度数分布表から算出した平均出生時体重(MBW)を比較する場合には, 度数分布表の様式に留意する必要がある. わが国の人口動態統計(厚生省統計情報部編)に掲載されている出生時体重の度数分布表様式(≦999g, …, 5000g≦の500g間隔10階級)を採用している地域を県, 保健所, 市町村の3つの人口レベルで選定し, この様式を基準(
o法)として両端の階級を順次統合し, 階級数を少なくした場合(
a, …,
h法)のMBWおよび標準偏差(SD)の
o法からの変化を検討した. 県レベルではMBWで-2から3g, SDは
a, …,
d法で-5g以内, 保健所レベルではMBWで-3から-6g, SDでは
a, …,
d法で-8g以内の変化であった.市町村レベルでは変化する地域は少ないが, 変化する場合には変化の程度が比較的大きかった. 高体重より低体重の階級を統合する場合の影響が大きく, 度数分布表の様式が異なる場合には様式の違いによる差を十分考慮してMBWを比較する必要のあることを結論した.
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