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下里 幸雄
1990 年 30 巻 3 号 p.
309-311
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
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中村 治彦, 雨宮 隆太, 新妻 雅行, 高橋 英介, 小高 達朗, 於保 健吉, 加藤 治文, 早田 義博
1990 年 30 巻 3 号 p.
313-318
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
気管・気管支原発腺様嚢胞癌13例について臨床的検討を加えた. 病巣は全例, 葉気管支より中枢に局在し, 胸部正面X線像での発見は困難であった. 本腫瘍の浸潤性性格のため, 病巣の外科的切除に際して手術断端に腫瘍組織侵襲が及んでいる場合が少なくないので注意を要する. 一部の症例には放射線療法とBAIが有効であった. 気管の全周性狭窄に基づく呼吸困難には内視鏡的Nd-YAGレーザー治療と気管内チューブ留置術の併用が効果的であった. 全症例の5年生存率は44%であった.
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特に一回撮影エネルギーサブトラクション法の有用性
上村 良一, 高島 力, 小林 健, 野畠 浩司, 渡辺 洋宇
1990 年 30 巻 3 号 p.
319-326
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
腫瘍径3cm以下の末梢肺野型肺癌手術例52例を対象としてcomputedradiographyと通常のフィルム法による胸部X線写真とを対比検討した. Plain CRでは縦隔側肺野に位置する例や辺縁が鋭利な結節影で評価が優れていた. 又エネルギーサブトラクション軟部画像をplainCRに付加する事で11例 (21%) に陰影の描出が改善された. 一方淡い濃度の浸潤影を呈する結節影でCRが劣る例がみられた.
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中野 孝司, 藤岡 洋, 前田 重一郎, 山口 桂, 岩橋 徳明, 田村 伸介, 波田 寿一, 東野 一彌
1990 年 30 巻 3 号 p.
327-332
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
悪性胸膜中皮腫と肺癌胸水貯留例との鑑別にCEAが役立つか否か検討した. 悪性胸膜中皮腫 (11例) の胸水CEAは低値であり, 結核性胸膜炎 (18例) 及び他の良性疾患 (21例) のそれとに差はなかった. 又, 肺癌各組織型 (腺癌34例, 小細胞癌18例, 扁平上皮癌8例, 大細胞癌5例) 及び転移性悪性胸膜腫瘍 (13例) のそれは中皮腫よりも有意に高値を示していた. 胸水CEAのcut-off valueを5.0ng/mlとすると腺癌でのpositive rateは82.4%, 小細胞癌28.6%, 扁平上皮癌62.5%, 大細胞癌83.3%, 転移性胸膜腫瘍43.8%であったのに比べ, 中皮腫は全例ともにcut-off level以下であった. 又, 悪性胸膜中皮腫の腫瘍組織CEA染色は全例陰性であり, 血清CEAは病期が進行しても全例ともに正常値内にあった. 以上の結果より, 本疾患のCEAは胸水及び血清ともに上昇しないと考えられ, この点が肺癌胸水貯留例, 殊に問題となる肺腺癌との鑑別に役立つと考えられる.
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佐川 元保, 斉藤 泰紀, 高橋 里美, 薄田 勝男, 菅間 敬治, 佐藤 雅美, 太田 伸一郎, 永元 則義, 仲田 祐, 藤村 重文
1990 年 30 巻 3 号 p.
333-339
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
原発性肺癌切除例の予後因子を解析することによって, 現在の肺癌のTNM分類の妥当性と問題点を検討した. その結果, 以前のT3を浸潤臓器によって2群にわけたことや, 胸水貯留例を悪性細胞の有無によって2群にわけたこと等は妥当と考えられた. 一方, T4の中での予後良好なものの扱い (左房への軽度浸潤例, 気管分岐部浸潤例など) や, 肺内リンパ節の標準的な検索法の統一と成績の集計, N2の細分化の必要性等は, 今後の検討対象にすべきと考えられた.
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大崎 能伸, 石田 栄, 藤兼 俊明, 川辺 淳一, 松本 博之, 小野寺 壮吉
1990 年 30 巻 3 号 p.
341-349
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
ヒト肺腺癌細胞培養株PC9に対するCDDPとカフェインの併用効果を検討した. カフェイン2mM単独では細胞の増殖を強く抑制しなかったが, 併用によりCDDP1.0μg/mlの効果を増強した. FCMでのcellcycleの検討では, CDDPの負荷によりG
2+M期の蓄積を認め, カフェインの併用によりこのG
2+M期の貯蓄は減少した. FITCの蛍光量は48時間後に減少し, これはカフェイン単独, CDDPカフェイン併用ともに認められた.
3Hthymidineの取込みはCDDPの濃度の上昇とともに低下した.
14C-leucineの取り込みはカフェインの使用によって低下した.
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宮本 宏, 磯部 宏, 羽田 均, 清水 透, 原田 真雄, 石黒 昭彦, 井上 勝一, 川上 義和
1990 年 30 巻 3 号 p.
351-357
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
切除された肺扁平上皮癌48例の核DNA量をフローサイトメトリーで測定し, 中心型と末梢型腫瘍に分けて検討した. 中心型腫瘍 (23例) のDNAaneuploidyの頻度は82.6%, DNAIndex (DI) は1.65±0.40 (±SD) であった. 一方, 末梢型腫瘍 (25例) ではそれぞれ40.0%, 1.29±0.37で末梢腫瘍の方がaneuploidyの頻度は少なく, DIは小さい値を示した (P<0.01). 中心型より末梢型腫瘍の方が, aneuploidよりdiploid腫瘍の方が予後は良かった (それぞれ, p<0.01). 女性6例 (非喫煙者5例) 全例が末梢型腫瘍であり, 且つ, diploid腫瘍であった. 核DNA量の測定は中心型と末梢型扁平上皮癌の悪性度や病因の違いを明らかにする手段として有用である.
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川崎 雅之, 原 信之, 一瀬 幸人, 本広 昭, 久田 友治, 麻生 博史, 近間 英樹, 清水 哲哉, 大田 満夫, 奏 一雄
1990 年 30 巻 3 号 p.
359-364
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
原発性肺癌患者1180例のうち診断時に骨転移を認めた185例 (15.7%) に対して検討を加えた.組織型では腺癌, 小細胞癌に比べ扁平上皮癌に骨転移が少なく, また腺癌では多発性骨転移が多い傾向にあった.診断面では骨シンチが98.2%の陽性を示したのに対し, 骨X線では69.2%の陽性しか認められなかった.骨転移症例の中間生存期間は5.5カ月で予後は不良であった.放射線治療の有効性は67.7%であった.
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特に胸部X線写真上の所見の有無による差異についての検討
佐藤 雅美, 斎藤 泰紀, 永元 則義, 薄田 勝男, 高橋 里美, 菅間 敬治, 佐川 元保, 太田 伸一郎, 仲田 祐, 藤村 重文
1990 年 30 巻 3 号 p.
365-373
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
重喫煙歴を有する男性扁平上皮癌の多発癌の発生頻度が胸部X線所見の有無により異なるか否かをretrospectiveに検討した. X線無所見肺癌では, 全支擦過法を行い多発癌の検索に努めた. また, 術後の孤立性陰影は多発癌, 単発性転移の両面から検討した. その結果, 異時性多発癌の多くは第一癌診断時すでに同時性多発癌であった可能性が高く, またX線有所見例でもX線無所見例とほぼ同様の頻度で多発癌を有している可能性が示唆された.
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斎藤 泰紀, 佐藤 博俊, 今井 督, 佐藤 雅美, 太田 伸一郎, 菅間 敬治, 佐川 元保, 永元 則義, 藤村 重文, 仲田 祐
1990 年 30 巻 3 号 p.
