日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
48 巻, 2 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
第52回日本老年医学会学術集会記録〈シンポジウム3:認知症予防へのアプローチ~生活習慣病の観点から~〉
第52回日本老年医学会学術集会記録〈Aging Science Forum:エイジングサイエンスのUp-to-date〉
  • 白澤 卓二
    2011 年 48 巻 2 号 p. 120-122
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
  • 南野 徹
    2011 年 48 巻 2 号 p. 123-126
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    糖尿病を含めた生活習慣病は,加齢に伴い発症頻度が増加するが,その機序は明らかではない.通常ほとんどの細胞には分裂寿命があり,一定の分裂後,細胞老化と呼ばれる細胞周期停止状態となる.これまで我々は,このような細胞レベルの老化が加齢とともに進行し,血管老化や心不全など加齢関連疾患の病態生理に関わっていることを報告した.さらに最近,過剰なカロリー摂取に伴って,脂肪組織の老化が進行し,炎症が惹起されることによってインスリン抵抗性が増悪することを明らかにした.これらの結果は,脂肪組織における老化シグナルを標的とした新たな糖尿病治療の開発に繋がるものと思われる.
  • 藤澤 智巳, 池上 博司, 樂木 宏実
    2011 年 48 巻 2 号 p. 127-129
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    加齢とともに増加する糖代謝疾患のより効果的な予防法と治療法の開発にむけて,加齢に伴う変化を臓器レベルで解明することは重要である.しかし,この点をヒトで検証することは困難であり,モデル動物を用いた解析が重要となる.我々はこれまで2種類の近交系自然発症モデルを用いて検討を行ってきた.Nagoya-Shibata-Yasuda(NSY)マウスは年齢依存的にインスリンの抵抗性と分泌障害を呈し2型糖尿病を発症する.本系統の加齢に伴う代謝変化は幼少時のカロリー制限を含む環境因子によって修正しうること,あるいは感受性遺伝子座の糖代謝への影響は週齢によって異なることを明らかにしてきた.Fatty Liver Shionogi(FLS)マウスは非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis;NASH)を発症する.本マウスの肝臓ではVLDL分泌低下による脂質蓄積に引き続き炎症と線維化を来すこと,またこれらの病変はVLDL分泌の鍵となるmicrosomal triglyceride transfer protein(MTP)の肝発現誘導により改善すること,さらに本マウスの耐糖能は時期により2つの相を有しており,6カ月齢まではインスリン感受性の低下に基づき年齢依存的に悪化し糖尿病を発症するが,その後は膵β細胞量とインスリン分泌能の増加による軽快(寛解)がみられることを明らかにしてきた.これらの結果より,加齢に伴う代謝変化はそれぞれ異なった時期に増悪を示す各臓器の機能障害の統合的な総和として発症することが示された.
  • 伊賀瀬 道也, 田原 康玄, 小原 克彦, 三木 哲郎
    2011 年 48 巻 2 号 p. 130-133
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    愛媛大学医学部附属病院抗加齢センター(AAC:Anti-Aging Center)は平成18年2月14日にオープン以来,現在までのべ約1,500名のドックを施行した.研究同意を得られた被検者のデータをもとに動脈硬化関連の研究を行っている.本フォーラムではこれまでわれわれの施設から発表したデータを中心に紹介する.
