫瘍に一致して蛍光を観察した.しかし正常粘膜では観察されなかった.
抄録全体を表示
-
沢村 献児, 古瀬 清行, 横山 邦彦, 信友 浩一, 橋本 武志, 福岡 正博, 楠 洋子, 松田 実, 赤土 洋三, 於勢 伝三, 岡田 ...
1981 年 21 巻 4 号 p.
447-454
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
過去5年間のわれわれのhigh risk group検診により, 被検者総数178,259名中, high risk group該当者は23%, 喀疾細胞診を6.5%に施行し, 74名の肺癌を発見し中16名が早期癌であったが, 一方, 48.6%の進行癌を含んでおり, 早期癌, I, II期癌中にも非治癒切除が2.7%, 非手術が21.6%に存在した.
今後の問題点として, 癌の計量疫学的な観点より再検討を行なった.
抄録全体を表示
-
木村 清延, 三上 洋, 常田 育宏, 阿部 庄作, 大崎 饒, 村尾 誠
1981 年 21 巻 4 号 p.
455-461
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺門部扁平上皮癌例で, 癌診断時の気管支鏡所見を, 癌診断以前の気管支鏡所見と比較することのできた3症例について, 臨床経過を検討した.各症例の正常と考えられた初回気管支鏡検査から, 癌の存在が確認された気管支鏡検査までの期間は, 15ヵ月, 30ヵ月, 43ヵ月であった.それぞれの癌の進展は, 上皮内癌, び小浸潤癌, 進行癌であった.以上の成績と, 各症例の喀疾細胞診成績等より, 癌の進展の経緯を考察した.
抄録全体を表示
-
山口 明, 広野 達彦, 小池 輝明, 大和 靖, 福田 喜一, 江口 昭治, 長井 靖仁, 成田 昌紀
1981 年 21 巻 4 号 p.
463-471
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
6年間血液透析を受けていた54才, 男子の慢性腎不全患者に発見された肺癌に対し, 右下葉切除兼縦隔リンパ節郭清術を行った.腫瘍は, 右S10を占居する6.0×6.0×4.5cmの高分化扁平上皮癌で, 縦隔リンパ節に転移があり, 準治癒手術であった.手術前後は, 各4日間連続血液透析で管理した.術後, Nocardiarubra-CWSによる免疫療法を続けているうちに, 3ヶ月後に脳転移が発見され, 転移巣への照射及び化学療法を加えたが, 6ヶ月後に癌死した.
抄録全体を表示
-
岩崎 健資, 松浦 憲司, 壬生 保博, 木山 程荘, 絹脇 悦生, 下里 幸雄
1981 年 21 巻 4 号 p.
473-479
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
11年前に左乳腺腫摘出術をうけた42才男子の両側下葉肺転移巣 (右下葉3個と左下葉.個) に対し, 右下葉切除 (治癒手術), OK 432, PSKおよびFental投与により, 術後1年2月の現在, 左肺大豆大陰影の消失 (但し, 断層で小豆大陰影あり) をみた症例を経験した.病理診断は乳癌mucous carcinomaの肺転移であった.男子乳癌切除後11年して両側肺転移を来し, 右下葉切除と補助療法で対側病巣が縮小した症例は本邦で初めてであるので報告した
抄録全体を表示
-
1981 年 21 巻 4 号 p.
481-485
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
-
1981 年 21 巻 4 号 p.
487-496
発行日: 1981/09/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー