Journal of UOEH
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31 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • ウィンシュイ ティンティン, 北條 理恵子, 美津島 大, 中島 大介, 山元 昭二, 藤巻 秀和
    原稿種別: 原著
    2009 年 31 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    揮発性有機化合物の脳機能におよぼす影響に関しては, 不明な点が多く残されている. そこで, トルエン曝露による脳への影響についてマウスの海馬におけるインビボマイクロダイアリシスによるグルタミン酸レベルとスケジュールコントロールによるオペラント行動を用いて学習機能を同時に測定できる動物モデルシステムについて検討した. その結果, トルエン曝露によるマウス海馬でのグルタミン酸量の変化と同様な学習行動の変化を観察することができ, この動物モデルシステムが有害化学物質の曝露による海馬における神経伝達物質の変化と学習行動とのかかわりを評価するのに有用である可能性を示した.
  • ジュング ジュン ホー, ヨーン スン ウク, クオン ユンキュング, イム スンクック, 秋山 幸雄, 嵐谷 奎一, ヤン ウォンホー
    原稿種別: 原著
    2009 年 31 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    韓国では家庭やレストランでポータブルガスレンジの使用が広まっているので, 室内空気汚染物質の排出を明らかにし, 最適な換気率を提言することは重要である. 十分に混合されたチャンバーを用いて, 定常状態におけるポータブルガスレンジからの窒素酸化物, 一酸化炭素, 二酸化炭素および総揮発性有機化合物の排出を明らかにするための試験を行った. ポータブルガスレンジからの空気汚染物質の排出速度の幅は, 一酸化窒素については0.55〜0.94mg/h, 二酸化窒素については0.35〜1.08mg/h, 窒素酸化物については1.21〜1.63mg/h, 一酸化炭素については1.39〜4.21mg/h, 二酸化炭素については2430〜2970mg/h, 総揮発性有機化合物については0〜0.12mg/hであった. ポータブルガスレンジからの空気汚染物質を管理するために必要な換気率の平均値と最大値は, 二酸化窒素の排出速度に基づくと, それぞれ, 2.70m³/hおよび3.13m³/hであった. レストランでのポータブルガスレンジ使用による外食産業労働者および顧客の二酸化窒素への平均曝露濃度は, それぞれ, 48.2 ± 21.5ppbおよび64.7 ± 31.5ppbであった.
  • 柳井 圭子
    原稿種別: 論説
    2009 年 31 巻 1 号 p. 23-35
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    最近社会的に問題となっている院内暴力に対し, 医療専門職者はいかなる対抗手段を講じうるかという今日的課題について, イギリスの院内暴力対策を紹介しながら我が国における法の役割について考察する. 対策として, 暴力対抗手段である「言葉による防衛」, 「折衝」手段においては, 事後のトラブル回避のため法的素養が必要であり, 「身体や物を使っての防御」手段においても, その防御が法的に許容される範囲に止めなければならない. また行為者の行動が病気あるいは抑うつされた状態や環境から引き起こされたものである場合に, 医療専門職者の反撃, 通報や告訴が法的, 道義的に許容されるかが問題である. 暴力に対抗する手段(言葉による防衛, 通報, 反撃, 拘束, 診療拒否など)は, 医療専門職者の道義的, 法的責任にかかわることでもあり, 患者の健康管理と医療の場における安全・秩序維持という極めて重要な問題である.
  • 長 聡子, 川本 利恵子, 中野 正博
    原稿種別: 報告
    2009 年 31 巻 1 号 p. 37-49
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 一般病棟におけるがん患者の家族に対する看護ケアの実践評価指標の開発に向けた研究の第一段階として指標項目の作成と選定を目的とした. 先行文献よりがん患者の家族に必要とされる看護ケアを抽出し分類した結果, 5つのカテゴリーが抽出され, 各カテゴリーの看護ケアの内容を表す項目として20項目を作成した. 20項目の看護ケアの実践評価についての質問紙調査を一般病棟に勤務する看護師77名に対し実施した. 有効回答は67名(有効回答率87.0%)であり, 因子分析の結果は, 「患者ケアの家族参加の促し」「意思表示と調整」「家族自身への看護ケアの調整」「家族の負担への配慮」「看取りのケア」「家族の意思決定の尊重」の6つの因子で構成されていた. また, 質問紙調査より得られた自由記述の内容をもとに, 指標項目の修正を行った結果, 最終的に26項目の看護ケアの指標項目を選定した.
