肺癌
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43 巻, 7 号
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  • 黒崎 敦子
    2003 年 43 巻 7 号 p. 791-798
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    画像診断とは, 画像から異常所見を拾い上げ, 複数の異常所見にそれぞれ重み付けをし, 優先順位をつけ, そして病理像を類推することで, 診断が導き出されるものである.その診断が呈しうる病理所見と, 画像所見が矛盾しないか, 診断名と所見との問に, 双方向性があることを確認することが大切である.肺癌には多くの組織型があり, その組織型や分化度により発育形態は大きく異なり, 画像も大きく異なってくることが, 肺癌の診断を難しくしている.発生頻度の高い扁平上皮癌, 小細胞癌, 腺癌について, その発生部位ごとに単純写真を中心に画像の特徴を中心に述べる.また, 癌との鑑別が必要な疾患でも, 単純写真のみで鑑別可能なことがあるので, 要点を挙げる.
  • 佐藤 功
    2003 年 43 巻 7 号 p. 799-800
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 胸部CT読影の基礎となるべき項目を検討した. 方法.通常CTでの気管支分岐様式における注意点, 既存構造の把握, さらに病変濃度をみた.結果.肺既存構造の把握として気管支, 肺動静脈の同定に加えて, 病変を小葉構造との関連で見ることも重要である. 結論.異常陰影そのもの解析の前に, 気管, 主気管支から始め, 小葉を含めた詳細な病変の場を把握し, 病変濃度は淡い濃度上昇を呈する, いわゆるすりガラス陰影や, 軟部陰影を呈する濃い陰影の鑑別診断も行う必要がある.
  • 横瀬 智之
    2003 年 43 巻 7 号 p. 801-806
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床医にとって, 病理医とよいコミュニケーションが取れていることや病理に関連する注意点や情報を把握しておくことは肺癌の診療において重要である.そこで, 依頼, 細胞採取, 肺生検材料, 手術材料取扱いにおける注意点, 肺癌報告書の形式, 病理コンサルテーションシステムの利用法, などについて解説した.
  • 小林 寿光
    2003 年 43 巻 7 号 p. 807-810
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺癌の気管支鏡検査の概念は, 病変を見て診断する内視鏡的診断と, 病変から確定診断用細胞・組織検体を採取する検査手技に分けられ, 後者は更に内視鏡下に直接病変を確認して検体を採取する場合と, X線透視下に行うカテーテル検査的な手技に分けられる.肺癌取扱い規約の内視鏡的診断基準によって早期肺癌と非早期肺癌に分けられるが, 前者は更に肥厚型, 結節型, ポリープ型に分けられる.非早期肺癌は粘膜型と粘膜下型, 壁外型に分けられ, その内粘膜型は更に肥厚型, 結節型, ポリープ型に分けられる.肺癌の各組織型は内視鏡下に特徴を持ってはいるが, 未だ明確な診断基準は規定されていない. これらを理解することは悪性疾患の良性疾患との鑑別は勿論, 浸潤範囲や生検部位の決定, 生検方法の選択においても重要である.最近では中枢型肺癌が減少し, CTでしか存在の確認が難しい末梢肺野小型肺癌が増加したため, 気管支鏡検査の意義が軽視されがちである. しかし気管支鏡検査が肺病変の標準的な診断法である一因としての低侵襲な経気道的アプローチは, これら小型肺癌の診断治療において, またステント治療を始めとした中枢気道病変の治療においても重要であり, 今後も気管支鏡検査は重要な呼吸器検査手技であり続けると考えられる.
  • 村上 康二
    2003 年 43 巻 7 号 p. 811-817
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年注目されているFDG-PETについて, 基礎的事項と肺癌への臨床応用について概略した.PETは従来のCTやMRIのような形態的な画像診断とは異なる性格を持つ診断法である. 検査には病期診断, 再発診断, 治療効果判定, スクリーニングなどさまざまな目的が考えられるが, どの場合においてもPETは形態診断に付加的情報を与える可能性をもつ有効な検査法である. しかしPETには短所もあるため, その特徴を十分に理解したうえで検査を施行する必要がある.
  • 大野 良治, 野上 宗伸, 東野 貴徳, 渡辺 裕一, 竹中 大祐, 真庭 謙昌, 里内 美弥子, 西村 善博, 大林 千穂, 吉村 雅裕, ...
    2003 年 43 巻 7 号 p. 818-825
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1991年のRadiologic Diagnostic Oncology Group (RDOG) の報告以来, 肺癌患者におけるMRIの臨床応用は限定された状況においてのみCTに対して相補的に用いられるにとどまってきた. 一方, 換気・血流シンチに代表される肺機i能診断法や, 2-[fluorine-18]-fluoro-2-deoxy-D-glucoseによるポジトロンエミッショントモグラフィー (FDGPET) に代表されるPET検査においては腫瘍の代謝を画像化する新たな画像診断法として脚光を浴びている. しかし, 近年のMR装置や撮像法の進歩及び各種造影剤の併用により肺癌患者のMRI診断における形態的, 機i能的評価能は飛躍的に進歩し, より正確且つ定量的評価を可能とし, 各種画像診断法の代替として潜在的に応用されうるものになりつつある.本稿においては肺癌のMRI診断について,(1) 肺腫瘤の質的診断,(2) 肺癌と二次変化の鑑別診断,(3) 縦隔浸潤診断,(4) 胸壁浸潤診断,(5) リンパ節転移診断,(6) 遠隔転移診断, 及び (7) 肺癌におけるMRIを用いた肺機能診断に関して最新の知見を踏まえて述べる. 肺癌におけるMRIの臨床応用及び研究に関しては, 様々な技術的問題点があるものの, 様々な分野での研究が進むことにより急速に進歩する可能性を秘めており, 近い将来MRIは肺癌診断の重要な一翼を担うものになると信ずる.
  • 小林 英夫
    2003 年 43 巻 7 号 p. 831
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 工藤 新三, 吉村 成央
    2003 年 43 巻 7 号 p. 832-836
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    イリノテカン単剤の肺癌に対する化学療法は90年代に多くの検討がなされた. 単剤の未治療進行非小細胞肺癌に対するoverallの奏効率は265例による検討で24.5%, 生存期間中央値は6.2~10.8か月であったd毒性はgrade3/4が白血球減少 (25%), 好中球減少 (29%), 下痢 (21%), 嘔気/嘔吐 (22%) であったd特に下痢が問題になった. 小細胞肺癌に対する単剤治療はほとんどが既治療例に対するものoverallの奏効率は118例による検討で17.6%, 生存期間中央値は4.0~6.1か月であった. 今後は非小細胞肺癌/小細胞肺癌の再発例の治療に対しさらなる検討が行われるべきであろう.
  • 岡 三喜男, 土井 誠志
    2003 年 43 巻 7 号 p. 837-842
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的・方法. トポイソメラーゼI阻害剤の塩酸イリノテカン (CPT-11) とプラチナ製剤のカルボプラチン (CBDCA) には交叉耐性がなく, 副作用のプロファイルが比較的異なり, またin vitro併用で相乗効果がみられている. ここでは肺癌におけるCPT-11+CBDCA併用療法の成績とタキサンを加えた3剤療法について述べる. 結果. 第1相とII相試験の成績では, CPT-11+CBDCAの奏効率は小細胞肺癌に対して79~89%, 進行非小細胞肺癌に対して22~36%と1年生存率37.6~42.2%である. タキサンを加えた3剤併用では奏効率32~56%, 中間生存期間は11~16カ月であるが有害事象の頻度は高い. 主な有害事象は白血球減少, 好中球減少, 血小板減少, 下痢である. 結論. CPT-11+CBDCAは他の併用療法と比較的同等の有用性を示し, とくにシスプラチン投与ができない症例, 心機能や腎機能低下症例, 外来治療には推奨される. (肺癌. 2003; 43: 837-842)
  • 長谷川 好規
    2003 年 43 巻 7 号 p. 843
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 野田 和正
    2003 年 43 巻 7 号 p. 844-849
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    イリノテカンは小細胞肺がんに対し単剤でもシスプラチンとの併用でもきわめて有効である. JCOGでは進展型小細胞肺がんに対し, イリノテカン+シスプラチンを4週ごとに4コース投与するIP療法はエトポシド+シスプラチンを3週毎に4コース投与するEP療法を比較し, IP療法で有意に生存が改善した. 今回のEP療法の結果はこれまでの多くの報告と遜色ないものであった. EP療法では骨髄抑制が有意に多かったのに比べて, IP療法では重篤な下痢が有意に多く, 特に治療の最初のコースに多く見られた. このIP療法ではイリノテカンの第8日目または15日目投与が1/3の例でスキップされており, これがイリノテカンのdose-intensityを低下させていた. しかしそれでもなお, IP療法はPS良好の進農型小細胞肺がんに対する新たな標準的治療となり得ると考えられる. 今回の結果を確認するために欧米で3つの第III相試験が行われている. イリノテカンの重篤な毒性を回避するためには,UGT1A1の遺伝子多型を測定することにより, イリノテカンのtailor-made治療が可能となろう.
  • 工藤 新三, 吉村 成央
    2003 年 43 巻 7 号 p. 850-856
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    塩酸イリノテカンを含む併用療法による完全寛解complete response (CR) 例を2例報告した. 1例は47歳の肺腺癌の女性でc T4N3M0で, シスプラチン+イリノテカン併用療法4コースによりCRとなり2年1か月後も無再発生存中である. 他の1例は51歳の進展型小細胞肺癌の男性c T2N2M1で, シスプラチン+イリノテカン+エトポシドの併用療法4コースによりCRとなり予防的脳症照射を加え3年7か月後も無再発生存中である. 進行非小細胞肺癌のシスプラチン+イリノテカンによるCR率は1.6%であり, 他のプラチナ+新規抗癌剤による治療も含め10%の2生率が得られるようになっている. 進展型小細胞肺癌のイリノテカンを含む併用療法によりCR率は10~20%であり, 2生率は20%前後, 3年生存率も10%近い値になった. まだ少数ではあるが進行肺癌の中に化学療法によるCR及び長期生存が認められつつある. 今後, 分子標的薬剤などを含む新しい治療薬の導入により更なる治療成績の向上が期待される.
  • 市瀬 裕一
    2003 年 43 巻 7 号 p. 857
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 倉田 宝保
    2003 年 43 巻 7 号 p. 858-863
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 新規抗癌剤のアムルビシン (AMR) の小細胞肺癌 (SCLC) ならびに非小細胞肺癌 (NSCLC) に対する有効性を検証する. 方法. 進行NSCLCに対する第I/II相試験, 進展型SCLCに対する第II相試験とシスプラチンとの併用第I/II相試験の結果を検討した. 結果.前臨床試験の結果から3日間連日投与が採択, 未治療進行NSCLCに対し第I/II相試験が行われた. 用量規定因子は白血球, 血小板減少, 消化管障害, 最大耐用量50mg/m2, 第II相試験への推奨量が45mg/m2となった. NSC五Cの第II相試験は2つ行われ, 奏効率はそれぞれ27. 9%, 18.3%であった. 進展型SCLCの第II相試験では, 奏効率75.8%(完全寛解率9.1%), 生存期間中央値11.7月, シスプラチンとの併用第1/II相試験では推奨量AMR40mg/m2, シスプラチン60mg/m2, 奏効率88.6%(完全寛解率9.1%), 1年生存率65.3%であった. 結論.NSCLCならびにSCLCに対し, 有望な結果が報告されている. 今後, さらなる臨床試験によってAMRの臨床実地における位置づけがはっきりするものと思われる.
  • 渡辺 真純
    2003 年 43 巻 7 号 p. 864
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 岡本 浩明, 渡辺 古志郎
    2003 年 43 巻 7 号 p. 865-871
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行非小細胞肺癌 (NSCLC) において, vinoreibine (VNR) 単剤はoldcispiatin-baseddoubletに比べ, ほぼ同等の効果を有し, 明らかに毒性は軽い. また, 高齢者ではbestsupportivecare (BSC) に比べ, 有意に優れた生存とqualityoflife (QOL) の改善をもたらした. つまりVNR単剤はcispiatin (CDDP) を投与できない高齢者や状態不良な患者に対する治療選択肢のひとつと位置づけられる. 一方, 全身状態良好な進行NSCLCにはVNRとCDDPを併用することで, VNR単剤に比べ抗腫瘍効果の増強と生存期間の延長が期待できる.
  • 森 清志
    2003 年 43 巻 7 号 p. 872-876
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行非小細胞肺癌に対するビノレルビン (VNR) とシスプラチン (CDDP) 併用療法 (VC) の現状について述べる. 治療効果はVNR, CDDP単剤及びCDDP+旧薬剤に比べ有効である. プラチナ+他の新規薬剤併用療法と比べほぼ同等の成績である. 副作用は主に好中球減少症と悪心・嘔吐である. Quality of lifeはプラチナ+他の新規薬剤併用療法と比べ同等である. 利便性はweekly VNR+CDDP (4週間隔) はPaclitaxol+Carboplatin (PCb) に比べ劣っているが, 3週間隔のVCでは同等と考えられる. 費用はPCbに比べ安価である. VC療法の投与方法について, VNR 25mg/m2(毎週), CDDP 80mg/m2(第1日) を4週間隔で投与する方法では第15日目のVNR投与実施率は50%以下であり, VNRの投与スケジュールに問題がある. 一方, 我々の試験を含めVNR 25mg/m2(第1, 8日), CDDP 80mg/m2(第1日) を3週間隔で投与する方法では, VNRの投与はほぼスケジュール通り投与され, Median delivered doseintensityは各コースのCDDP, VNR (days1 and 8) ともに90%以上であった. 3週間隔投与法での臨床成績は奏効率29~57%で, 平均余命約10カ月前後であった. VC療法は3週間隔投与方法が推奨される.
  • 杉尾 賢二
    2003 年 43 巻 7 号 p. 877
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 金子 公一, 菊池 功次, 中山 光男, 星 永進, 池谷 朋彦, 尾関 雄一, 水渡 哲史
    2003 年 43 巻 7 号 p. 878-881
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 臨床病期III期, IV期の非小細胞肺癌に対してシスプラチン (CDDP) +ビノレルビン (VNB) +マイトマイシン (MMC) の3剤併用化学療法を施行し, 安全性と有効性について多施設による臨床検討を行った. 方法. 75歳以下の原発性非小細胞肺癌の初回治療例を対象にCDDP 80mg/m2(day1), MMC 8mg/m2(day1), 非手術例はVNB 25mg/m2(day1, 8), 術前投与例はVNB 20mg/m2(day1, 8) の投与を1コースとし, 2コース以上の投与を目標とした. 結果. 登録症例は46例. 39~72歳 (平均61歳) で, 臨床病期はIILへ期26例, IIIB期10例, IV期10例. 投与完遂は1~3 (平均1.6) コースで, 2コース以上の投与完遂は21例 (46%) であった. Grade3以上の有害事象は, 白血球減少13例 (28%), 血小板減少6例 (13%), ヘモグロビン値減少4例 (9%) のほか嘔気, 食欲不振4例 (9%), 静脈炎2例 (4%), 腎不全1例 (2%) であったが, すべて軽快して重篤な合併症には至らず治療関連死亡はなかった. 抗腫瘍効果は評価可能例35例 (76%) で, 効果判定はPR13例, NC18例, PD4例で奏功率は37%であった. 結論. CDDP+VNB+MMC3剤併用療法は従来の標準的CDDP+VDS+MMC3剤併用療法と比べて奏功率, 有害事象ともに遜色なく, 非小細胞肺癌の併用化学療法の選択肢の一つに含めてよいと思われた.
  • 平良 修, 三浦 弘之, 平栗 俊介, 木村 雅一, 加藤 治文
    2003 年 43 巻 7 号 p. 882-893
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 非小細胞肺癌 (NSCLC) の治療の中心は外科療法であるが, その成績はIA期を除き不良である. 術後補助療法の有用性は見出されておらず, 術前化学療法に期待が集まり, 比較試験の結果が注目されている. 我々は術前化療を念頭に, NSCLCに対し新規抗癌剤のビノレルビン (VNR) とドセタキセル (TXT) 2剤にシスプラチン (CDDP) を併用した3剤化学療法を行い, 奏効率と安全性を明らかにするためのpilotstudyを行った. 方法および結果. 対象は切除不能33例と切除可能 (術前化療: IC) 25例, 組織型は腺癌24例, 扁平上皮癌28例, 大細胞癌6例, 臨床病期はIIA3例・IIB8例・IIIA14例, IIIB18例, IV15例, IC例の組織型はAd. 9 Sq. 13 La. 3, 病期IIA3, IIB7, IIIA12, IIIB3であった. 投与量およびスケジュールはVNR25mg/m2day1, TXT60mg/m2day2, CDDPは副作用の軽減をはかるため80mg/m2をday2から5日間に分割投与 (25mg/日を4日間, day 6に残量を投与) した. 全体の奏効率は46.6%(CR4, PR23), 化療数は合計104コース (平均1.8), 術前化療25例中14例にdown-stagingが得られ, 20例が完全切除された. 切除例は原発巣と隔清されたリンパ節の治療効果を病理組織学的に比較検討した. 組織学的治療効果はEf. 3が10%, Ef. 2が40%に認められた. しかし, 化療後リンパ節転移が消退した12例中4例は組織学的に癌がリンパ節内に遺残していた. 不能33例の生存期間中央値は6.4ヵ月, 1年生存率は31.2%, 2年生存率13.4%, 術前化療25例の1年, 2年生存率は各々95.2%, 67.9%であった. 主な血液毒性は白血球減少で, Grade3/4が93.0%に認められたがG-CSFで改善した・非血液毒性は嘔気と嘔吐でGrade3が各々28.1%, 24.6%に認められ, 制吐剤, 補液で回復した. 腎毒性は軽微であった. 結論. VNR, TXT, CDDPの3剤は70歳未満のgood PS例は容認性であり, 術前化療として有用であった.
  • 横井 香平
    2003 年 43 巻 7 号 p. 894
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 兼村 俊範, 黒田 久俊, 永井 厚志
    2003 年 43 巻 7 号 p. 895-899
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 非小細胞肺癌患者を対象としてNedaplatinとVinorelbineあるいはGemcitabineとの併用療法の有用性について検討した. 方法. VQ療法-Nedaplatin 80mg/2 (day 1) +Vinorelbine 25mg/m2 (day1, 8) を3週間隔投与とした. GQ療法-Nedaplatin80mg/2 (day8) +Gemcitabine1000mg/m2 (day1, 8) を3週間間隔投与とした. 結果. VQ療法は奏効率35.5%で, 重篤な副作用はみられず有用性が高かったが, とくに扁平上皮癌において高かった. GQ療法は奏効率42.8%と高く, やはり重篤な副作用は認められなかった. これらはCisplatinとの併用療法と比較して大差はなかった. 結論. NedaplatinはCisplatinと同等の効果を持つが, その副作用は少なく有用だと考えられたが, 今後発展させるためにはさらなる試験が必要であろう.
  • 藤野 昇三
    2003 年 43 巻 7 号 p. 900-905
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 肺扁平上皮癌に対する, ネダプラチン (CDGP), ドセタキセル (TXT) 併用療法の効果と副作用について検討した. 対象と方法. 対象は再化学療法5例, 照射併用10例を含む32例で, 術前・進行症例の臨床病期は, IIB期2例, IILへ期11例, IIIB期7例, IV期9例, 再発症例は3例であった. 男女比30: 2, 平均年齢65.3歳. CDGP, TXT各80~140mg/bodyをday1に1,000mlの補液の元に投与した. 結果. 計58コースが施行され, 平均投与量はCDGP66.1mg/m2, TXT65.8mg/m2であった. 奏功率は, 全32例で59.4%(CR2例, PR17例), 化学療法単独26例で57.7%(CR1例, PR14例), 再化学療法5例で40.0%(PR2例) であった. grade3/4の副作用出現率は, 白血球減少67.2%, 血小板減少3.5%, 嘔気・嘔吐3.1%であった. 予後は, 平均10.7ヵ月の観察期間で, 死亡13例, 生存19例であり, 全32例での生存率は, 1年67.2%, 3年28.5%, 非切除22例での生存率は, 1年62.6%, 3年11.9%であった. 結語. 肺扁平上皮癌に対するCDGP, TXT併用投与法は十分な耐用度と高い奏功率を示し, 進行・再発症例あるいは術前治療として有用である.
  • 塚田 裕子
    2003 年 43 巻 7 号 p. 906-910
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 進行非小細胞肺癌に対する化学療法におけるゲムシタビン単剤療法の位置づけを明らかにする. 研究方法. 進行非小細胞肺癌に対するゲムシタビン単剤療法に関する文献をレビューする. 結果. ゲムシタビン単剤の第II相試験では, 奏効率20%, 生存期間中央値40週と他の新規抗癌剤と同様の成績が得られている. Best Supportive Careとの無作為化比較試験では有意な延命効果が認められなかったが, 旧抗癌剤とシスプラチンの併用療法との比較では腫瘍縮小効果・延命効果に有意差なく, 毒性面ではゲムシタビン単剤の方が優れていた. カルボプラチンとの併用療法と単剤との比較では前者が腫瘍縮小効果・延命効果ともに有意に優れていた. 結論. ゲムシタビン単剤療法は, PS良好な進行非小細胞肺癌患者に対する第一選択とはならないが, 高齢者・PS不良例など毒性軽減を重視する必要のある場合における治療の選択肢のひとつとなる.
  • 金沢 実
    2003 年 43 巻 7 号 p. 911
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 久保田 馨
    2003 年 43 巻 7 号 p. 912-915
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的.進行非小細胞肺癌に対する非プラチナ併用化学療法の意義を検討する. 方法.論文報告されたゲムシタビン+ビノレルビンおよびゲムシタビン+ドセタキセルの第III相試験を中心に効果, 毒性について検討した. 結果.ゲムシタビン+ビノレルビンはシスプラチンを含む併用化学療法に比較し, 毒性はより軽度であるものの, 910bal QoLに差は無く, 無増悪生存期間はシスプラチン群が有意に良好であった. ゲムシタビン+ドセタキセルはシスプラチン+ドセタキセルに比較して, 奏効率, 生存期間に差は無く, より消化器毒性が軽度であった. 結論.非プラチナ製剤同士の2剤併用化学療法は非小細胞肺癌に対する有効なレジメンであるが, シスプラチンを含むレジメンに比較して, 抗腫瘍効果がやや劣る可能性がある.消化器毒性がより軽度であり, 特にシスプラチンの毒性が問題になる症例に対する選択肢のーつとなり得る.
  • Practiceと第II相試験の中間解析結果
    一瀬 幸人, 伊藤 和信, 荒木 潤, 松本 充博, 三浦 隆, 井上 祐一, 今村 文哉, 千場 博, 山本 英彦, 吉野 一郎, 牛島 ...
    2003 年 43 巻 7 号 p. 916-919
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行非小細胞肺癌患者におけるシスプラチン (40mg/m2), ビノレルビン (20mg/m2) とゲムシタビン (800mg/m2) を用いた3剤併用療法 (day 1, 8, 4週毎の投与) について自験例と多施設第II相試験の中間解析結果について報告する. 九州がんセンターにおいてこの化学療法を受けた患者は計57例である. 平均年齢は58歳, 男34例, ECOGPSO, 1は54例, 腺癌51例, 病期IIIB/IV期は9/48例で, 前化学療法の有/無は33/24例であった. Grade 3/4の好中球減少および血小板減少の頻度は各々33/40%と18/0%であった. 非血液毒性でgrade3が認められたのは発熱性好中球減少の2例のみであった. 評価可能な54例中CR3例, PR24例で全奏効率は50%, 前化学療法歴がない24例では66%の奏効率であった. 全57例の中間生存期間は14.4カ月であった. 2002年4月より本療法についての多施設第II相試験が開始され, 28症例が中間解析の対象となった. 治療効果はPR19例で奏効率68%であった. 有害事象も血液毒性が主体で制御不能なものはなかった. 計115サイクルが投与され21例 (75%) に4サイクル以上の投与が可能であった. 現在, 本試験は継続中である.
  • 濱島 吉男
    2003 年 43 巻 7 号 p. 920
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 谷口 博之, 近藤 康博, 西山 理, 松本 修一, 平松 哲夫, 権田 秀雄, 竹本 正興, 進藤 丈, 本多 康希, 谷川 吉政, 久米 ...
    2003 年 43 巻 7 号 p. 921
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. paclitaxel (TXL) とdocetaxel (TXT) は同じtaxan系化合物であるが, 完全な交差耐性を示さない薬剤であることが, 基礎研究, 臨床研究において報告されている.また, 2nd lineのdocetaxel治療で約10%の奏効率が報告され, 生存延長も期待されている. TXLの投与方法については3週間毎投与が標準治療とされているが, 海外の報告ではweekly投与の場合, 奏効率が単剤で30~50%と優れ, また, 3週間毎投与に比較し, 骨髄毒性, 脱毛, 末梢神経障害, 粘膜炎等の副作用が少ないとされている. 今回は進行非小細胞肺癌症例に対するTXT+Carboplatin (CBDCA) 併用化学療法の無効・再発症例に対し, Weekly TXL投与法の有効性と安全性について検討した. 目的.Primaryendpointは奏効率, 有害事象発現率とし, secondary endpointはQOL・Surviva1とした. 方法.進行非小細胞肺癌症例に対するTXT+CBDCA併用化学療法 (RTも含む) の無効・再発症例に対し, TXL80mg/m2の毎週投与6コース終了後, 2週間休薬しこれを1クールとした. 結果.36症例が登録され, 男女比は22/14, ECOG performance statusは0が19例, 1が13例, 2が4例, 組織型は腺癌29例, 扁平上皮癌6例, 腺扁平上皮癌1例, IIIB8例, IV28例. PR/SD/PD/NE: 5/20/9/2例で奏効率13.8%であった. G3 (NCI-CTC) 以上の副作用は好中球減少が36%, 血小板減少は0%, 過敏反応 (G2) を1例に認めた. QLQC-30による健康関連QOLは痛みと食欲不振の項目が改善した. 結論.TXLはTXTと同じタキサン系化合物であるが, TXT無効・再発症例にもTXLの毎週投与は有効であることが示唆された.
  • 中西 洋一, 高山 浩一, 原田 大志, 南 貴博, 堀内 康啓, 猪島 尚子, 石橋 里恵, 原田 聡子, 内野 順治
    2003 年 43 巻 7 号 p. 922-925
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 日本人において非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+タキソールの併用療法の安全性と有効性を確認すること. 方法. 手術不能III期非小細胞肺癌に対してカルボプラチン+タキソールと放射線の同時併用療法を実施した. タキソール45mg/m2とカルボプラチンAUC=2に相当する量をweeklyに投与し, 同時に1.8~2.0/dayの放射線 (計60~65Gy) を併用した. 奏効例に対しては追加の化学療法を16週まで追加した. 進行期非小細胞肺癌症例に対するカルボプラチン+タキソールの隔週投与法についての臨床第1相試験の結果は, 推奨用量はカルボプラチンAUC=3に相当する量に加え, タキソールは140mg/m2であった.この成績を下に臨床第II相試験を実施した. 結果.化学放射線療法については, 72例の患者が登録され, 68例が適格症例であった. 評価可能な61症例においてはCR4例, PR40例で奏効率72%であった. 中間解析の段階では, 推定中央生存期間14ヵ月, 1年生存率56%であった. 治療関連死が3例みられた. その内訳は問質性肺炎1例, 骨髄抑制回復後のカリニー肺炎1例, 放射線による組織壊死に伴う縦隔炎1例であった. 進行期非小細胞肺癌のプロトコールについては, 目標登録症例は80例で, 登録は完了している. 現在までに28例についての中間解析が終了しているが, グレード3以上の白血球減少は21%, 好中球減少は46%, 非骨髄毒性では, 発熱, アレルギー, 倦怠感がそれぞれ1例 (3%) であった. 効果判定をした21例中8例がPRで奏効率は38%であった. 結論.中間解析の段階ではあるが, 本治療法の安全性と有効性が示唆された.
  • 中村 治彦
    2003 年 43 巻 7 号 p. 926
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 専門家会議最終報告
    吉村 明修, 弦間 昭彦, 工藤 翔二
    2003 年 43 巻 7 号 p. 927-932
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. ゲフィチニブによる急性肺障害・間質性肺炎 (interstitiallung disease: ILD) に関する専門家会議最終報告を概説した. 方法. ゲフィチニブによるILDと診断された152例における臨床的特徴, ILD発症後の予後因子およびCT画像・病理所見について検討した. 結果. ILDの発症率は約1.9%, 死亡率は約0.6%と推定され, いずれも海外の報告の6倍であった. 投与後4週までの早期発症例が多かったが, 時間経過とともに早期発症例の減少傾向が認められた. 早期発症例の臨床的特徴は, 急=激な臨床経過と高いに死亡率であった. ILD発症後の予後因子は, 男性, 扁平上皮癌, 特発性肺線維症などの間質性肺炎, PS2以上であった. 胸部CTによるILDの画像パターンは他の薬剤による肺障害と同様であった. 基本的に死亡例の病理所見はびまん性肺胞傷害 (Diffuse Alveolar Damage, DAD) であった. 結論. ILD発症後の最も有意な危険因子は特発性肺線維症・間質性肺炎であり, 本剤の投与に際しては注意を要する. ILD発症率, 危険因子, そのメカニズムを明らかにするためには, 今後プロスペクティブな調査が必要である.
  • 吉澤 靖之
    2003 年 43 巻 7 号 p. 933
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 古志郎
    2003 年 43 巻 7 号 p. 934-939
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    切除不能の進行期非小細胞肺癌 (non-small cell lung cancer; NSCLC) に対する化学療法はプラチナ製剤と新規抗癌剤の組み合わせが標準的な治療法と考えられている. 新規抗癌剤の中でNSCLCに対して明らかに優れているというレジメンはないが, その中でドセタキセルは2nd-line therapyとしての有効性が示されている. ドセタキセルの未治療NSCLCに対する治療成績は, 海外での文献では第二相試験でドセタキセル100mg/m2, 75mg/m2で治療されており, その奏功率は23-38%でありかつMSTは6.3-14ヶ月であった. それに対し日本での文献では第一相臨床試験の結果を踏まえて, ドセタキセル60mg/m2で治療されており, 奏効率は20%, MSTは10ヶ月であり, 海外での成績と比較しやや奏功率でやや劣るもののMSTでは決して引けをとるものではなかった. これらのデータは他の抗癌剤と比較しても遜色なく, 今後のNSCLCに対する治療として十分期待しうる結果であった. そこで未治療, 既治療NSCLCに対する現在のドセタキセルの治療成績について文献的考察する.
  • 酒井 洋, 米田 修一, 小林 国彦, 駒形 浩史, 小斉平 聖治, 楮本 智子, 斉藤 吉弘
    2003 年 43 巻 7 号 p. 940-941
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. ドセタキセルとカルボプラチンは前臨床試験において放射線増感作用が証明されている. 本試験では, 切除不能III期非小細胞肺癌に対する胸部放射線同時照射によるドセタキセル+カルボプラチンの隔週投与と, それに続くドセタキセル+カルボプラチンの地固め療法を行い, その有効性と安全性を評価した. 方法. 対象は前治療のない切除不能局所進行非小細胞肺癌33例. ドセタキセル30mg/m2, カルボプラチンAUC: 3.0を2週毎に計6回投与した. 4回は放射線との同時併用で, 2回は放射線治療後に投与を行った. 放射線治療は1日1回2Gy, 合計60Gyの照射が行われた. 結果. 評価可能32症例で奏効率は91%(CR2例, PR27例) だった. ITTによる生存期間中央値は27カ月 (1生率76%, 2生率61%) だった. 比較的重篤な副作用としては, Grade3の好中球減少が6%, Grade3の肺毒性が6%, Grade4の肺毒性が3%, Grade3の食道炎が3%だった. 結論. 切除不能III期非小細胞肺癌に対する, ドセタキセルとカルボプラチンを用いた放射線同時併用療法とそれに続く地固め療法は, 治療成績が非常に優れ, 副作用も許容範囲だった.
  • 三嶋 理晃
    2003 年 43 巻 7 号 p. 942
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 米田 修一
    2003 年 43 巻 7 号 p. 943-945
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 河原 正明, 細江 重人, JMTO Study Group
    2003 年 43 巻 7 号 p. 946-950
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的.非小細胞肺癌における, プラチナを含まない新規抗癌剤3剤による経時的投与法による有効性と毒性の評価. 対象と方法.44施設の共同第II相試験.未治療の切除不能非小細胞肺癌44例. gemcitabine (GEM) 1000mg/m2とvinorelbine (VNR) 25mg/m2, iv, days1, 8, 3週毎, 3サイクルの後にDocetaxe1 (DOC) 60mg/m2, iv, day1, 3週毎, 3サイクルを投与した. RECISTによる奏効率は47.7%, 1年生存率は59%, 生存期間中央値は15.7%であった. 主な毒性は骨髄抑制であったが, GEM/VNRのサイクルではgrade3及び4の好中球減少症は36.6%, grade3~4の貧血は4.5%, grade3の血小板減少症は2.3%と軽微であり, grade3の肺臓炎は2例 (4.5%) に起こった.DOCのサイクルではgrade3~4の好中球減少は39.4%に出現した.33症例がGEM/VNRの3サイクルを完遂し, うち22例はDOCの3サイクルを完了した. 治療関連死はなかった. 結論. この治療法はactiveで毒性も軽度であった. 現在この治療法と標準的治療の一つであるcarboplatin+paclitaxelとの第III相比較試験をJapan.SWOG common arm trialとして実施中である.
  • 馬場 雅行
    2003 年 43 巻 7 号 p. 951
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 平松 義規
    2003 年 43 巻 7 号 p. 952-955
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 非小細胞肺癌切除後の再発治療は一般に困難である. 予後不良であることから長期入院治療や副作用が強く, QOLの低い治療法は疑問である. 近年, 副作用が少なく, 外来治療も可能な新規抗癌剤が登場している. 今回, ゲムシタビン (GEM), ビノレルビン (VNR) にて術後再発治療を行った症例を検討した. 方法. 2001年3月から2002年10月までに非小細胞肺癌術後の再発症例に対し外来にてGEM800mg/m2, VNR20mg/m2を2週間毎に静脈内投与し, X-P, CT, 採血, 問診票によりその効果, 副作用, QOLに関し検討した. 結果. 同意の得られた症例は19例, 男性12例, 女性7例. 年齢は平均68.2歳, 組織型は腺癌17例, 腺扁平上皮癌2例, 再発部位は肺12例, 縦隔リンパ節10例, 悪性胸水4例, 骨3例, 皮膚2例, 脳2例, 肝1例. 治療は平均14.2回行った. 副作用は骨髄抑制12例, 全身倦怠感9例, 食欲低下4例, 口内炎1例, 静脈炎1例を認めたが, Grade3以上の副作用はなかった. 治療効果はCR2例, PR6例, NC7例, PD4例であった. 全例, 外来治療可能でQOLは良好に保たれた. 結論. GEMとVNRの併用療法は術後再発症例に対し, 外来治療において安全で有用な治療法である.
  • 宮澤 正久
    2003 年 43 巻 7 号 p. 956-959
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    背景. 新規抗癌剤の出現により非小細胞肺癌に対する化学療法の有効性が期待されつつある. 今回, 術後再発症例に対しGemcitabine (GEM)+Cisplatin (CDDP) 療法が奏効した症例を経験したので報告する. 症例. 60歳女性. 右肺腺癌に対し肺全摘術を施行, CDDP, vindesineおよびUFTによる術後補助化学療法を追加したが, 術後1年7カ月目に右鎖骨上窩リンパ節転移を認め放射線治療を施行した. 2年6カ月目に右副腎転移および腹部大動脈周囲リンパ節転移が出現, 少量CDDP療法を施行し転移巣の縮小を認めた. その後再増大がみられ再度少量CDDP療法を施行したが病巣は増大した. GEM+CDDP療法を施行した結果, リンパ節転移巣は2クール後に消失, 右副腎転移巣も4クール終了後にほぼ消失した. 奏効期間は3カ月であった. 結論. 非小細胞肺癌術後再発症例に対しGEM+CDDP療法が治療の選択肢になりうる.
  • 水渡 哲史
    2003 年 43 巻 7 号 p. 960
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小田 誠, 谷内 毅, 田村 昌也, 渡邊 剛
    2003 年 43 巻 7 号 p. 961-966
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 最近4年間に, 非小細胞肺癌術後再発20例および術後癌遺残2例の計22例に対してパクリタキセルを用いた化学療法を施行した. このうちComplete Response (CR) が得られた2例を呈示する. 症例1. 69歳, 男性. 右腺癌 (IA期) に対し手術を施行した. 胸腔内再発を来し, シスプラチン+ビンデシンを3コース施行するも不変 (NC) であった. 再手術にて, 多発癌と診断された. その後左肺に多発転移巣を認めたため, カルボプラチン+パクリタキセルを4コース施行し, 転移巣はほぼ消失した. パクリタキセル隔週投与を計7コース施行し, 現在再発の徴候は認めていない. 症例2. 50歳, 女性. 胸膜播種を伴う右S10の腫瘍に対して, 手術 (非完全切除) を施行した. 中分化型腺癌 (pT4NOM1, W期) と診断された. カルボプラチン+パクリタキセルを3コース施行したが術後遺残した肺転移巣はNCであったため, パクリタキセル隔週投与を開始した. 20カ月後CRが得られ, 計25コース終了時点で一旦化学療法を中止した. 現在無再発生存中である. 結論. 非小細胞肺癌に対するパクリタキセルを用いた化学療法は, 術後再発例や癌遺残例に対しても治療の一選択肢となり得ると考えられた. (肺癌. 2003; 43: 961-966) 索引用語1パクリタキセル, 非小細胞肺癌, 化学療法
  • 星 永進
    2003 年 43 巻 7 号 p. 967
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 奥村 栄
    2003 年 43 巻 7 号 p. 968-973
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    背景. 局所進行非小細胞肺癌の予後は不良であり, 未だ標準治療は確立していない. 症例. 58歳男性.右下幹 (B6) 発生の最大径85mmの扁平上皮癌が, 気管分岐部リンパ節から食道筋層にまで直接浸潤し, cT4N2MOstageIIIBと診断した.CDDP (80mg/m2) +DOC (60mg/m2) の化学療法を3回施行したところ, 腫瘍縮小率は59%であり, ycT2NOMOstageIBにdown stageした.食道筋層と分岐部リンパ節とともに右中下葉切除 (完全切除) を施行し, 病理学的に完全奏効 (CR) であった. 結論. 術前のCisplatinとDocetaxelの化学療法により, 病理学的にCRとなった症例を経験し, 局所進行非小細胞肺癌にその有用性が示唆された.
