手術不能な非小細胞癌256例を対象として, 放射線治療効果につき検討した. 結果および結論として, 1) 全例の生存率は1年28.9%, 2年6.6%, 3年2.5%, 中間生存期間は5.9ヶ月であった. 2) 病期の進行とともに生存率は低下し, 組織型別成績では, 扁平上皮癌と腺癌にはほとんど差がなく, 大細胞癌は前2者より悪い傾向にあった. 照射線量別では, 5000rad以上照射例はそれ以下の例より成績が良く, 線量の増加による腫瘍効果の増大が成績向上の一因と考えられた.3) I期では6000rad以上照射することにより根治の可能性がある. しかし, II期になると, その可能性は極めて低くなる. また, 扁平上皮癌では局所進行例であっても, 積極的な治療が延命効果につながると考えられた.
抄録全体を表示