Journal of UOEH
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23 巻, 1 号
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  • 姫野 悦郎, 西野 憲史, 南里 宏樹, 岡崎 哲也, 小松 龍史, 池田 正春
    原稿種別: 原著
    2001 年 23 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    肥満者において心血管危険因子を改善させるための減量は重要である. 我々は, 無酸素性代謝閾値(At; anaerobic threshold)に相当する強度の運動と食事療法を組み合わせた12週間の減量プログラムを実施し, その際食事および運動指導がそれぞれ体重減少や血清脂質の改善にどの程度関与するかにつき評価を試みた. 対象は, BMI(body mass index)が26kg/m2以上の肥満者23名(男性19名, 女性4名). 運動指導の評価にrelative training timeを, 食事指導の評価にdiet scoreをそれぞれ設定し, 運動および食事が体重減少率や血清脂質の改善に及ぼす効果を調べ運動と食事の役割を評価した. その結果, 運動と食事の組み合わせによる減量プログラムは, 体重減少ばかりでなく血清脂質も改善させ, relative training time, diet scoreは運動および食生活の習慣の変化を評価するのに有用であった.
  • 今井 香織
    原稿種別: 原著
    2001 年 23 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    職場のストレスと不満は自尊感情の低下につながり早期離職を促す要因となるため, 看護婦の自尊感情を低下させる職業要因を検討した. 解析対象者は病院勤務の正看護婦552名と准看護婦146名, 離職後求職中の正看護婦(求職看護婦)352名である. 質問項目は個人属性, Rosenbergの自尊感情, 仕事に関する満足度, 看護業務に関する64項目別経験頻度とした. その結果最も影響が大きい項目は就業と資格であり, 求職看護婦に比べて就業正看護婦は低自尊の危険が高く, さらに准看護婦は高く調整オッズレイシォー4.07を示した. 次いで経験年数の短さ, 仕事の自律性と責任に関する不満が, 独立の危険因子として示された. 次に正看護婦と准看護婦の業務内容の違いを表す判別基準を, 判別分析により求めた. アセスメント, 応用的看護技術, コミュニケーション, 看護計画と記録の4項目が得られ, 正判別率は70.8%を示した. 継続的な卒後教育の重要性が指摘される.
  • 武 秀忠, 野田 敦子, 野田 浩司, 江藤 精二, 室 秀輝, 小野 容子, 井ノ口 賀恵
    原稿種別: 原著
    2001 年 23 巻 1 号 p. 23-34
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    光学活性薬物のプロプラノロール(PL)代謝における光学選択性の存在と, 酵素誘導剤(PBあるいは3-MC)の影響を検討するため, 単離ラット肝細胞8×106cells/mlを用いて, 500μM PL(ラセミ体RS-PL, R(+)-RL, あるいはS(-)-PL)を37°Cで反応させ, PLの消失量, ならびにPL環水酸化体(4-, 5-, 7-OH-PL)およびPL側鎖代謝物(NDP, AcNDP, PGL, NLA, NAA)を含む8種の代謝物の生成量の経時的変化をHPLCで定量した. 3-MC-およびPB-前処理ラットより調製した単離肝細胞系では, PL消失とNDP, NLAおよびNAA生成が顕著に増加した. また, 光学選択的代謝も著しく, R(+)-PLはS(-)-体よりもはやく消失した. 代謝物生成に関しては, R(+)-体からはNDP, AcNDP, およびNAAが, S(-)-体からはNLA, PGLおよび環酸化体が主として生成した. RS-PLからの各代謝物生成量は両エナンチオマーから生成する量の平均値を示した. 未処理, ならびに上述した3-MC-およびPB-前処理ラットの単離肝細胞系でRS-, R(+)-, およびS(-)-PLを37°Cで10分間それぞれ反応させたときの速度論的パラメータを算出した. 得られた見かけのV’max/K'm値(μl/min・8×106 cells)より, 3-MC-前処理肝細胞系におけるR(+)-PLからのNDP生成が最も容易であることが明かとなった.
  • 山元 修, 濱田 哲夫, 徳井 教孝, 笹栗 靖之
    原稿種別: 原著
    2001 年 23 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    培養細胞を用いて, ある化学物質の毒性を評価することは, 産業医学分野において意義深いことである. いくつかの細胞毒性アッセイがあるが, その中でも代表的なものとして, MTT法とneutral red uptake法があげられる. 最近, 2-[2-methoxy-4-nitrophenyl]-3-[4-nitrophenyl]-5-[2, 4-disulfophenyl]-2H-tetrazorium, monosodium salt (WST-8) と1-methoxy-5-methylphenazinium methylsulfate (1-methoxy・PMS) を用いたTetracolor One法が新しいアッセイ法として市販され, 入手可能となった. 今回, 培養成人ケラチノサイトを用いて, CdSO4, ZnSO4, K2Cr2O7の3種の重金属の細胞毒性を, MTT法, Neutral red uptake法, Tetracolor One法の3つのアッセイ法にて検討し, 比較した. Tetracolor One法の結果は他の2法とほぼ同様で, その手技の簡便さと測定誤差が少ないと思われる点より, 培養ケラチノサイトに対する重金属の毒性の検討に有用であると思われた.