  • 中山 光男, 古屋 信二, 堀口 速史, 山畑 健, 菊池 功次
    2003 年 43 巻 7 号 p. 974-977
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    背景. 新規抗癌剤の登場により非小細胞肺癌に対する奏効率は向上したが1年以上にわたりCRが得られる症例は少ない.われわれはシスプラチン+ドセタキセルの投与で長期のCRが得られた肺癌術後再発の一例を経験したので報告する.症例.60歳男性.1995年4月17日に左上葉切除術, リンパ節郭清 (R2), 心膜・横隔神経合併切除を施行.左S3末梢の径5cm大の腫瘍が縦隔に進展し心膜, 横隔神経に浸潤していた.組織学的には印環細胞様の腫瘍細胞が混在する中分化型腺癌の像を呈し, p-t4n2m0, IIIb期と診断された.術後シスプラチン, ビンデシン, マイトマイシンの投与および縦隔に60Gyの照射を追加した.術後4年目に対側傍気管から鎖骨上窩にかけてリンパ節転移が出現したためシスプラチン, ドセタキセル併用療法を2コース施行し, 2ヵ月後には胸部CT上CRと判定した.その2年3ヵ月後に左腋窩リンパ節転移が出現し, 再度シスプラチン, ドセタキセルを2コース投与した.最初のシスプラチン, ドセタキセルの投与から4年後の現在再発の兆候はない.結論.術後再発肺腺癌に対しシスプラチン, ドセタキセル併用化学療法が奏効し長期のCRが得られた.
  • 原 信之
    2003 年 43 巻 7 号 p. 978
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 河原 正明
    2003 年 43 巻 7 号 p. 979-982
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    パクリタキセル+カルボプラチン (PCb) vsビノレルビン+シスプラチン (VC) の比較を含んだ試験で費用に関する報告は少なく, SWOG (Southwest Oncology Group) によるSWOG 9509の研究とItalian Lung Cancer Projectによるゲムシタビン+シスプラチンvs VC vs PCbの比較試験がある. SWOGの研究ではPCbはVCに比べ有意に高価であり, この差は殆ど薬剤費によるものであった.イタリアの研究においてもPCbの総費用平均額および1コースにおける費用はが一番高くついている. これらの事実にも拘らずPCbがよく使用されるのは毒性や利便性などの理由によるものと思われる.
  • 日本肺癌学会集団検診委員会 , 胸部CT検診研究会指針検討WG , 日本肺癌学会画像診断分類委員会
    2003 年 43 巻 7 号 p. 985-992
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ・低線量CT肺癌検診を実施することにより, 非受診者群に比較して, 受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.
    ・低線量CT肺癌検診は, 高危険群および非高危険群に対して, 胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌 (腺癌) をより多く発見し, 発見肺癌の6-8割は病期I期肺癌である.
    ・低線量CT肺癌検診では, 受診者の被曝リスクを低減させるために, 撮影条件, 画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.
    ・低線量CT肺癌検診は, 他のがん検診と同様に, 検診の運営に際して, 精度管理とその維持が必要である.
    ・低線量CT肺癌検診の受診者には, 検診一般の説明だけでなく, 現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて, 説明と同意 (インフォームドコンセント) を行うべきである.
    ・医療経済学的な面も併せて, 低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには, 解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.
    ・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診, 職域検1診のみならず, 人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.
  • 宝来 威, 中山 富雄, 楠 洋子, 鈴木 隆一郎
    2003 年 43 巻 7 号 p. 993-997
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的. 大阪肺癌集検研究班が担当してきた肺癌集検での喀痰細胞診の成績を検討した.対象と方法.大阪府下8市町の一般住民を対象として, 1981年より胸部X線間接撮影と喀痰細胞診による肺癌検診を行ってきた.喀痰細胞診は40歳以上で喫煙指数400以上の者, および血痰の自覚症状を有する者 (高危険群) を対象とした.成績.1981年から2000年の20年間の受診者総数は297,628人で, この中から235人の肺癌を発見した.喀痰細胞診を行った高危険群からは, 130人の肺癌が発見され扁平上皮癌は64人であった.そのうち36人が肺門部扁平上皮癌で喀痰による発見は34人であった.喀痰細胞診で発見された扁平上皮癌は10万対110と20年間で変わらないが, 肺門部扁平上皮癌が1996年以降では約1/2に低下した.結論喀痰細胞診は, 肺門部早期扁平上皮癌の発見に不可欠な検査で, 肺癌発見率を上昇させるためには高危険群特に50歳以上の男性の多い集団を対象とした検診を行うべきである.さらに十分な精度管理のもとに喀痰細胞診の精度を高めることが必要である.
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