375-383
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
延べ45865名の高危険群に対して喀痰細胞診とX線撮影による肺癌集検を行った結果, E判定128名より92例, D判定146名より23例の計115例の肺癌を発見し, 106例は扁平上皮癌であった. 細胞診のみにより92例, 両者により23例, X線写真のみにより31例が発見された. 喀痰細胞診により, IV次あるいはV次より末梢に占拠するoccultcancerも発見しえた. 3回目以降の集検実施で喀痰細胞診のみによる肺癌の発見は半減した.
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特にその発生母地について
永元 則義, 斎藤 泰紀, 太田 伸一郎, 佐藤 雅美, 菅間 敬治, 佐川 元保, 高橋 里美, 薄田 勝男, 藤村 重文, 仲田 祐
1990 年 30 巻 3 号 p.
385-393
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
気管支扁平上皮癌の発生母地を追究するために, 細胞診検査で発見された胸部X線写真無所見肺癌 (ROLC) 切除標本の連続ブロック切出しによる組織切片を鏡検した. その中で大きさ1mm以下の癌と, 高度異型細胞の集簇がみられたブロックをすべて連続切片にして発見された微小癌の計11病巣について, 癌の形状と隣接上皮の形態変化を検索した. 一見正常な上皮からの発生の可能性もあったが, 高度異型扁平上皮化生と高度異型基底細胞列が発生母地である可能性が示唆された.
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畠山 忍
1990 年 30 巻 3 号 p.
395-406
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
発性肺癌患者30例の末梢血よりLAK細胞を誘導し, invitroにおける培養条件を検討し, 以下の結論を得た. recombinant interleukin2 (rIL-2) の至適濃度は, TGP-3で2u/ml, S-6820で200u/mlであり, 至適培養日数は4-6日であり, その抗腫瘍活性は既治療患者においても有意に増強した. rIL-2とrIFNγの併用における抗腫瘍活性の増強はみられなかったが, 抗CD3抗体との併用により, 抗腫瘍活性を維持したLAK細胞数の増加がみられた. また, 抗癌剤添加によるLAK細胞誘導への影響はみられなかった. LAK細胞のphenotypeでは, Leu2, 3, 4, 11の有意な上昇がみられた.
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とくに, 核DNA量と予後について
内山 貴堯, 君野 孝二, 山岡 憲夫, 赤嶺 晋治, 松尾 聡
1990 年 30 巻 3 号 p.
407-413
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
腫瘍径20mm以下の切除した非小細胞癌は57例で, stage III, IVが21.1%にみられ, DNA diploid例は全例stage Iであったが, DNA aneuploid例は脈管侵襲・リンパ節転移がみられ, 進行癌が多かった. 核DNA量ではDNA diploidy12例, DNA aneuploidy 32例で, DNA aneuploid例が72.7%をしめ, その5年生存率はDNA diploid例100%, DNA aneu-Ploid例49.2%と有意差がみられ (P<0.01), 核DNA量は予後に影響を与える重要な因子である.
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横山 晶, 栗田 雄三, 大平 徹郎, 木滑 孝一, 寺島 雅範, 鈴木 正武, Hirosi Tunoda
1990 年 30 巻 3 号 p.
415-420
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
症例は63歳の男性で, 発熱を主訴とし, 右中葉の無気肺陰影で発見された. 気管支鏡では右中間幹内腔に結節状の腫瘤を認め, 擦過細胞診, 生検で腺癌と診断され, 右中葉切除と気管支形成術および縦隔リンパ節郭清が施行された. 腫瘍は右中間幹より発生し, 小指頭大結節状で, 気管支壁内に限局した肺門部早期癌であった. 組織学的には, 内腔側は乳頭状の発育を示し深部では気管支腺への浸潤性の発育も認める高分化型乳頭状腺癌であった.
