喫煙習慣が肺機能に及ぼす影響について明らかにするために, 横断・縦断調査の結果を検討した. 対象は宮崎県中部に位置し, 農村地域にあるK町における39歳以上の一般住民の中で, 調査開始時点で健康調査, 肺機能検査が可能であった1,739名(男性698名, 女性1, 041名)である. 肺機能検査の指標として, 努力性肺活量(forced vital capacity; FVC), 1秒量(forced expiratory volume in one second; FEV
1.0)を用い, 予測値による年齢, 身長の補正後, 分析を行った(横断的検討). 12年間の時間的変化については, 予測式による補正を行った後, 12で除すことによって予測値調整年変化量を求め比較検討した(縦断的検討). 横断的検討では, 予測値に対する%FVC, %FEV
1.0とも男性群において喫煙者群と元禁煙者群, 非喫煙者群との間に統計学的に有意差が認められた. 縦断的検討では, 予測値調整FVC年変化量は男性群と女性群, 予測値調整FEV
1.0年変化量は男性群において、喫煙継続者群は非喫煙群に比べ有意に大きかった. 男性元喫煙群では, %FEV, %FEV
1.0, 予測値調整FEV
1.0年変化量が喫煙継続者群に比べ有意に低下を示した. 今回の地域住民を対象にした横断的, 縦断的研究結果より, 喫煙の肺機能への影響指標として%FVC, %FEV
1.0に加え, FVC年変化量, FEV
1.0年変化量の有用性が示された.
抄録全体を表示