末梢型肺腫瘍, 縦隔および胸壁腫瘍等に対し, 超音波断層検査を施行した.そのうち, 手術を行い, 切除標本の肉眼的所見と術前の超音波断層像とを対比しえた25例を対象とし, 腫瘍の内部エコー, 周辺組織への浸潤所見等につき比較検討した.その結果, 腫瘍が胸膜直下に存在する場合, 超音波断層検査は診断に有用で, その割面が実質性均等の場合, 内部エコーはlow level solid patternを呈す場合が多い。内部エコーから組織学的な差異, 結核腫, 転移性肺腫瘍等の鑑別は不可能であったが, 胸膜陥入や胸壁へのごく早期の浸潤もエコー上表示可能であった.縦隔腫瘍は内部構造が多彩で, その鑑別はエコー上容易であった.
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