第四紀研究
Online ISSN : 1881-8129
Print ISSN : 0418-2642
ISSN-L : 0418-2642
33 巻 , 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 張 一飛, 井上 克弘, 佐瀬 隆
    1994 年 33 巻 3 号 p. 131-151
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    岩手火山東麓のテフラ層中にレス質風成塵が存在することを, 土壌の物理的・化学的・粘土鉱物学的特性および石英の酸素同位体比より明らかにした. 渋民クラック帯の土壌は, 低いpH (NaF) 値, リン酸保持率と高い容積重, 粘土・シルト含量で特徴づけられた. 粘土鉱物はバーミキュライト, バーミキュライト-クロライト中間種鉱物, カオリナイト, 石英を主体とし, 少量の雲母を伴った. 石英の酸素同位体比は+16~17‰で, 中国のレスのそれに近似した. 一方, テフラ堆積物はアロフェン, イモゴライトあるいはハロイサイトが優占で, 少量のクリストバライトを伴った. 火山灰土中に見いだされるバーミキュライト, カオリナイト, 雲母, 石英などはテフラ母材からの風化生成物ではなく, アジア大陸からの広域風成塵起源であると結論した. テフラ層序より, 広域風成塵の堆積時期は, 最終氷期後期の約2~3.4万年前および前期の約5~7万年前の各寒冷期に相当し, 前者において顕著であった. 岩手火山東麓における最終氷期後期寒冷期の広域風成塵の堆積速度は48kg/m2/1,000年, すなわち約4cm/1,000年に相当し, 日本海沿岸における堆積速度よりやや高かった. 東北地方から北海道にかけてテフラ層中に見いだされるクラック帯は, 最終氷期に堆積した風成塵の示標層となりうる.
  • 寺田 和雄, 太田 貞明, 鈴木 三男, 能城 修一, 辻 誠一郎
    1994 年 33 巻 3 号 p. 153-164
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    青森県十和田湖東方には, 十和田火山起源の十和田八戸テフラにおおわれた最終氷期 (約12,650年前) の埋没林が広い地域で確認される. その埋没林から採集した埋没樹木22個体 (トウヒ属14個体, カラマツ属5個体, モミ属3個体) に年輪年代学の手法を適用したところ, トウヒ属とモミ属では属内でもまた属間でもクロスデイティングができた. しかしながら, すべて倒木状態で産出したカラマツ属は, 属内においても属間でもクロスデイティングができなかった. また, 樹皮の残存したトウヒ属8個体とモミ属3個体の立木の最終形成年輪の形成年が, クロスデイティングの結果, 一致したことから, 同じ年に死滅したことがわかった. さらに, この最終形成年輪の年輪構造の詳細な検討から, その年の晩材形成がすでに終了していることがわかった. 以上のことから, この埋没林は, ある年の秋から次の春までの間に起きた十和田火山の噴火により, 短時間のあいだに埋積され, 一斉に枯死したことが明らかになった.
  • 上杉 陽, 新川 和範, 木越 邦彦
    1994 年 33 巻 3 号 p. 165-187
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    伊豆諸島北部 (大島~三宅島) の諸火山の噴火, 相模トラフ系大地震, 伊豆半島の北伊豆断層系~平山断層の変位, 箱根火山の噴火, 駿河トラフ系大地震, 富士山の噴火との間の歴史時代の同期・連動関係についてのデータが増えつつある. さらに遡って更新世後期あたりまでのデータを得るためには, まず第1に, 伊豆大島~相模湾岸~房総半島地域のテフラの主体をなす大島火山系テフラの模式地を設定し, 誰もが容易に観察・試料採集できる状態にせねばならない. そこで, 伊豆大島千波崎の地層切断面露頭群を模式地として, 20分の1のテフラ標準柱状図と200分の1露頭スケッチを作成した. まず前者の図を公表し, 若干の説明を付す.
  • 松岡 數充
    1994 年 33 巻 3 号 p. 189-203
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    近年沿岸性の堆積物を対象にした花粉・胞子分析が古環境復元を目的として行われるようになった. これらの堆積物には花粉・胞子のみならず, それらと同様に有機質の殻や膜を備えた多種多様な分類群にわたる微化石が含まれている. このような微化石 (パリノモルフと総称する) も環境解析に有益な情報を備えていることから, 今後の研究対象として看過することができない. パリノモルフのなかで比較的研究が進んでいる渦鞭毛藻シストやプラシノ藻, 小型有孔虫について生物学的側面を概説し, さらにそれらを用いた生層序学および古環境解析についての最近の研究例を紹介する.
  • 柳田 誠
    1994 年 33 巻 3 号 p. 205-207
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top