日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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47 巻, 2 号
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総説
総説
研究論文
  • 浦濱 圭彬, 佐々木 眞利子, 加藤 陽介, 伊東 慶子, 中村 吉伸, 岸 肇
    2011 年 47 巻 2 号 p. 46-52
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    パルス法NMRの測定で得られる FID signal は高分子物性に関する情報が非常に多いデータである。この FID signal を直接数値微分することにより緩和スペクトルを求めるプログラムの作成を行ってきた。今回,我々はスチレン系ブロックポリマーについてパルス法 NMR と動的粘弾性 (DMA) の測定を行い,緩和スペクトルと DMA の温度分散との関係を解析した。その結果,次のことが明らかとなった。 (1) -50℃から0℃の低温域では緩和スペクトルのピーク時間が大きくシフトする温度領域と,損失弾性率E''が変化する温度域が同じである。これらはともに高分子の流動性の変化を測定していることになる。 (2) 100℃付近の40µs以下の緩和スペクトルは,PSブロックがハード相として存在していることを示している。同温度域の DMA と比較すると,SI ジブロック含量の多いポリマーは PS ドメインを形成したまま流動していると考えられる。
技術論文
  • 中島 章典, 齊藤 誠, 日野 秀幸, 西 健治, 鈴木 康夫, 小高 暁
    2011 年 47 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    接着剤を用いた鋼部材の接合には,面接合による接合部の応力分散,振動減衰など,ボルト接合などにはない利点がある。しかし,施工条件による接着強度のバラツキなどの不確定要因により,現状では鋼構造物への接着剤の適用は少ない。本研究では,鋼部材接着接合部を有する引張試験体,引張せん断試験体,曲げせん断試験体を用いて,基本的な静的強度特性を確認している。接着剤には,エポキシ接着剤およびアクリル接着剤の2種類を用い,引張せん断試験では,1面せん断試験および2面せん断試験を実施している。各試験においては,載荷荷重の他,鋼板のひずみや,鋼板間の相対変位を計測し,破壊性状に加えて,変形挙動を確認している。その結果,1面せん断試験および曲げせん断試験時には,接着部が曲げを受け,接着面に垂直な引張が生じるため,そのせん断強度は,2面せん断試験時のせん断強度に比較して低下することを確認している。
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