組織科学
Online ISSN : 2187-932X
Print ISSN : 0286-9713
ISSN-L : 0286-9713
33 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
特集
自由論題
  • 高尾 義明
    1999 年 33 巻 2 号 p. 79-87
    発行日: 1999年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     組織が成員のふるまいに還元できない集合的行為主体として選択を行っているという了解の成立を,成員のふるまいが組織の選択として関連づけられる組織コンテクストの編成という観点から検討する.
     まず,日本の企業組織において「職場」が組織コンテクストとして機能しているメカニズムを上位権威の制度化と比較しながら明らかにする.続いて,日本型の組織コンテクスト編成を社会文化的進化という見地から理論的に考察する.最後に,電子メディアの導入との関係から日本型の組織コンテクスト編成の今後の展望を示す.
  • 桑嶋 健一
    1999 年 33 巻 2 号 p. 88-104
    発行日: 1999年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     従来,医薬品の研究開発は,組織的なマネジメントの問題ではなく個人能力の問題であるとみなされることが多かった.そのため既存研究では,研究開発プロセスにおける組織能力やその企業間差異については十分明らかにされていない.本稿では,日本の大手製薬企業を対象とした調査および公表データをもとにした統計分析より,医薬品の臨床開発段階においては,「go or no-goの判断能力」と「プロトコル・デザイン能力」が重要な組織能力であり企業間で差異が見られること,さらにそれらが研究開発パフォーマンスに影響を与える可能性があることを示す.
  • ――ポケットベルを事例として――
    松井 剛
    1999 年 33 巻 2 号 p. 105-115
    発行日: 1999年
    公開日: 2022/07/27
    ジャーナル フリー
     本稿では,1993年~95年にかけて国内で発行された雑誌の内容分析を行い,ポケットベルについて複数の社会集団が当時共有していたと思われる捉え方(これを本稿では「社会的定義」と呼ぶ)を測定する.そこで明らかになったのは,接触・使用経験がより深い社会集団ほど,ポケットベルの社会的定義の多様性がより高い,ということである.本稿では,こうした違いが生じる理由を考察する.
feedback
Top