  • 澤田 雄宇, 吉木 竜太郎, 川上 千佳, 中村 元信, 戸倉 新樹
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 31 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は78歳, 男性. 臍部の腫瘤を主訴に当科受診. 臍窩から突出するように母指頭大の黒褐色角化腫瘤を認めた. 臨床所見から脂漏性角化症を疑い切除を行った. 病理組織像は典型的な表皮肥厚型の脂漏性角化症であった. 臍窩から生じた脂漏性角化症は本邦でこれまで6例報告されており, 病理組織学的にすべて過角化型であった. 顕著な表皮肥厚型を呈しているものは自験例が初めてであった. 本腫瘍は日常よくみかけるものであるが, 臍窩という特殊部位からの発生例であり, 臨床診断を迷わせた. 臍部から発生する腫瘍の鑑別を含め報告する.
  • 岩田 輝男, 林 健司, 市来 嘉伸, 小原 剛, 後藤 慶, 原山 信也, 長門 優, 二瓶 俊一, 谷川 隆久, 毛利 文彦, 相原 啓 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 31 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は47歳, 男性. 平成18年1月に自宅で心肺停止状態にて発見され当院搬送. 来院時両側瞳孔散大, 心室細動の状態であった. 心肺蘇生後, 自己心拍再開したが, V2-V5でのST上昇を認めたため同日心臓カテーテル検査施行. 左前下行枝に完全閉塞を認め, 経皮的冠動脈形成術を施行し循環動態は改善した. 入院後26病日に, 無石胆嚢炎を発症. 急性心筋梗塞後, 抗血小板薬内服中であり, 全身状態からも緊急手術は困難と判断し, 経皮経肝胆嚢穿刺吸引術(PTGBA: percutaneous transhepatic gallbladder aspiration)を同日施行, 胆嚢炎は軽快した. 手術困難な症例における無石胆嚢炎に対しては, 胆嚢穿刺による非侵襲的なアプローチが有効な治療法の一つとなり得ると考えられた.
  • 田村 利尚, 日暮 愛一郎, 永田 直幹, 平田 敬治, 中山 善文, 岡本 好司, 山口 幸二
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 31 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    直腸癌に対する前方切除術開始直後に, ラテックスアレルギーによるアナフィラキシーショックを来した症例を経験した. 症例は72歳, 女性. 直腸癌に対し直腸高位前方切除術を施行した. 執刀開始から約15分後に突然, 気道内圧の上昇, 血圧・動脈酸素飽和度(SpO2)の低下を認め, 同時に全身の紅潮, 喘鳴, 心電図異常が見られた. ラテックスによるアナフィラキシーショックを疑い, 手術を中断, アナフィラキシーショックに対する治療により救命し得た. 術後, ラテックスアレルギーに対する検査を施行したところ, 血中ラテックス特異免疫グロブリンE(IgE)抗体値が高値を示し, ラテックスによるアナフィラキシーショックと診断した. ラテックスフリーの環境で再手術を行い無事に終了した.
  • -重症4症例を通して-
    賀好 宏明, 舌間 秀雄, 木村 美子, 佐伯 覚, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 31 巻 1 号 p. 71-79
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    重度な四肢麻痺を呈し, 回復が遅延した軸索型ギランバレー症候群の4例を報告する. 症例はいずれも男性であり, 臨床経過, 電気生理学的検査などにより軸索型ギランバレー症候群と診断された. 3例において痛みが問題となり, 2例においてクレアチンキナーゼの著明な上昇を認めた. 1例に手指の拘縮を認め, 2例が呼吸筋の麻痺により人工呼吸器管理となった. 極期から退院までの機能的重症度分類において改善を認めたのは2例であった。同様に日常生活活動で改善を認めたのは2例であった. 軸索型ギランバレー症候群の急性期理学療法においては疾患特性をよく理解し, 患者の心理面に配慮したアプローチが重要であると考えられた.
  • 浦本 秀隆, 中原 由起子
    原稿種別: 技報
    2009 年 31 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    従業員は人生の多くの時間を職場で過ごすため, 生活習慣病対策には個人の自主的な努力と企業による環境整備の双方が不可欠である. 生活習慣病対策には現在まで産業保健職の熱意と創意工夫により実施されてきたが, 各々の職場の集団指導に留まらず, どのような活動が真に有効かという議論が企業の枠を超えて望まれる. 本稿では集団教育として健康イベントを開催する上でのノウハウを, 問題点, 企画, 時期, 場所, 参加人数, 主催側のマンパワー, 予算, 広報チャンネルの選択, データの解析などを通して論じる.
  • 甲斐 菜津美, 山崎 文夫
    原稿種別: 資料
    2009 年 31 巻 1 号 p. 89-95
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    大学生372名を対象にして, 運動に関する生活(運動生活)と精神的健康についてのアンケート調査を行った. 調査の結果, 運動生活の充実度が高いほど精神的健康度も高く, また男子学生と比べて女子学生の方が運動生活レベルの違いが精神的健康度に影響しやすいことが示唆された.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    2009 年 31 巻 1 号 p. 97-130
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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