  • 浦本 秀隆, 大崎 敏弘, 能勢 直弘, 市来 嘉伸, 井本 秀幸, 吉松 隆, 小山 倫浩, 安元 公正
    原稿種別: 原著
    2001 年 23 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1996年7月より1999年9月までに当科で切除した間質性肺疾患に対する胸腔鏡下肺生検の7例についてその有用性と安全性を検討した. 全症例において合併症を呈することなく安全に経過し, 病理組織学的診断が可能であった. NSIP (nonspecific interstitial pneumonia) と診断された3症例は術後ステロイド治療にて病態の改善をみた. 間質性肺疾患に対する胸腔鏡下肺生検は患者への侵襲も少なく, 病理組織学的診断, および治療法の選択に有用である.
  • 藤本 直浩, 原田 修治, 日田 官, 松本 哲朗
    原稿種別: 症例報告
    2001 年 23 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    比較的長期に生存している再燃前立腺癌の1例を経験した. 症例は75歳男性で, 前立腺癌(低分化腺癌, Gleason score 5+4, T3 N0 M1, stage D2)に対し1991年5月より除睾術, エストロゲン剤による内分泌療法を開始, その後抗アンドロゲン剤であるchlormadinone acetate内服により腫瘍マーカー(prostate-specific antigen; PSA)は低値であったが, 4年後PSAが上昇し再燃癌となった. しかし, 抗アンドロゲン剤をflutamideに変更することにより, 6ヵ月間PSAは低値であった. その後再びPSAが上昇, tegafur.uracilによる経口化学療法を施行し, PSAは一時正常域まで下降し, 約10ヵ月間低値を保った. その後のPSA上昇はestramustine phosphate sodiumとVP-16による経口化学療法により7ヵ月間抑制された. その後PSAが上昇し, あらゆる治療に抵抗性となったが, 再燃癌後5年以上生存している. 本症例は最も予後不良な低分化腺癌であるにもかかわらず, 再燃後に抗アンドロゲン剤の変更, 経口化学療法に反応し, 長期に生存している稀な症例である.
  • 伊豆 邦夫, 山元 修, 旭 正一, 益雪 浩一, 駒井 礼子, 安元 慎一郎, 橋本 隆
    原稿種別: 症例報告
    2001 年 23 巻 1 号 p. 59-67
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は50歳の女性. 全身の有痛性難治性びらんを伴う紅斑を主訴に受診. 天疱瘡を疑い生検を行った. 採取標本は病理組織学的に膿痂疹を強く示唆する所見で, 水疱部からの細菌培養でもゲンタマイシン耐性Staphylococcus aureusが検出された. 蛍光抗体直接法にて表皮細胞間にIgG, C3の沈着を認めたため, 水疱性膿痂疹を合併した落葉状天疱瘡と診断した. ミノサイクリン200mg/dayとニコチン酸アミド1200mg/dayの内服投与にて水疱の新生は消失した. 本邦では中等症の落葉状天疱瘡に対する治療としてステロイド剤の全身投与が一般的であり, ステロイド剤を投与せずミノサイクリンとニコチン酸アミドの併用が奏効したとの報告はない.
  • 織茂 弘志, 山元 修, 小林 美和, 安田 浩
    原稿種別: 症例報告
    2001 年 23 巻 1 号 p. 69-75
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    平成12年6月, 当教室では強酸による化学熱傷を2例経験した. 症例1は44歳の男性. 化学工場勤務中, 防護マスクをしていたにもかかわらず, その隙間より硝酸が侵入し, 顔面に化学熱傷を受傷した. また, 作業衣を通して右上腕から肩甲部および両下腿から大腿前面にも被酸した. 症例2は26歳の男性. 化学工場勤務中, 濃硫酸を両前腕部に浴び, Ⅱ度の化学熱傷を受傷した. いずれの例も酸をホースにより充填している作業中に, 不慮の事故で酸に曝露している. 両者ともマニュアルどおり15分以上の洗浄をし, 重大な機能障害を残すことなく軽快したが, 一部深達性の損傷部位も認めた. さらなる安全対策のために, 産業医学的側面より検討を行った. 今回の曝露事故を教訓として, 作業に関して次の3つの改善点をあげた. 1)作業中の油断, 特にベテランに多い慣れに伴う強酸の危険性の軽視に対しては, 再教育あるいは啓蒙活動が必要である. 2)主な受傷部位以外にも, 被酸部位の見逃しの可能性があることに対しては, 保護衣を脱ぎ, 全身シャワーを浴びることを勧めた. 3)保護マスクをしていたにもかかわらず曝露したことに対しては, 保護マスクの改良を提案した. また, 強酸曝露時の黄色痂皮を診たときは, 過小評価することなく, 深達性潰瘍の存在を念頭におくべきであることを反省した. 事故防止のため, より質の高い安全対策が望まれる.
  • 永田 直幹
    原稿種別: 報告
    2001 年 23 巻 1 号 p. 77-79
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 芳川 一郎
    原稿種別: 報告
    2001 年 23 巻 1 号 p. 81-83
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    2001 年 23 巻 1 号 p. 85-125
    発行日: 2001/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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