組織科学
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24 巻, 3 号
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特集
  • 岡本 康雄
    1991 年 24 巻 3 号 p. 2-17
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     企業をとりまく利害要求主体は,どのようにその諸要求を提示し,彼らの諸要求間の,企業をめぐるバーゲニングはどのように展開されるのか.そして調整者・裁定者としての経営者の能力と資格はどのように保証されるのかをあきらかにする.
     その上で米国企業における株主代理人としての経営者,日本企業における従業員代表としての経営者が,それぞれの利害関係で果してきた役割を確認する.最後に資産格差の拡大が,戦後の日本企業の利害関係,さらにその生産構造と分配構造の相互調和的な関係に重大な亀裂を生み出しつつあること,そして日本経営の重大な転機を醸成していることをあきらかにする.
  • 田村 正紀
    1991 年 24 巻 3 号 p. 18-27
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     経済が豊かになる一方で,消費者不満も増加している.その原因の一つは消費者の生活者指向にメーカーのマーケティングが十分に適応していない点にある.この状態を改善するには,生活者指向や消費者満足のコンセプトを理解するとともに,マーケティング情報システムを再構築する必要がある.
  • ――その現実と展望――
    小川 英次
    1991 年 24 巻 3 号 p. 28-39
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     今日,日本の下請組織はその実績によって世界の注目を集めている.そこで本稿では第二次世界大戦後に下請組織の辿った経過を振り返り,さらに現状を分析する.分析の結果によれば,いまでは下請組織に親と下請の対等な関係が現われつつある.それでは将来はどうか展望してみると,技術と市場の変化さらには高度情報化社会の実現によって,相互信頼に基づく強度にタイトな日本の特徴とした恒常的取引関係は一部見直しを迫られるだろう.
  • ――社会的ジレンマ論の視点から――
    舩橋 晴俊
    1991 年 24 巻 3 号 p. 40-49
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     環境問題についての資源配分の歪みは,私有財と集合財のあいだの配分の歪みが,社会的ジレンマの論理を通して,世代間,地域間,社会集団間の分配の歪みと絡まりあう形で生じている.市場メカニズムと成長政策は,「市場の失敗」と「行政の失敗」を通してこれを加速している.このような配分の歪みを脱出するためには,「循環再生型・自給型」社会の形成が必要であり,市場と行政を社会運動によって対抗的に補完すべきである.
  • ――人間生存のための戦略――
    西山 忠範
    1991 年 24 巻 3 号 p. 50-57
    発行日: 1991年
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー
     人間生存のための未来への戦略として,利害関係構造論を社会科学の一般理論として位置づけることを試みる.人間とその集団をめぐる組織的な利害に「正義」との関係で照明を当て,主要な利害関係である支配と闘争の相関的な構造を人間の文明の源泉としての「戦争」を契機として明らかにする.
     ついで,利害関係の主要なモデルとしての自然と文化,自由と平等,平和と繁栄などについて,「女と男」,「資本主義と社会主義」,「江戸の日本と戦前の日本」を材料として,それぞれの対立と補完の関係を指摘し,その止揚を企図する.
自由論題
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