日本接着学会誌
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48 巻, 4 号
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総説
総説
研究論文
  • 岩蕗 仁, 日笠 茂樹
    2012 年 48 巻 4 号 p. 121-126
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    イオウあるいはパーオキサイドによって架橋した天然ゴム(NR)の高次椛造,およびカーボンブラック(CB)の充てんによる構造変化をパルス法 NMR によって評価した。プロトンのスピン-スピン緩和の減衰曲線 M(t) を,ガウス型の減衰の重ね合わせとみなし,計算プログラムによって緩和スペクトルを求め,構造を解析した。重水素化トルエンによって膨潤させた試料のパルスNMR測定を行うことで,構造の差を明瞭にとらえることができた。パーオキサイド架橋したNRは,イオウによって架橋したNRに比べて分子運動が活発な欠陥成分が多いため,引張強度が低くなると推測された。CB充てんによる力学物性の向上は,パーオキサイド架橋系で顕著に見られた。CB充てんによるパーオキサイド架橋 NR の緩和スペクトルの変化は,欠陥成分の減少として現れた。CB充てんによってスペクトルの形状はイオウ架橋NRに近づ〈ことが明らかとなった.
研究論文
  • 古田 陽子, 小池 将人, 山田 雅章, 滝 欽二
    2012 年 48 巻 4 号 p. 115-120
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    接着剤からの新規VOC放散試験法として,けい酸カルシウム板を供試接着剤にて積層接着した試験体を用い,小形チャンバー法 (JIS A 1901)による測定法が日本接着剤工業会で開発されている。本研究では3V0C (トルエン, m一キシレン,エチルベンゼン)を微量添加したエポキシ樹脂接着剤,エチレン酢ビ共重合接着剤を用いて,木質材料(MDF, PB, PW)貼り合わせ試験体を作製しVOC放散測定を行なった。その結果,接着剤の種類,被着材の性質によりVOC放散挙動が異なることが明らかとなった。MDFやPBは材料内部に多数の空隙を持つためVOCが透過しやすく,測定1日目の放散速度は高いがその後急激に減衰する。また,比較として用いたCSBではMDFと同様のVOC放散傾向が見られた。一方,合板は接着層がVOC透過の妨げとなりVOC放散は緩やかだった。
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