目的.CellSearch
® systemを用いた末梢血液中の循環腫瘍細胞(circulating tumor cells:CTCs)から上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:
EGFR )遺伝子変異が検出可能か否かを明らかにする.
方法.原発巣において
EGFR 遺伝子変異陽性が確認されている進行期肺腺癌10例の末梢血液検体から,CellSearch
® system(Veridex)を用いてCTCsを抽出し,PCR-clamp法,またはcycleave法にて
EGFR 遺伝子変異を解析した.得られた
EGFR 遺伝子変異の結果について原発巣のものと比較検討した.
結果.原発巣の
EGFR 遺伝子変異はexon 19 deletion/exon 21 L858R/exon 21 L861Q/exon 19 deletion+exon 20 T790Mが4/4/1/1.CTCsは10例中6例(60%)に検出され,個数は1個/7.5 mlが2例,2個/7.5 mlが2例,4個/7.5 mlが2例であった.CTCsが検出された6例中,CTCsの
EGFR 遺伝子変異陽性例はcycleave法による1例(17%)のみでexon 19 deletionであった.
結論.CellSearch
® systemとPCR-clamp法,またはcycleave法を用いた血液中CTCsの
EGFR 遺伝子変異の検出率は17%と低く,今後検出技術の向上が必要である.
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