組織科学
Online ISSN : 2187-932X
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31 巻, 2 号
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特集
自由論題
  • 長瀬 勝彦
    1997 年 31 巻 2 号 p. 60-78
    発行日: 1997年
    公開日: 2022/07/22
    ジャーナル フリー
     この報告の目的は,競争的状況下におけるリスクを含む連続意思決定について,合議決定と個人決定を動態的に比較分析することにある.被験者212名を対象にした実験の結果,いくつかの事実発見があった.強気の意思決定が高いパフォーマンスをもたらすポジティブ・フィードバックが続くと,個人群よりも2人合議群,4人合議群と人数が多い方がよりリスク・シーキングな意思決定を下すようになった.また,弱気の意思決定が高いパフォーマンスにつながるネガティプ・フィードバックが与えられると,逆に人数が多いほどリスク・アバースに振れた.全体的に,環境からのフィードバックに対しては個人よりも小集団合議のほうが敏感に反応し,またその反応は単純であると考えられる.この結果は,選択シフト,プロスペクト理論,エスカレーティング・コミットメント,組織の慣性等の諸理論に新しい論点を提供する可能性がある.
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