企業をとりまく利害要求主体は,どのようにその諸要求を提示し,彼らの諸要求間の,企業をめぐるバーゲニングはどのように展開されるのか.そして調整者・裁定者としての経営者の能力と資格はどのように保証されるのかをあきらかにする.
その上で米国企業における株主代理人としての経営者,日本企業における従業員代表としての経営者が,それぞれの利害関係で果してきた役割を確認する.最後に資産格差の拡大が,戦後の日本企業の利害関係,さらにその生産構造と分配構造の相互調和的な関係に重大な亀裂を生み出しつつあること,そして日本経営の重大な転機を醸成していることをあきらかにする.
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