第四紀研究
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44 巻 , 3 号
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  • 桑原 拓一郎
    2005 年 44 巻 3 号 p. 131-144
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    青森県東部の下北半島にある田名部平野では,海成段丘の構成物が累重することによって,厚い海成更新統が形成されている.とくに,テフラとの層位関係に着目することによって,高位なもの(古いもの)から順に蒲野沢面,東栄面,樺山面,および斗南ヶ丘面と呼ぶ4つの海成段丘の構成物(蒲野沢層,東栄層,樺山層,および斗南ヶ丘層)が,本平野の海成中部~上部更新統の主体をなしていることがわかった.これら各段丘構成物は,いずれも基底の侵食谷を埋積する内湾性の砂礫~砂泥層と,それらを被覆して段丘をなす海浜平野性の砂礫層より構成され,それぞれ海進→海退という海面変化を示している.斗南ヶ丘面は酸素同位体ステージ5eの高海面期に形成された海成段丘と考えられるので,蒲野沢層,東栄層,および樺山層で示される相対的な高海面期は中期更新世に対比される.
  • 岩本 有加
    2005 年 44 巻 3 号 p. 145-153
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    縄文時代早・前期人の骨形態的特徴のひとつとして,扁平脛骨が知られているが,この特徴はすべての早・前期人に見られるわけではない.今まで扁平脛骨の成因についてはいくつかの要因が提案されているが,生活習慣に深いかかわりをもつ環境要素,つまり遺跡の立地条件からの議論は少ない.本稿では,脛骨の扁平度と環境要素との関連性を明らかにするために,脛骨の中央横断示数と遺跡周辺の起伏量との関連を検討した.その結果,起伏量の小さな遺跡から出土した人骨については,扁平脛骨が見られないことがわかった.それに対し,小起伏丘陵と大起伏丘陵に立地する遺跡から出土した脛骨は,扁平度が強い.なかでも小起伏丘陵に立地する遺跡から出土した脛骨については,強度の扁平脛骨が見られた.したがって,脛骨の形態は遺跡の立地条件と密接な関係があると考えられる.
  • 幡谷 竜太, 柳田 誠, 佐藤 賢, 佐々木 俊法
    2005 年 44 巻 3 号 p. 155-167
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    内陸部における第四紀後期の隆起量を河成段丘の比高を使って見積もるには,10万年前以前に形成された段丘の編年データの蓄積が重要である.その一環として,本研究では宮城県川崎盆地付近において,空中写真判読による地形調査,地表踏査,段丘の被覆層の火山灰分析調査を行い,河成段丘の層序・編年を検討した.その結果,従来,海洋酸素同位体ステージ3と考えられていた河成段丘(川内面)は,ローム層を介して阿蘇4火山灰に覆われる砂礫堆積段丘であり,ステージ6に対比される可能性が高いといえる.このことは,9~10万年前に降下したとされていた安達愛島軽石の降下年代がステージ6よりも古くなる可能性,ならびに安達愛島軽石に覆われる段丘群の形成年代がより古くなる可能性を示す.さらに,本調査地域において河成段丘の比高から見積もられていた過去10万年程度の隆起量は小さく修正され,およそ半分程度となると考えられる.
  • 吾妻 崇, 太田 陽子, 石川 元彦, 谷口 薫
    2005 年 44 巻 3 号 p. 169-176
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    御前崎周辺には,御前崎段丘(高度48~25m,三崎面相当の海成段丘)と4段の完新世海成段丘(高度15m以下)が分布する.御前崎段丘は,全体として西-南西に向かって傾動し,小規模な活断層,撓曲崖および背斜構造を伴う.御前崎段丘を開析する水系の分布形態および駿河湾側の海食崖上にみられる風隙の存在は,旧汀線が北西に位置することと不調和で,段丘形成後の変形を示している.御前崎段丘上にみられる東西方向に延びる低崖は,更新世段丘上に残された地震性隆起の記録である可能性がある.完新世海成段丘は4段に区分され,I面は後氷期海進最盛期直後,II面は約3,500cal BP以前,III面は2,150cal BP以前にそれぞれ離水したと考えられる.I面の内縁高度は14mに達するが,既存のボーリングコア解析から推定される海成層の上限高度は約3mにすぎない.これらの段丘の形成過程を,海溝型の活動間隔の短い地震による隆起と,地震間における沈降および活動間隔の長い地震による大きな隆起との和として解釈した.
  • 北村 晃寿, 大村 明雄, 冨永 英治, 亀尾 浩司, 奈良 正和
    2005 年 44 巻 3 号 p. 177-182
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    静岡市,有度丘陵(最高標高307m)の東縁に分布する中部更新統久能山層(村松礫・シルト部層)から産した単体サンゴに,αスペクトル230Th/234U法を適用し,176.5+3.7-3.6ka(誤差は1σ)の年代値を得た.この年代値から,久能山層堆積期間は海洋酸素同位体ステージ6.5に対応することが明らかとなった.
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