第四紀研究
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55 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
「第四紀学から防災教育へのメッセージ」特集号
  • 久保 純子
    2016 年 55 巻 4 号 p. 157-159
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー
  • —学校と地域の連携:霧島市と志布志市での実践例をもとに—
    井村 隆介
    2016 年 55 巻 4 号 p. 161-168
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー

    2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震以降,日本各地で地域防災計画や防災教育の見直しが行われている.防災教育は,普段の学校の教育システムの中で無理なく行われることが望ましい.その実施のためには,専門家だけでなく,教員や保護者,さらには地域社会の協力が必要不可欠である.子供たちには,災害への直接的な対処法ではなく,自然現象に対する正確な知識と,各人がそれに基づいて意思決定をできるように教育することが大切である.子供たちが自然の仕組みを理解することは,災害時の対応だけでなく,将来の研究者を育てることにもつながる.

  • 卜部 厚志
    2016 年 55 巻 4 号 p. 169-174
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー
  • —繰り返される自然災害に対する防災教育の現状と展望—
    藤岡 達也
    2016 年 55 巻 4 号 p. 175-183
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー

    東日本大震災発生から5年が経った現在,国や地域の行政,教育機関等各界では,震災などの自然災害を教訓とした防災,減災への取組が喫緊の課題となっている.本稿では,まず近年,国内に生じた自然災害を振り返り,それに対して学校,地域において実施されている防災教育の取組を掌握した.次に,福島第一原子力発電所事故のように自然環境と密接に関わる科学技術の在り方を社会的文脈で捉えながら,これからの防災,減災に関連した課題を整理した.また,「持続可能な開発のための教育(ESD)」を踏まえ,災害の観点のみから自然環境を捉えるのでなく,ジオパークのように自然景観等を活用した教育,啓発,地域振興の重要性を指摘した.さらに,国際的な防災,減災についても国連防災世界会議等の動向から考察した.第四紀学に関する教育や啓発は,グローバル人材の育成に加え,自然災害への対応を例に地域の自然環境と人間活動との関わりを考えて行動できるローカル人材の育成にも意味を持つことを論じた.

  • 植木 岳雪
    2016 年 55 巻 4 号 p. 185-191
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー

    2014年と2015年に地震,地盤災害,防災に関する一般市民向けの講演を合計5回行った.一般市民の防災リテラシー向上を目指して,講演には危機管理の視点と,地形発達史や地質層序のような第四紀学の視点を取り入れた.参加者に地形図・地質図の読図や空中写真の判読を行ってもらい,参加者自身が土地の特性を判断できるようにした.その結果,講演に対する参加者の評価は高く,参加者の防災リテラシーも高まったと考えられる.

  • 鴨井 幸彦
    2016 年 55 巻 4 号 p. 193-196
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー

    現在,日本で実施されている防災教育は,もっぱら災害後の対応方法に焦点が当てられている.しかし,これだけでは十分と言えない.災害を回避するための教育にもっと力を入れるべきである.周知のように,もっとも有効な防災・減災対策は,災害を受けにくい安全な場所で暮らすことにある.そのためには,住民自身がその地域の土地条件を知り,地形や地盤性状に合わせて土地利用を行う必要がある.地域の地形と地盤の特徴を学ぶこと,これが小論で提唱する「もう一つの防災教育」であり,今後,大いに推進すべき内容である.それをより効果的に実施するためには,次の点を入れるとよい.1)災害の種類ごとにメニューを用意すること,2)地盤の形成史を明らかにし,危険箇所を示すこと,3)古地図の活用,4)分かりやすい内容の小冊子を作成し,活用すること,5)産官学が連携して進めること.

  • —第四紀学から防災教育へのメッセージに対するコメント—
    宍倉 正展
    2016 年 55 巻 4 号 p. 197-202
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー

    第四紀学は地震,津波,火山噴火,マスムーブメントなどの現象を扱う立場から,それに由来する自然災害の起こりうる場所を事前に評価し,防災対策に役立つ多くの情報を提供することができる.また規模についてもある程度評価でき,より具体的な想定に向けた提案が可能である.それらを踏まえ,防災教育においても第四紀学は様々な貢献が期待できる.まずジオパークの整備では,自然現象のメカニズムだけでなく,人間活動との関わりについて,第四紀学から情報を発信することが災害の理解に繋がる.学校教育ではいつ起こるかわからない自然災害に対し,地域毎のリスクの認知と避難対応などの取り組みにおいて,第四紀学の知見が貢献できる部分が多い.一般市民に向けては,地形,地質,歴史といった地域を構成する要素の特性を,そこに住む人々が理解することが,地域の防災力を向上させるだろう.

  • —日本第四紀学会2015年大会の小巡検—
    小森 次郎
    2016 年 55 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/10/07
    ジャーナル フリー
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