第四紀研究
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44 巻 , 6 号
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  • 入谷 剛, 北川 陽一, 大井 信夫, 古澤 明, 宮脇 理一郎
    2005 年 44 巻 6 号 p. 323-338
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    本州中部,長野県北部に分布する高野層は,上部更新統のテフラ立山D(Tt-D),御岳第1(On-Pm1),鬼界葛原(K-Tz),阿蘇4(Aso-4),御岳奈川(On-Ng),立山E(Tt-E),大山倉吉(DKP)および姶良Tn(AT)を挾在する.同層の花粉群の層位的変動に基づき,下位より局地化石花粉群帯TKN-I~VIII帯を設定した.この花粉帯を,野尻湖,諏訪湖など近隣の花粉帯と広域テフラを鍵層として対比し,地域的な環境変遷を明らかにした.Aso-4を挾むTKN-IV帯,Tt-E,DKPを挾むTKN-VII帯は,マツ科針葉樹やカバノキ属花粉が優占する寒冷な気候,Tt-Dを挾むTKN-II帯,On-Ngの直上のTKN-V帯,DKPの上位のTKN-VIII帯は,温帯性落葉広葉樹花粉が優占する温暖な気候,最下部のTKN-1帯,On-Pm1,K-Tzを挾むTKN-III帯,Tt-Eの下位のTKN-VI帯は,スギ属,ヒノキ科花粉が多く,降水量の多い冷涼な気候を示唆する.DKPの降灰期はMIS3/4境界,すなわち約58~59kaより古くなる可能性が指摘できる.
  • 金子 稔, 石川 博行, 中澤 努, 野村 正弘, 山岸 良江, 矢島 祐介
    2005 年 44 巻 6 号 p. 339-351
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    GS-KG-1コア(埼玉県川口市)の中-上部更新統下総層群木(き)下(おろし)層と報告されている層準から産出する有孔虫化石群集を検討し,堆積環境を考察した.コアの木下層は,特徴的な有孔虫化石群集により,I~III帯に区分できる.このうちI帯は,Ammonia beccarii forma 1群集で特徴づけられ,湾奥部の堆積が考えられる.II帯は,Buccella frigida群集で特徴づけられ,湾奥から湾央部の環境が推定できる.またII帯は,B.frigidaが多産することから,寒流の影響を受けていた可能性がある.一方,III帯はMiliolidae-Rosalina australis-Elphidium kusiroense群集で特徴づけられ,湾央から湾口部の環境が推定できる.この有孔虫化石群集の変遷は,酸素同位体ステージ6から5の退氷期後期の海進に伴う湾の形成・発達過程を示していると考えられる.
  • 中村 洋介
    2005 年 44 巻 6 号 p. 353-370
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    富山平野東縁に位置する魚津断層の平均変位速度を算出することを目的に,上市川から黒部川流域に広く分布する河成段丘面において,ボーリングによって被覆土壌層の採取を行った.そして,被覆土壌層中に微量に含まれる火山起源の鉱物を用いた広域テフラの同定をもとに,段丘面の形成時期を推定した.本地域に分布する河成段丘面は,上位から大きくI面~IX面の9面に区分できる.広域テフラであるAT,DKPならびにK-TzがIII面構成層を覆う被覆土壌層中に挾在する.また河成段丘面のうち,DKPはIV面を覆う被覆土壌層の最下部に,K-TzはIII面を覆う土壌層の下部に,それぞれ挾在する.これら火山灰層の層序ならびに段丘堆積物の層相より,本研究では本地域における河成段丘面の形成時期を,I面(酸素同位体ステージ6),II面,III面(同5),IV面(同4~3),V面(同3),VI面,VII面(同2),VIII面,IX面(完新世)であると推定した.これらの河成段丘面は,魚津断層によって累積的に上下変位を受けている.その変位量とそれぞれの段丘面の形成年代から,魚津断層の平均上下変位速度を算出したところ,約0.2~0.9mm/yrの値が得られた.
  • 竹内 貞子, 安藤 一男, 藤本 潔, 吉田 明弘
    2005 年 44 巻 6 号 p. 371-381
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    宮城県宮城野海岸平野南部の岩沼地域における沖積層について,NT1,IW1,IW2の3地点から得られたボーリングコア試料の珪藻分析と花粉分析を行った.
    珪藻分析の結果は,それまで陸域であったこの地域が,完新世の海水準変動によって約10,000年前以降干潟から次第に内湾となり,その後約3,500年前に再び陸域となったことを示した.
    花粉分析の結果をみると,約10,000年前以降後背地にはコナラ属を主とする落葉広葉樹林が分布しており,完新世を通じて大きな変化はなかった.スギも完新世初頭より生育していた.その中で,約8,000年前以降のニレ属-ケヤキ属とスギの増加は,局地的な地形環境の変化によるものと考えられる.
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