日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
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46 巻, 3 号
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総説
総説
研究論文
研究論文
  • 橘 熊野, 南島 美沙, 上田 重雄, 妹背 隆雄, 前田 拓也, 沖見 龍二, 前田 育克
    2010 年 46 巻 3 号 p. 101-108
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,ポリ乳酸(PLA)にエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)およびタルクを加えることで改質PLA樹脂を作成し,ウレタン及びカシュー塗料を用いて改質PLA樹脂試験片表面に塗膜を形成した。試験片の表面前処理と結晶化処理が塗膜密着性と塗膜硬さに及ぼす影響をJIS試験及び拡大観察によって,評価検討した。その結果,EVAとタルクとの相乗効果によって塗膜密着性が向上することを明らかにした。また,塗膜を形成した後の耐アルカリ性評価を行い,PLA製品の耐久性向上のために塗膜形成が有効であることを示した。
研究論文
  • 岡澤 重信, 前田 和久, 西口 浩司, 中尾 賢司
    2010 年 46 巻 3 号 p. 85-92
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    粘着剤の力学特性の中でも最も基本的な粘弾性特性に着目して,その大変形挙動をオイラー型解法でシミュレーションするための手法について述べる。物体の大変形を数値シミュレーションするためには,計算メッシュを物体の変形に追従させるラグランジェ型解法と計算メッシュを空間に固定して物体を変形させるオイラー型解法の2つがある。これまで粘着剤の変形解析には主にラグランジェ型解法が用いられてきたが,計算メッシュの歪みから大変形領域ではシミュレーション不能となる場面が多くあった。本報では粘弾性体の大変形解析に対してオイラー型解法を適用することにより,これまで困難であった大変形シミュレーションが可能となることを例題計算を通して示す。
  • 熊谷 隆秀, 北村 真一, 山田 英介, 稲垣 愼二, 曽根 曽根
    2010 年 46 巻 3 号 p. 93-100
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2014/06/30
    ジャーナル フリー
    ハードセグメント含量の異なる熱可塑性ポリウレタンエラストマー(PUE)をプレポリマー法のバルク重合で合成した。ソフトセグメントにポリオキシテトラメチレングリコールおよびハードセグメントに4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートと1,4-ブタンジオールをそれぞれ用い,モル比を変えて高ハードセクメント含有量PUEを得た。複合物は,高純度フラーレン粉末をPUEに2本ロールにて混練する方法で調製し,アニーリング温度を変えた複合物の諸物性を測定し,構造との関係を検討した。引張物性に対してフラーレン添加量が100ppm(W/W) 程度から添加効果が認められ,特に高ハードセグメント含量PUEほど,300%伸張以上に発現する分子鎖の伸張配向による伸び切り効果が顕著となった。さらに,この効果は,アニーリングの温度によっても影響を受けることが分かった。熱分析および動的機械分析の結果から,フラーレンの添加は,PUEのハードセグメントに選択的に作用し,物性が変化することが分かった。この様な少量添加では,加工性および成形性等に影響せず,ポリウレタンの有用な工業的改質法と言える。
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