第52回日本老年医学会学術集会記録〈若手企画シンポジウム1:老化メカニズムに関する最近の話題〉
  • 田中 知明, 横手 幸太郎
    2011 年 48 巻 2 号 p. 134-137
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    正常細胞には分裂寿命があり,一定回数の分裂後に不可逆的な細胞周期停止状態に陥り細胞老化を来すことが知られている.酸化ストレス等のDNA傷害でも,テロメア非依存的に細胞老化を生じる.いずれも「ゲノムの守護神」と呼ばれる癌抑制遺伝子p53の活性化が関与する.一方,iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell)樹立の際にはp53経路がバリアーとして機能することが示され,核初期化と細胞老化シグナルがp53を中心に共通の分子機構によって制御されることが分かってきた.実際にp53-p21/CDKN1A-Rb経路が細胞老化に重要で,逆にp53やp21/CDKN1Aの欠損によりiPS誘導効率が増加する.ところが,単純にp21/CDKN1Aのみを発現させても増殖停止は生じるが細胞老化の形質は完全な姿として誘導されず,対照的にRbだけを欠失させても細胞増殖は亢進するがiPS誘導効率は変化しない.従って,これらの事実は老化の形質獲得や核初期化過程に対し,p53は増殖制御以上の役割を担うことを示唆している.我々はp53による核初期化・細胞老化のメカニズムを明らかにする目的で,線維芽細胞・血管内皮・脂肪前駆細胞からiPS細胞樹立や細胞老化を誘導し,エピジェネティクス・トランスクリプトーム解析を施行している.iPS細胞と老化細胞を対比させたRNA-seq解析では,iPS細胞特異的なNanog・Oct3/4など多能性マーカーの発現を認めると同時に,老化細胞ではp21/CDKN1Aやp16INK4A,老化関連分泌因子(SASP:Senescence Associated Secretory Protein)の有意な発現上昇を認めた.更に新規のnon-coding RNAを多数同定し,ChIP-seqとshRNA解析から一部にp53依存的な発現調節を確認している.他にも,分子間架橋技術を応用した生化学的なp53クロマチン複合体解析から,老化シグナルに関わるエピゲノム制御因子を同定したり,p53転写調節因子として種々の核内構造体構成因子を我々は同定している.これらの結果は,p53によるエピゲノム制御機構が細胞老化・核リプログラミングの分子病態に密接に関係することを意味し,そのプロセスにおいて核内構造体からncRNAを含む多種多様な転写産物調節に至るまで非常に複雑なメカニズムの存在を物語っている.
  • 山本 英一郎, 安田 修, 福尾 恵介, 楽木 宏実, 荻原 俊男, 小川 久雄
    2011 年 48 巻 2 号 p. 138-141
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
  • 林 登志雄
    2011 年 48 巻 2 号 p. 142-145
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
  • 中神 啓徳, Osako Mariana Kiomy, 志水 秀郎, 楽木 宏実, 森下 竜一
    2011 年 48 巻 2 号 p. 146-148
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
原著
  • 栗本 鮎美, 粟田 主一, 大久保 孝義, 坪田(宇津木) 恵, 浅山 敬, 高橋 香子, 末永 カツ子, 佐藤 洋, 今井 潤
    2011 年 48 巻 2 号 p. 149-157
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    目的:高齢者の社会的孤立をスクリーニングする尺度として国際的に広く使用されているLubben Social Network Scale短縮版(LSNS-6)の日本語版を作成し,信頼性および妥当性の検討を行った.方法:総合健診を受診した地域在住高齢者232名に面接式質問紙調査を行い,日本語版LSNS-6とともに,基本属性,主観的健康感,運動機能,既存のソーシャルサポート質問項目,日本語版Zung自己評価式抑うつ尺度(日本語版SDS),自殺念慮等に関するデータを得た.日本語版LSNS-6の内的一貫性についてはCronbach α係数,繰り返し再現性についてはSpearman相関係数,評価者間信頼性については級内相関係数を用いた.構成概念妥当性の検討には先行研究の結果との比較,併存妥当性の検討には日本語版SDSおよびソーシャルサポート質問項目との関連を検討した.結果:Cronbach α係数は0.82,繰り返し再現性に関する相関係数はr=0.92(P<0.001),評価者間の級内相関係数は0.96(95%信頼区間0.90~0.99)であった.日本語版LSNS-6の平均得点は同居世代数が増えるほど高く(P=0.033),自殺の危険性がある群で低く(P=0.026),主観的健康感不良群で低下する傾向(P=0.081)を認めた.日本語版LSNS-6の得点は日本語版SDSと有意な負の相関を示し(P<0.001),ソーシャルサポートに関する5つの質問項目のうち4項目において,ソーシャルサポート「あり」群で日本語版LSNS-6の平均得点は有意に高かった(P<0.05).結論:日本語版LSNS-6の信頼性と妥当性は良好であった.我が国における高齢者の社会的孤立のスクリーニングに日本語版LSNS-6が有用である可能性が示された.
