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笠松 美宏, 沢田 学, 瀬戸口 純子, 小野寺 秀記, 中井 雅彦, 竹村 周平, 近藤 元治, 里村 由紀子, 原 洋, 林 英夫
1990 年 30 巻 2 号 p.
159-165
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
非小細胞肺癌の脳転移に対するMMC, VDS, CDDPによる併用化学療法 (MVP療法) の効果につき検討した. 対象は腺癌5例であった. 神経症状は全例で改善し, 頭部CT上5例中3例で腫瘍の縮小効果があった. 生存期間は6-18ヵ月であった. 非小細胞肺癌の脳転移に対するMVP療法の効果の厳密な評価のために, 化学療法単独, 化学療法と放射鯨治癖竹射綿治椿の2者に上る無作為試験が推奨される.
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奥村 明之進, 古武 彌宏, 尹 亨彦, 酒井 聡, 末岐 博文, 桂 浩, 中野 昇, 大嶋 仙哉, 福岡 正博, 安光 勉
1990 年 30 巻 2 号 p.
167-173
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌切除後再発例の内, CEA上昇例をもとにそのCEA doubling timeと再発部位の関係を検討したところ, 平均値は局所再発で165.2日, 肺転移で86.7日, 肺以外の遠隔転移で57.7日, 癌性心嚢炎で48.6日であり, 局所再発と肺転移, 局所再発と遠隔転移, 局所再発と癌性心嚢炎の間で有意差を認めた. また, CEA doubling timeと生存期間の間には正の相関関係を認め, CEA doubling timeは予後推定にも有用と思われた.
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渡辺 洋宇, 木元 春生, 岩 喬, 高島 力, 上村 良一, 北川 正信, 谷本 一夫, 松原 藤継, 生垣 茂, 山田 勝治
1990 年 30 巻 2 号 p.
175-181
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
過去11年間に経験した肺門部早期癌21例と, 準早期癌 (気管支壁外に僅かに浸潤しているもの) 8例について, 臨床的背景因子を検討した. 7例は, 肺癌集団検診での喀痰細胞診にて発見され, 他の22例は自覚症状 (血痰・喀血: 12, 咳噺: 5, 発熱: 3ほか) で受診し, いずれも気管支鏡検査にて確定診断されている. 非喫煙者が3例みられた. 胸部単純X線写真像にて異常所見を示したのは9例のみであった.
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中野 孝司, 藤岡 洋, 前田 重一郎, 岩橋 徳明, 竹中 雅彦, 山口 桂, 田村 伸介, 波田 寿一, 東野 一彌
1990 年 30 巻 2 号 p.
183-188
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
多剤併用癌化学療法により奏効が得られた肺小細胞癌 (n=22) の再燃様式につき検討した.臨床的に初めて再発を認めた部位は骨 (55%) および脳 (45%) が多く, 次に肺 (32%) であった.CR導入後, 放射線による強化療法 (RT) を行った症例には局所再発は少なく遠隔転移が多かったのに比べ, PR後にRTを行った症例では局所再発が多かった.化学療法のみの治療を行った10例中4例の死因は腫瘍の局所再発に起因する呼吸不全であったのに比べ, 化学療法にRTを併用した群にはそのような死亡は認められなかった.
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八田 健, 坪田 紀明, 吉村 雅裕, 柳川 昌弘, 大林 加代子, 高田 佳木, 楢林 勇, 山本 裕之, 加堂 哲治, 指方 輝正
1990 年 30 巻 2 号 p.
189-193
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
原発性肺癌の切除前後に術中胸腔内洗浄液の細胞診を行い, 病期, 組織型, 及び手術操作の影響を検討した.当センターで3年半の間に治癒切除が行われた144例のうち, 手術操作前後に胸腔内洗浄液細胞診の行い得た102例を対象とした.手術操作前の洗浄液細胞診陽性例は腺癌で, T2N0とT2N2の各1例の計2例 (2%), 手術操作後の5例 (4.9%) も腺癌でN
1症例が2例, N
2症例が3例であった.尚この5例の操作前の細胞診はすべて陰性であった.
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新妻 雅行, 中村 治彦, 田口 雅彦, 木下 雅雄, 森山 浩, 小高 達朗, 平良 修, 於保 健吉, 早田 義博
1990 年 30 巻 2 号 p.
195-201
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌手術症例について, 肺門・縦隔リンパ節転移と予後との関連を検討した.N
1症例の予後はN2症例に比較して有意に良好であった.N
2bおよびN3症例はN
2a症例に比較して予後不良であった.N
2症例では3リンパ節群以上に転移を認める症例は2リンパ節群以下に転移を認める症例より予後不良であった.また, 転移リンパ節の個数が増加するに従い, 50%生存期間が短縮した.転移リンパ節の部位による差は認めなかった.
