組織科学
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49 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集
  • 本庄 裕司
    2015 年 49 巻 1 号 p. 4-18
    発行日: 2015/09/20
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル フリー
     本稿では,日本のスタートアップ企業を対象に,資本構成に注目した分析を試みる.スタートアップ期の重要な外部金融であるデットファイナンスに焦点をあて,資本構成の経年的な変化を示す.検証結果から,スタートアップ企業は,設立後にエクイティファイナンスよりもデットファイナンスを相対的に増加させることを明らかにした.あわせて,簡単な動学パネルデータモデルを用いて,スタートアップ企業のデットファイナンスの決定要因を分析する.推定結果から,キャッシュフローの小さい企業,成長率の高い企業,固定資産比率の高い企業ほど,デットファイナンスを増加させており,また,資本構成は過去の資本構成に依存することを示した.
  • 蟻川 靖浩, 宮島 英昭
    2015 年 49 巻 1 号 p. 19-31
    発行日: 2015/09/20
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル フリー
     高度成長期から石油ショック後にかけてメインバンクは,日本企業の資金調達及び企業統治において中心的役割を担ってきた.しかし,1980年代の規制緩和の進展や1990年代の銀行危機,その後のメガバンクの設立などを経て,企業・銀行関係は多様化が進展している.本稿では,20世紀の企業・銀行関係,とりわけメインバンク・システムをめぐる歴史と,近年の企業・銀行関係の実態を展望する.
  • 芹田 敏夫, 花枝 英樹
    2015 年 49 巻 1 号 p. 32-44
    発行日: 2015/09/20
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル フリー
     本稿では,日本の上場企業を対象に行った財務政策に関するサーベイ調査のうち,投資決定評価手法,企業内の投資資金配分,資金調達,現金保有と流動性管理,ペイアウト政策,財務意思決定の権限委譲について,質問への回答内容とその分析結果を一部紹介する.そこから垣間見られる日本企業の財務政策の特徴を一言で述べると,将来の不確実性やリスクに対処する形でさまざまな財務政策が検討されているという点があげられる.
  • 森川 正之
    2015 年 49 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2015/09/20
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル フリー
     本稿は,無形資産投資のファイナンスに関する研究をサーベイするとともに,日本企業のパネルデータを用いて投資関数を推計し,無形資産投資における資金制約について実証分析を行う.推計結果によれば,無形資産投資は設備投資以上に内部資金に依存する傾向が強く,金融市場における市場の失敗の存在が示唆される.こうした資金制約は,若い企業,中小企業で顕著である.以上の結果は,過小投資を避けるため,無形資産投資に対する政策税制や金融面の措置を検討すべきことを示唆している.
自由論題
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