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早川 和志, 宮元 秀昭, 佐藤 之俊, 羽田 圓城, 佐藤 正典, 大多和 正樹
1990 年 30 巻 3 号 p.
421-426
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌化学療法に伴う嘔気・嘔吐が原因と考えられるMallory-Weiss症候群の1例を経験した. 本例は大量の吐血のために死亡した. 剖検所見では胃内腔の凝血塊と胃粘膜に数カ所の裂創がみられたが, 気管支, 肺をはじめ他の臓器には出血の原因となる異常は認めなかった. 癌化学療法後に起こる本症候群の報告は9例と稀であるが, シスプラチンの導入以後漸増傾向にあり, 化学療法施行時には念頭におくべき病態の一つと思われた.
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松村 正典, 西川 正憲, 池田 大忠, 大久保 隆男, 柴垣 徳彦, 蟹沢 成好
1990 年 30 巻 3 号 p.
427-432
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
50才女性. 咳噺・喀疾, 腰痛で発症. 胸部異常陰影の精査より左S
8b原発の肺腺癌と診断した. 全身骨に骨形成性変化を認め, CDDP, ADM, VP. 16の化学療法を施行したが全経過8ヵ月で死亡した. 生前, 頭痛が生じ腰椎穿刺施行. 髄液糖値低下により癌性髄膜症が疑われたが, 確定診断には至らなかった. 剖検で, 肺腺癌の広汎な骨形成性転移と脳転移のないびまん性転移性髄膜癌腫症の2つの転移様式が明らかとなった.
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転移性骨・縦隔腫瘍 (甲状腺癌由来) 12例との対比
臼井 実, 堀江 和子, 原 節雄, 堀谷 喜公, 島 寛人, 草田 行雄
1990 年 30 巻 3 号 p.
433-440
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
我々は昭和56年5月より昭和63年5月までの7年間に経験した甲状腺癌由来の転移性肺腫瘍14例1群と転移性骨・縦隔腫瘍12例II群に対する
131I内照射治療について臨床的検討を行った. 1群では組織集積4例のうち著効1例, 有効2例, 無効1例, 無集積10例のうち有効2例, 無効8例であった. II群では組織集積5例のうち有効4例, 無効1例, 無集積6例のうち有効2例であった. 平均生存期間は1群7年, II群は2年半であった.
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中原 由紀子, 中原 保治, 石田 直, 河南 里江子, 松山 榮一, 桂 栄孝
1990 年 30 巻 3 号 p.
441-445
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
例は38才, 男性. 主訴は咳嗽. 左肺門部に腫瘤影があり, 気管支鏡, 生検検査により左上葉気管支入口部に腺様嚢胞癌を認めた. 他方, 気管・左右主気管支に粟粒-米粒大の黄白色, 小結節を多数認め, 生検によりtracheobronchopathia osteoplasticaと診断した. 左肺全別術により肺門部の鶏卵大の腺様嚢胞癌を確認したが, 術後, 8年間, 気管・主気管支粘膜のtracheobronchopathia osteoplasticaの病変に変化はない.
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酒井 章次, 大辻 正高, Eiichi Shiina, 春日 善男, 辻本 志朗
1990 年 30 巻 3 号 p.
447-451
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
自然気胸経過中に喀痰細胞診により発見されたroentgenologically occult lung cancerの1例を報告する. 症例は69歳, 男性, 自然気胸治療中喀痰細胞診でclass IIIb であり, 肺癌を疑い自然気胸治癒後気管支鏡を施行した. 気管支鏡では左上葉上区入口部に軽度発赤を伴う, ごく小範囲の顆粒状凹凸をみるのみであったが, 同部位生検は扁平上皮癌で, 表層浸潤型肺門部早期肺癌と診断した. 左上葉切除を施行し断端には癌組織はみられなかった.
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1990 年 30 巻 3 号 p.
453-459
発行日: 1990/06/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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