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CDDPと組織型別2剤併用の比較
今中 一文, 黒田 康正, 左野 明, 高橋 雅士, 藤原 一央, 三木 幸男, 川上 光一, 桑田 陽一郎, 岩田 猛邦, 河野 通雄
1990 年 30 巻 2 号 p.
203-208
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌に対するBAIと放射線治療併用効果を2つのプロトコール群を比較しながら検討した.CDDP動注群は非小細胞癌の23例で, 50mg動注直後に腫瘍濃染部分に限局して350~400cGy照射した.2剤動注群は57例で扁平上皮癌にはPEP30mg+CQ6mg, 小細胞癌にはADR20~30mg+MMC10mg, 腺癌, 大細胞癌にはADR20~30mg+MMC10mgか, PEP30mg+MMC10mgを動注し, 均等分割照射を併用した.BAIの併用で, 腫瘍の50%縮小期間の短縮が認められ, 小細胞癌に対してはADR+MMC, 非小細胞癌にはCDDPの縮小効果が良好であった.
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由佐 俊和, 山口 豊, 斉藤 幸雄, 山川 久美, 小幡 貞男, 柴 光年, 木村 秀樹, 藤沢 武彦
1990 年 30 巻 2 号 p.
209-215
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
絶対的ないし相対的治癒切除例232例を対象とし, 再発について検討した.検索例の51%に再発をみた.その頻度はpN因子との問に高い相関を示した.血行陛転移による再発が42%にみられ, 転移臓器として肺, 脳, 骨が多かった.局所再発は19%にみられリンバ行性転移によるものが最も多かった.初再発は, 腺癌で再発例の60%が, その他の組織型で80-100%が切除後2年未満にみられ, 腺癌例に晩期再発が多かった
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國島 和夫, 高木 巌, 陶山 元一, 篠田 雅幸
1990 年 30 巻 2 号 p.
217-222
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
術前血清CEA値が5.1ng/ml以上の血清CEA高値肺癌139例は5.0ng/ml以下の血清CEA正常肺癌268例に比べ, 臨床病期と術後病理病期の診断一致率 (47.5%, 62.3%) は有意に低く, 5年生存率 (30.8%, 54.4%) は有意に悪かった. 血清CEA高値群を10.0ng/ml以下, 20.0ng/ml以下, 20.1ng/ml以上の群に分けると, 血清CEA値が高い程, 進行癌が増加し, 根治度は低下し, 手術成績は悪かった. 術前血清CEA値は肺癌切除例の予後因子の一つになり得る.
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高橋 敬治, 木村 秀, 宇山 正, 曽根 三郎, 小倉 剛, 門田 康正
1990 年 30 巻 2 号 p.
223-229
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌患者の末梢血単核球細胞を単球とリンパ球に分離し, IL-2によるリンパ球のキラー (LAK) 活性発現能と単球による調節能を検討した. リンパ球単独のキラー活性発現能, 及び単球のLAK増強作用は肺癌患者群と健常者群との間に有意差はなかった. 又, 細菌内毒素 (LPS) にて刺激した健常者単球はLAK活性誘導を有意に抑制したが, 肺癌患者単球ではLPS刺激により抑制を示す症例と, 逆にLAK誘導増強作用を示す症例があり, 担癌による質的機能変化が示唆された.
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森田 皓三, 不破 信和
1990 年 30 巻 2 号 p.
231-238
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
1979年1月から1987年5月迄に55-70Gyが投与された136例を用い, 非小細胞肺癌に対する放射線治療において, 原発巣の大きさと予後との関係を分析した.腫瘍径が4cm未満の症例は, それ以上の症例と比較して, 一次効果・局所制御率・累積3年生存率共に有意に良好で, 2年以上の生存例は41例中14例 (34%) であった.それに対して腫瘍径が6cm以上の症例ではそのCR率は10%以下で2年以上の生存例は, 41例中僅か2例 (5%) にすぎなかった.非小細胞肺癌に対する放射線治療の際には, 原発巣径も予後因子の1つとして重要である.
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補助的診断法としての有用性について
森谷 和子
1990 年 30 巻 2 号 p.
239-246
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
原発性肺癌患者102例を中心に, 血清SCC, NSE, CEA, BMG値を測定し, 検討した.SCCは扁平上皮癌で, NSEは小細胞癌で萬値となり, 三者のcombinationは有用と考えられたが, BMGについては有用性は認められなかった.SCC, NSEの陽性例と陰性例で生存率の差を検討したが, 統計学的有意差は認められなかった.SCC, NSEは, 治療経過のモニターマーカーとして有用である可能性がある.
