日本接着学会誌
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38 巻, 3 号
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総説
技術論文
  • 松村 智行, 高橋 龍史, 永田 員也, 越智 光一
    2001 年 38 巻 3 号 p. 78-84
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    エポキシ樹脂にアルミニウムアルコキシドをin-situ重合させて得られたアルミナ含有量の異なるエポキシ/アルミナハイブリッド体の相構造及び熱的・力学的性質について検討した。またこのハイブリッド体に導電性フィラーを共存させた系の導電率とその温度依存性についても検討した。このハイブリッド体では,アルミナを含む微細な分散相がエポキシマトリックス中に均一に分散している様子が透過型電子顕微鏡(TEM)により観察された。動的粘弾性挙動においては,少量のアルミナとのハイブリッド化でエポキシ樹脂のtanδピークの高温への移動および面積の減少が観察され,高温域での弾性率が大幅に改善された。これはハイブリッド化によりエポキシ網目鎖の可動性が抑制されたためであると考えられる。このようなハイブリッド体に導電性フィラーを添加した系では,高温域での導電率の低下が観察されなかった。これはアルミナとのハイブリッド化によって網目鎖の運動性が抑制され高温域でも硬化物の自由体積の増加が非常に小さいためと考えられる。
  • 志村 穣, 平島 健一
    2001 年 38 巻 3 号 p. 85-91
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    接着層を有する積層片持ちはりに衝突による準静的衝撃荷重が作用する場合の応力応答特性を有限要素法(DYNA3D)により三次元弾性解析を行った。接着界面の応力伝播および応力分布に及ぼす被着体の縦弾性係数,被着体の厚さ,衝突速度および積層数による影響を検討したところ,以下の結果が得られた。(1)接着層における最大主応力σ1の値は接着界面で最大となり,はりの長手(X軸)方向の応力成分σxが支配的となる。(2)上部被着体の縦弾性係数E1を大きくすると,接着界面の最大主応力σ1の値が大きくなる。(3)上部被着体の厚さt1を大きくするほど,接着界面の最大主応力σ1の値は小さくなる傾向がある。(4)最大主応力σ1の値は衝突速度に比例するが,応力分布に変化はない。(5)積層数を変えても,分布状況および最大主応力lの最大値に大差は見られない。(6)接着積層片持ちはりの被着体のひずみ応答に関する実験を行い,実験結果と解析結果にはよく一致する傾向が認められた。
  • 倉持 智宏, 土屋 好弘, 橋本 和彦
    2001 年 38 巻 3 号 p. 92-96
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2014/08/31
    ジャーナル フリー
    ポリヘキセン-1(PHX)をベンゼン溶液中,過酸化ベンゾイルを用い,無水マレイン酸(MAH)による化学修飾を行った。得られた変性PHX(m-PHX)のMAHのグラフト率はFT-IRで分析したところ1.0〜6.7%であった。グラフト率1.6%のm-PHXをアルミニウム板の接着に用いたところ,せん断接着強さは0.53MPaであった。この数値はクロロプレンゴムの0.29MPaより高かった。これはPHXにMAHをグラフトすることによってm-PHXとアルミニウム板の親和性が向上し,接着性が高くなったと考えられる。
研究論文
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