水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
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23 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著論文
  • 石原 幸司
    原稿種別: 原著論文
    2010 年 23 巻 2 号 p. 118-128
    発行日: 2010/03/05
    公開日: 2010/04/08
    ジャーナル フリー
    L-momentsを用いた地域頻度解析を都道府県別(北海道は支庁別)に適用することで,アメダス地点における年最大日降水量の30年確率値の算出を行った.その結果,SLSCや安定度を用いる既存手法によって算出された同確率値とはほぼ近い値が得られた.また,非超過確率の理論値に基づく検証を行った結果,地域頻度解析を用いた方がより理論値に近い確率値が得られる可能性が高く,その有効性が確認された.
  • 竹村 吉晴, 福岡 捷二, 浅見 和人
    原稿種別: 原著論文
    2010 年 23 巻 2 号 p. 129-143
    発行日: 2010/03/05
    公開日: 2010/04/08
    ジャーナル フリー
    河道渓谷部や山間狭隘区間に小規模な発電ダムが数多く建設されている河川がある.このような発電ダムについても,治水上の観点からその効果を調べ,連携運用のあり方を検討していくことが必要と考えられる.そのためには,小規模発電ダムが連続する河道における洪水流の挙動についての理解が不可欠である.本研究では,阿賀野川中流域の連続する貯水池における洪水時の観測データを分析し,対象区間において行った一次元不定流解析の結果から,発電ダムのゲート操作が貯水池における洪水流の水面形の時間変化及び流量ハイドログラフに与える影響を示す.さらに,小規模発電ダム群設置前の河道において洪水流解析を行い,発電ダム群の設置前と後での解析結果の比較から小規模発電ダム群の洪水流の貯留について検討を行った結果を報告する.
  • -国際河川紛争解決要件に関する-考察 -
    田中 幸夫, 中山 幹康
    原稿種別: 原著論文
    2010 年 23 巻 2 号 p. 144-156
    発行日: 2010/03/05
    公開日: 2010/04/08
    ジャーナル フリー
    本稿では,中東に位置するティグリス・ユーフラテス川流域を事例に国際河川紛争の解決要因の検討を行う.同流域では主にトルコ・シリア・イラクによる水争いが20世紀後半以降顕在化し,流域国間での合意形成が幾度にもわたって試みられたが,いずれも不調に終わり,現在に至っている.このような膠着状態を脱却する要件として,本稿では「イシューのパッケージ化」に着目した.特定の争点の妥協を誘引するためにその他の争点を交渉に導入する(イシューをパッケージ化する)という手法は意識的または無意識的に様々な資源交渉もしくは国際交渉の場で行われている(本稿では米国とメキシコの間のコロラド川水質汚染問題におけるイシューのパッケージ化を例示した).ティグリス・ユーフラテス川の事例においても,流域国間でトレードオフが可能な争点としてエネルギー,国境貿易および経済開発,民族(クルド人)問題などが挙げられた.これらを水資源配分の問題と合わせて流域国間交渉に導入することにより,流域国の協調が達成可能となることが期待される.
解説
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