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金子 保, 野田 和正, 佐野 文彦, 野村 郁男, 石橋 信, 諸星 隆夫
1990 年 30 巻 2 号 p.
247-254
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
進行非小細胞肺癌に対するCDDP・VDS・IFX併用療法 (CIV療法) を, CDDP・VDS併用 (CV1法) 及びCDDP・VLB併用療法 (CV2法) と比較検討した.CV1法・CV2法の奏効率はいずれも33%であり, 生存率・生存期間にも差異は認められなかった.CIV療法の奏効率は47.6%であったがCV1法・CV2法との間に有意差はなかった.CIV療法の血液学的毒性はCV2法と同等でCV1法より有意に強く, 他の副作用に関しては3群ほぼ同程度であった.
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岩崎 正之, 小川 純一, 井上 宏司, 正津 晃, 母里 知之
1990 年 30 巻 2 号 p.
255-259
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌手術後, 外来通院中に膿胸を発症した5例の発症要因について検討した. 発症までの期間は, 初回手術後2カ月から84カ月, 平均33.8カ月で, 全例とも気管支凄による膿胸ではなかった. 初回手術後6年以上たって膿胸を発症した2例と4カ月たって発症した1例は, 過去に放射線肺炎の既往があり, 発症部位に一致して膿胸を発症していることから, 成因の一つに放射線療法の関与も考えられた.
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佐々木 拓子, 忽滑谷 直孝, 西脇 裕, 児玉 哲郎, 黒木 基夫, 西山 祥行
1990 年 30 巻 2 号 p.
261-266
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
腫瘍の長径が1.0cm大の肺小細胞癌の1切除例を経験した. 病巣は既に小細胞癌に特徴的な気管支長軸進展像を示していた-切除時, 肺門部リンパ節 (#11) 転移が認められ, p-TINIMO, Stage IIであった. 術後, 縦隔リンパ節に再発を認めたが, 化学療法, 放射線療法を行い, 術後2年5カ月の現在再発の徴候なく生存中である.
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福瀬 達郎, 康 天志, 奥村 典仁, 桑原 正喜, 鈴木 庸之
1990 年 30 巻 2 号 p.
267-272
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
原発性肺癌組織の間質に骨形成を認めた1例を報告する. 患者は61才, 男性で5年前より胸部に異常陰影を指摘されている. 左肺下葉切除術を施行したところ, 病巣の組織学的検査により原発性の肺腺癌と診断された. しかも, 癌腫の間質結合組織中には多発性の骨形成像が見いだされた. 胸部X線の経過観察所見からも, 原発性肺腺癌組織中に腫瘍の発育に伴って形成された骨組織と考えられた.
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早川 和志, 宮元 秀昭, 林田 良三, 羽田 圓城, 広瀬 敏樹, 鈴木 俊光
1990 年 30 巻 2 号 p.
273-279
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺腺癌によるDMLCの3例を報告した. DMLCは肺癌の集学的治療の効果により延命例が増えるにつれ増加すると思われる. 肺癌症例を診察する際にはこの存在を常に念頭におき, その甲一期診断・治療を心掛けるべきである. 3例ともMTXの髄注により髄液中の腫瘍細胞は崩壊・消失したが, 臨床症状は改善せず予後は極めて不良であった.
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田中 聰, 山本 眞也, 佐藤 明
1990 年 30 巻 2 号 p.
281-287
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
72歳の男性のPulmonary blastomaの一例を報告した. 摘出術後に脊髄浸潤による下半身麻痺と肺転移をきたして60日目に死亡した. 術前に認められた血中AFPの高値とCEAの軽度上昇は術後に正常化したが, CEA値は再上昇し, HCG値とともに異常高値を示した. 腫瘍組織においては酵素抗体法でCEAとHCGが陽性であった. 本症例は血中AFP, CEA, HCGが高値を示したPulmonary blastomaとしては, 本邦における第一報告例と考えられる.
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石田 直, 中村 聡人, 清谷 哲也, 福瀬 達朗, 和澤 仁, 玉田 二郎
1990 年 30 巻 2 号 p.
289-294
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
症例は71歳男性. 左胸水貯溜にて入院した. 胸水検査では細胞診陰性であり診断に至らなかったが胸水ドレナージにより胸膜の不整形肥厚を残して消退した. しかしその後, 胸水再貯溜を繰り返し胸膜肥厚が進行したため悪性中皮腫が考えられたが, 腹部精査により右腎癌が発見され, 胸膜生検により腎癌転移と判明した. 剖検で, 胸膜への広範な播種性病変を主体とする腎癌転移であることが確定した.
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1990 年 30 巻 2 号 p.
295-299
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
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1990 年 30 巻 2 号 p.
300-304
発行日: 1990/04/20
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー