日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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44 巻, 9 号
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研究論文
  • 鈴木 克彦, 杉浦 昭夫
    2008 年 44 巻 9 号 p. 349-355
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,エポキシ樹脂の硬化反応メカニズムについて解析し,室温で硬化時間を短縮しつつ,耐熱性も向上させる方法を見出した。その手法として,著者らはまず分子シミュレーションで活性化エネルギーを算出し,熱板法で硬化時間を確認し,これらの間に相関がある事を確認した。次に付加重合反応の活性化エネルギーと比較して,単独重合反応の活性化エネルギーが低くなる硬化剤と触媒の組合せである材料ほど架橋密度が上がることを分子シミュレーションで予測し,粘弾性測定によって架橋密度(架橋点間分子量)や耐熱性の一指標であるガラス転移点(Tg)が向上する事を確認した。更にその理論に基づき,耐熱性と室温短時間硬化を両立する接着剤を開発した。
研究論文
  • 中村 吉伸, 五島 卓海, 本田 裕彰, 神山 真理子, 中俣 武士, 藤井 秀司, 飯田 健郎, 永田 員也
    2008 年 44 巻 9 号 p. 341-348
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    メルカプト基を含有するシランカップリング剤によるガラスビーズの表面処理を行って単分子層以上の被覆層を形成させた粒子を作製し, これを充てんした加硫ポリイソプレンゴムの力学特性を検討した。シランカップリング剤は, アルコキシ基の数が2と3のものをもちい, 被覆量は単分子層被覆に必要なシランの量 の約2倍から9倍の範囲で変化させた。シラン処理によって応力が向上し, アルコキシ基の数が3より2の場合の方が効果が高かった。アルコキシ基の数が3の場合は被覆量の影響が見られなかったが, 2の場合は被覆量とともに応力が上昇して単分子層被覆に必要なシランの量の約5倍で最大値を示し, それ以上では低下した。シラン処理したガラスビーズと未加硫のポリイソプレンの室温での混合物を作製し, テトラヒドロフランによる抽出試験を行った。その結果, 抽出されなかったポリイソプレンの量は, 力学特性の応力の大きさの傾向とよく一致していた。シラン処理によるゴムの補強性の向上には, 粒子/マトリックスの界面領域におけるシラン鎖のマトリックスへの広がりが重要であることがわかった。
研究論文
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