第四紀研究
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47 巻 , 6 号
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論説
  • 白井 正明, 塚本 すみ子, 近藤 玲介
    2008 年 47 巻 6 号 p. 377-389
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル フリー
    OSL(光ルミネッセンス)は近年OSL年代測定法として,第四紀砕屑物の堆積年代測定に広く用いられている.本研究では,鉱物が十分露光することによりOSL信号がリセットされることを利用し,現世河川における砂質堆積物の運搬—堆積過程と長石粒子の露光状況の関連を検討した.近畿地方北部の二つの水系において,砂州表層堆積物と2004年に形成された洪水堆積物よりアルカリ長石粒子を抽出し,OSL強度に基づき各サンプルに最近露光した粒子が含まれる割合(露光率)を算出した.その結果,通常時には河川内の砂粒子は短距離の運搬—堆積を繰り返すこと,そして砂州の水上部への露出が多い河川上流および支流部では,砂粒子が下流域より効率的に露光することなどが推定された.これらの結果は,河川堆積物中のどのような堆積相(堆積環境)がOSL年代測定に適するかを示唆するとともに,OSL測定技術を砂質堆積物の運搬—堆積過程の解析に活用できることを示している.
  • 青木 かおり, 入野 智久, 大場 忠道
    2008 年 47 巻 6 号 p. 391-407
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル フリー
    本研究は,鹿島沖から採取された長さ約46 mのMD01-2421コアに介在する23枚のテフラについて,岩石学的記載と火山ガラスの主元素組成分析を行い,既知のテフラとの対比を試みたものである.その結果,九州起源のATとAso-4,御岳山を給源とし中部~東北地方に広く分布するOn-Pm1,北関東に分布するAg-KP,南関東に分布するHk-TP,立山カルデラ起源のTt-D,福島県南部と茨城県北部で対比されているNm-Tgが同定された.また,本コアで得られている高分解能の底生有孔虫の酸素同位体層序を使用して,各テフラの噴出年代を算出し,SPECMAP年代に伴う誤差も合わせて示した.対比された7枚のテフラの噴出年代を,報告されている放射年代や花粉分析や海水準変動史から予想されていた噴出年代と比較して議論した.これらはMIS 6.3以降の中部から東北地方南部の標準となるテフラ層序を提供するものである.
  • 工藤 雄一郎, 小林 謙一, 山本 直人, 吉田 淳, 中村 俊夫
    2008 年 47 巻 6 号 p. 409-423
    発行日: 2008/12/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル フリー
    石川県御経塚遺跡から出土した縄文時代後・晩期の土器付着物と漆の14C年代,炭素・窒素安定同位体比,C/N比の測定を行い,土器で煮炊きされた内容物と各土器型式の年代学的位置づけについて検討した.その結果,後期の内面付着炭化物は,動物資源を煮炊きしたものが炭化して残ったものと考えられ,このうちのいくつかは海洋リザーバー効果の影響を受けている可能性を指摘した.晩期の土器付着物の14C年代は,周辺地域の研究成果と対比しても整合的であった.そこで,晩期の土器付着物の14C年代をIntCal04で較正し,晩期中葉の中屋式,晩期後葉の下野式および長竹式の較正年代を提示した.晩期最終末の長竹式の年代は,北陸地域における環状木柱列の形成時期とも関係することが明らかとなり,これは縄文時代から弥生時代への移行期の問題を検討する上で,きわめて重要な成果である.
短報
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