  • 前田 美季, 中村 千種, 内垣 亜希子, 弓庭 喜美子, 内海 みよ子, 志波 充, 三家 登喜夫, 宮井 信行, 有田 幹雄
    2011 年 48 巻 2 号 p. 158-162
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    目的:加齢とともに高血圧の罹患率は増加するが,閉経との関連は明らかではない.女性の加齢及び閉経による血管系に及ぼす影響を明らかにするため,年齢により分類し比較検討した.方法:151名の中高年女性を性成熟期群,移行期群,閉経期群に分類し,身体計測,血圧測定,血液生化学検査,上腕・足首脈波速度(brachial-ankle pulse wave velocity:baPWV),血圧脈波検査(Augmentation Index:AI),内皮依存性血管拡張反応(flow-mediated vasodilation;%FMD),心エコー図検査を実施し,3群間の心・血管系に及ぼす影響を比較した.結果:収縮期血圧は性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に高値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた.baPWVは,性成熟期群に比し閉経期群で有意に高値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた.AIは性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に高値を示した.%FMDは性成熟期群,移行期群に比し閉経期群が有意に低値を示し,血清クレアチニン,推算糸球体濾過値(eGFR),高感度CRPは有意に高値を示した.E/Aは性成熟期群に比し閉経期群,移行期群が有意に低値を示し,移行期群と閉経期群間にも有意差がみられた(いずれもp<0.05).結論:加齢および閉経により血圧の上昇,動脈硬化の進行,血管内皮機能の低下などが認められた.女性の健康管理や心血管イベント防止のためには,年齢に応じたエストロゲンの作用による心血管系の変化を理解することが重要であることが示唆された.
  • 広瀬 貴久, 長谷川 潤, 井澤 幸子, 榎 裕美, 葛谷 雅文
    2011 年 48 巻 2 号 p. 163-169
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    目的:高齢社会を迎え,在宅療養要介護高齢者はますます増加の傾向にある.多くの研究で鬱状態は,これらの高齢者の健康状態に影響がある可能性が指摘されている.今回我々は,鬱状態が要介護在宅高齢者の生命予後,入院に影響があるか検討した.方法:在宅療養中の65歳以上の要介護高齢者(要支援を含む要介護者)を対象とした前向きコホート研究(NLS-FE)参加者で,鬱評価が可能であった1,409名(平均80.1歳,男性489名,女性920名)を3年間フォローし,鬱の程度と死亡の有無,入院の有無を検討した.鬱のスケールはGDS-15,検定にはχ2検定とCox回帰分析を用いた.GDS-15スコア6点以上を「鬱」,11点以上を「高度の鬱」とした.結果:3年間の観察で,死亡は284人(在宅死53人,入院死231人),入院は576人であった.単変量解析で,生命予後と関連を認めたものは,性別,年齢,ADL,Charlson comorbidity index,鬱の存在(GDS-15 0~5点を対照とし,GDS-15 6~10点でハザード比(HR)1.36,95%信頼区間(CI):1.05~1.77,11~15点でHR:1.58,95%CI:1.14~2.20)であった.入院の有無と関連を認めたものは性別,ADL,Charlson comorbidity index,鬱の存在(GDS-15 0~5点を対照とし,GDS-15 6~10点でHR:1.27 95%CI:1.06~1.52,11~15点でHR:1.40,95%CI:1.11~1.77)であった.しかし,多変量解析では,生命予後と性別,年齢,ADL,Charlson comorbidity indexは関連を認めたが,鬱との関連を認めなかった.(GDS-15 0~5点を対照とし,GDS-15 6~10点でHR 1.24,95%CI:0.94~1.63,10~15点でHR:1.43,95%CI:0.95~1.98).同様に入院では,ADL,Charlson comorbidity indexで関連を認めたが,性別,年齢とGDS-15では関連を認めなかった(GDS-15 0~5点を対照とし,GDS-15 6~10点でHR:1.20,95%CI:0.99~1.46,11~15点でHR:1.23,95%CI:0.95~1.59).結論:要介護在宅高齢者において,鬱の存在と生命予後ならびに入院との間に有意な関連を認めなかった.
  • 渡辺 美鈴, 谷本 芳美, 河野 令, 広田 千賀, 高崎 恭輔, 杉浦 裕美子, 河野 公一
    2011 年 48 巻 2 号 p. 170-175
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    目的:閉じこもり予防を支援するために,ひとりで外出できる閉じこもり高齢者の各種歩行能を計測し,閉じこもりに関連している歩行能の特徴を明らかにすることを目的とした.方法:対象者は大都市近郊に在住し,本研究に登録しているADL自立の65~85歳未満の地域高齢者622人(男210人,女412人)である.調査は2008年,2009年の5月に実施した.調査内容は閉じこもりに関するアンケートと6種類の歩行能を測定した.閉じこもりの判定には外出頻度を用い,外出頻度が1週間に1回程度以下を閉じこもり,2~3日に1回以上を非閉じこもりとした.歩行能は通常歩行,最大歩行,Timed Up & Go test,10 m障害物歩行,階段昇降,1日平均総歩数を測定した.結果:閉じこもり率は男性10.0%,女性8.5%で性差や年齢差は認められなかった.閉じこもりは非閉じこもりと比べて,男性では最大歩行,Timed Up & Go test,1日平均総歩数,女性では通常歩行以外の歩行能が有意に低い状態にあった.各歩行の中で閉じこもりと関連するのは,男性では障害物歩行(オッズ比2.49),女性では通常歩行以外の全ての歩行と関連し,特に障害物歩行は4.77と高いオッズ比を示した.男女とも,障害物歩行と強い関連性が認められた.結論:外出可能な高齢者の閉じこもりは非閉じこもりと比べて,男女とも通常歩行速度は同じであるが,認知や高度な動的バランス維持能力を必要とする障害物歩行に低下があることが明らかになった.
