水文・水資源学会誌
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14 巻, 4 号
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  • 宇多 高明
    2001 年 14 巻 4 号 p. 265-266
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 趙 景峰, 長島 秀樹
    2001 年 14 巻 4 号 p. 267-276
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    ボステン湖の水位の季節的な変化には,本地域における水利用・土地利用及び環境の変化が直接関係している.本研究は,1983年3月~1984年2月における気象・水文の資料を用いて,ボステン湖の季節別蒸発量を計算するとともに,水収支の式により,湖へ流入出する地下水の季節変化を推測した.この結果によると,この1年間で湖水の蒸発量は9.31×108m3であり,春に最も多く,年間蒸発量の35.4%に達し,夏季,秋季,冬季にはそれぞれ33.0%, 19.4%, 12.2%となっている.また,植生地域からの蒸発散量・利用される灌漑用水の季節的な変化は湖水と地下水との間の水量交換に影響を与えることが明らかとなった.この1年間にボステン湖へ流入した正味の地下水量は0.51×108m3であり,暖候季(6~10月)には湖から流出し,寒候季(11~12月,1~5月)には湖に流入することがわかった.
  • 橋本 博文, 鈴木 雅一, 樋口 篤志
    2001 年 14 巻 4 号 p. 277-288
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    タイを対象として雨季と乾季の季節変化に対する地表面湿潤度とフェノロジーの時間的応答を調べた.使用するデータとして,USGSからGlobal Land 1-km AVHRR Data Setを,NCDCから気象ステーションのデータを得た.広域のフェノロジーの情報はNOAA/AVHRRデータから算出したNDVIから得た.またVI-Ts法を用いて地表面湿潤度の季節変化を得た.そして,降水量,地表面湿潤度,そしてNDVIの時系列との間で比較を行なった.その結果,乾季から雨季へ移る期間において,十分な降雨が認められた日(124±21DOY),地表面が十分に湿潤になる時期(123±53DOY),更に植物の成長や活性が高まる時期の時間差が認められた.地表面が十分に湿る日に関しては土地被覆の違いによる時間差は認められなかったが,植物の成長や活性が高まる日に関しては森林(153±43DOY)と農地(170±46DOY)の間に時間差が得られた.一方,NDVIの変化からみて雨季から乾季へ移り変わる時期は,農地と森林の変化に差が見られた.農地では乾季に入ってすぐに変化が見られる一方,森林ではしばらくして生じる地上面湿潤度の低下につれてNDVIの変化が生じることがわかった.
  • 広田 知良, 福本 昌人, 城岡 竜一, 山田 一茂
    2001 年 14 巻 4 号 p. 289-297
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    顕熱の交換係数はバルク法による顕熱と潜熱の推定にとって重要なパラメータの一つであり,またバルク法と組み合わせた熱収支法による地温の推定にとっても重要である.顕熱の交換係数は通常,風速の関数として扱われる.しかし,目的の場所における風速データを用いることができない場合,他の観測地点の風速データから目的の場所の正確で代表的な風速を推定することは,風速が周辺の影響を受けるため容易ではない.そこで,本研究では風速を用いない場合の裸地面の顕熱輸送量および地温の推定精度について調べた.これは顕熱の交換係数を一定値として扱うことを意味する.また,顕熱の交換係数をフラックス観測値を用いないでパラメータ化した場合の推定についても調べた.風速を用いない場合の日平均顕熱輸送量の推定誤差は大きく,風速を用いた場合の二乗平均平方誤差(RMSE)が10.5Wm-2に対して風速を用いない方は18.3Wm-2であった.しかし,月の積算顕熱輸送量になると風速を用いない場合と用いた場合の両者はほぼ同じ結果となり,両者の二乗平均平方誤差(RMSE)は共に5Wm-2であった.そして数日から数十日間の風速を用いない積算顕熱輸送量の推定値は観測値と良く一致した.理論的解析とフラックス観測値を用いない裸地面での顕熱交換係数のパラメータの結果を考え合わせると,この結果は裸地面の積算顕熱輸送量はルーチン気象観測データからしかも風速を用いないで推定できるということを示している.日平均地温についても広田ら(1995)の方法を用いて風速を用いた場合と用いない場合の推定をし,両者の推定精度はほぼ同じであることを示した.この結果は,たとえ,風速データを用いなくてもモデルは日平均地温を精度良く推定できることを示している.
  • モハマッド サイドゥザマン カマル, 天谷 孝夫, 西村 直正
    2001 年 14 巻 4 号 p. 298-306
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    低平沖積農地は,これまでしばしば汚水の停滞,降雨,河川氾濫などの諸要因による手ひどい水質や排水問題を被ってきた.本研究は,主に小規模排水処理システムの稼働後の時間経過において,家庭雑排水質の変化が排水路水質に与える変化を調査した結果である.調査地は,岐阜県高須輪中の平田町に設けた.輪中は,堤防で囲まれた農業地域である.平田町には有名な観光地であるお千代保稲荷があり,多数の観光客による汚濁負荷が顕著である.よって,これら家庭雑排水による汚濁負荷の増減の実状を明確にするため,排水路網における流入・流出状況を加味しつつ,調査地内の排水路に13測定ポイントを設置し,各月毎に諸水質パラメータに関わる汚濁負荷を測定した.その結果,集落からの汚濁負荷が多い場合には処理施設の効果で年々減少する傾向を示し,今後供用率が高まればさらに排水路水質が改善されていくと思われた.しかし,当該地域の末端排水路の水質は過去5年間で改善がみられず,今後は総合的な改善への努力が必要と考えられた.
  • 松田 誠祐, 大年 邦雄, 藤原 拓, 祁 永強
    2001 年 14 巻 4 号 p. 307-316
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2010/02/10
    ジャーナル フリー
    著者らは,これまでの研究において降水の時間集中度を表す水文特性量を解析し,これを用いて確率1時間降水量の推定が可能であることを示した.本研究では,対象を日あるいは24時間降水量に拡張し,1976年から1998年までの23年間の日本全域のアメダス降水量を対象として降水の時間集中度を解析した.この水文特性量を正規化する際,10日程度の長さが代表時間として適当であることを示した.また,1時間および24時間を単位時間にとってそれぞれの確率推定式の係数を提示するとともに,それを用いて1998年高知豪雨の確率規模を評価した. 従来の確率推定法と比較するため,個別観測点の年最大単位時間降水量の確率分布を再現する方法を論述し,高知の年最大降水量について例示した.また,日本全域のアメダス観測点に適用し,約84%の観測点において平均相対誤差10%以下の適合性を示すことを確認した.ここで提案した正規変換式の係数を用いて,個別観測点の年最大降水量の確率分布を簡単に推定できる.
  • 牛山 素行
    2001 年 14 巻 4 号 p. 317-322
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 山敷 庸亮
    2001 年 14 巻 4 号 p. 323
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 中村 正久
    2001 年 14 巻 4 号 p. 324-331
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
    2003年3月,第3回世界水フォーラムが琵琶湖淀川流域府県を主催会場として開催されることになり,21世紀の淡水資源問題をめぐる我が国のイニシアティブに対する期待が高まっている.「人のための水」,「食料のための水」,「水と自然」,「川の水」,「水と国家主権」などの課題群について議論され,2000年3月の第2回フォーラム(ハーグ)で採択された「世界水ビジョン」については,今度はそれを実現するための財政支援や技術的対応の枠組みが重要な議題になるはずである.一方,ビジョンの重要な主張であった「水の経済財化」や「水事業民営化」などに関しては,世界銀行や国連機関の認識と環境NGOや人権NGOの認識との間の深い溝がそれはそのまま積み残しとなっており,厳しいやりとりが展開するものと予想される.また,[人],「自然」,「川」,「主権」,「流域」などの課題全が含まれて一つのシステムを構成する統合的なビジョンのあり方に関しても必ずしも十分な議論が行われたとは思えない.たとえば,世界の大多数の湖沼がかかえる開発と保全の極めて厳しい競合状態については関係機関の連携を含めて積み残しの課題であり,問題解決の展望を示す踏み込んだ議論が期待される.
  • 山中 敦子
    2001 年 14 巻 4 号 p. 332
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
  • 田中 広樹
    2001 年 14 巻 4 号 p. 333
    発行日: 2001/07/05
    公開日: 2009/10/22
    ジャーナル フリー
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