症例報告
  • 加藤 丈陽, 川本 龍一, 楠木 智
    2011 年 48 巻 2 号 p. 176-179
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    Howship-Romberg徴候を坐骨神経痛として見過され,イレウスを発症し診断された右閉鎖孔ヘルニアの一例を報告する.症例は88歳女性で3年前より右大腿部痛があり,整形外科にて坐骨神経痛と診断されていた.2009年7月食欲不振を主訴に入院.翌日右大腿部痛の増強及び下腹部痛が出現したため腹部超音波検査を行ったところkey board signを認めた.イレウスと診断,イレウス管を挿入し減圧をしたところ改善した.イレウス管抜去後右大腿部痛が再出現.また,大腿径に左右差が見られたためヘルニアを疑い造影CTを行ったところ恥骨筋と閉鎖筋に挟まれた領域に腸管の嵌頓所見を認め手術適応と判断した.開腹してみると回腸末端から約15 cm口側の回腸が右閉鎖孔に嵌頓しており嵌頓腸管を切除した.術後イレウス症状,右大腿部痛は消失した.原因不明の右大腿部痛やイレウス症状が高齢者にみられた時は,閉鎖孔ヘルニアを念頭に置くべきである.
  • 伊藤 勇, 三浦 淳
    2011 年 48 巻 2 号 p. 180-184
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    症例は78歳,男性.糖尿病,認知症にて近医通院中であり,糖尿病は約10年前に指摘され,食事療法と経口血糖降下薬によってHbA1c 6%台の血糖コントロール状態であった.2008年7月3日より発熱出現し,当院救急搬送され入院となった.入院後,右下葉肺炎から右膿胸に移行したが,抗生剤投与及び胸腔ドレナージにより軽快した.10月より再び発熱及び炎症反応の上昇を認め,CT検査にて右横隔膜下膿瘍を認めた.右横隔膜下膿瘍については,抗生剤投与にて軽快した.11月初旬より発熱及び腰痛を認め,CT検査にて左腸腰筋膿瘍を認めた.左腸腰筋膿瘍については,抗生剤単独投与では改善されず,膿瘍の更なる増大を認めた.10月下旬に左大腿静脈から挿入した中心静脈カテーテルからの感染を考慮し,11月下旬,カテーテルを抜去した.その後左腸腰筋膿瘍の急速な縮小を認め,炎症反応も改善し,腰痛も認めなくなり,2009年1月退院となった.高齢者で認知症を認める場合,挿入手技に伴う合併症の少ない大腿静脈からカテーテルを挿入せざるを得ないことも多い.しかし,大腿静脈カテーテル留置は,易感染性であり,発熱の原因となりうることをたえず考慮し,発熱が続く場合は,躊躇せずに早期にカテーテルを抜去することが必要であると考えられた.
  • 矢野 宏行, 角田 美佐子, 大西 哲郎, 水野 重芳, 鯉渕 仁, 木川 好章, 鈴木 達也, 中野 博司, 大庭 建三
    2011 年 48 巻 2 号 p. 185-189
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/15
    ジャーナル フリー
    症例は82歳,男性.アルツハイマー型認知症,本態性高血圧,前立腺肥大症にて認知症専門病院に入院中.入院後10カ月時に左肩関節の腫脹,左上腕に皮下血腫を認め,同時期に貧血を認めた.消化器症状や便潜血は認めずHb 4.6 g/dl まで低下し,背部,前胸部にわたり皮下血腫が出現した.内服薬に貧血や凝固異常の副作用はなかった.APTT 83.1 sec,第VIII因子活性1%未満(基準値:78~165%),第VIII因子インヒビター18.5 BU/ml (基準値:1.0% BU/ml 以下)より後天性血友病と診断した.経口ステロイド,第VIII因子製剤の補充による併用療法を行い,出血症状は改善をみせたが,経過中に細菌性肺炎を合併し永眠された.後天性血友病は100万人に1人の発生率と極めて稀であり,報告する.
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