第四紀研究
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31 巻 , 2 号
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  • 百原 新
    1992 年 31 巻 2 号 p. 77-89
    発行日: 1992/05/30
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    大阪府泉南地域の上部鮮新統大阪層群最下部の大型植物化石群を記載した. 日本から絶滅した48種を含む221分類群を同定し, 下位よりOS-I~OS-VIIの7分帯を設定した. OS-I帯, OS-III帯, OS-V帯, OS-VII帯は現在亜熱帯に分布する分類群を含み, それを含まないOS-II帯, OS-IV帯, OS-VI帯よりも気候は温暖だったと考えられる. 約300万年前のOS-I帯は鮮新・更新世を通じてもっとも温暖で, 日本から絶滅した植物群が繁栄していた. OS-II帯の気候の寒冷化とOS-II帯からIII帯にかけての堆積盆周辺の古地形の変化が, ユサン層の一種・フウ属の一種・セツリミアサガラ属の一種・セコイア属の一種を含む植物の絶滅を引き起こし, モミ属・ツガ属・スギ属などの温帯針葉樹を増加させた. 絶滅種の多くはOS-III帯の終わり頃 (約250万年前) までに絶滅する.
  • 石坂 信也, 渡辺 一徳, 高田 英樹
    1992 年 31 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 1992/05/30
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    熊本平野とその周辺には多くの活断層が存在することが知られている. 筆者らは, 熊本平野やその周辺に掘られた多数のボーリングの中で重要なもの50本余りのコアを, 改めて詳細に観察した. ボーリングコアには, 約6,300年前に鬼界カルデラから噴出したアカホヤ火山灰, 約30万年前以降に阿蘇カルデラから噴出したAso-1~Aso-4火砕流堆積物などの重要な鍵層が認められる. それらの放射年代と深度の差異から, 熊本平野における最近の約15万年前以降の第四紀層の沈降速度を見積もることができた. 平野南部での平均沈降速度はおよそ0.2~0.5mm/年であり, そこは, 熊本平野の周辺で確認されていた活断層による木山-嘉島地溝 (渡辺ほか, 1979) およびその西方延長部にあたる. 平野西部での沈降速度はおよそ0.2~0.3mm/年である. これらの沈降は, 熊本平野地下の活断層の動きによって引き起こされていると考えられる.
  • 溝田 智俊, 下山 正一, 窪田 正和, 竹村 恵二, 磯 望, 小林 茂
    1992 年 31 巻 2 号 p. 101-111
    発行日: 1992/05/30
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    北九州の緩斜面上に発達する細粒赤黄色土壌は, 従来基盤岩の風化生成物に由来するものと考えられてきた. しかし, 最近, 土壌鉱物学的および地球化学的手法によって, これらの土壌の生成にはアジア大陸内部起源の広域風成塵の寄与が著しいことが次第に明らかにされつつある. 筆者らは, 北九州の火成岩 (花崗岩および玄武岩) がつくる緩斜面上に発達した細粒質土層の2土壌断面について, 石英の粒径組成, 酸素およびSr同位体比, 火山ガラスの屈折率を測定した.
    両土壌中に含まれる石英の粒径分布は著しく均一で, 福岡において黄砂現象に伴って降下した風成塵に一致した. 石英の酸素同位体比および全岩のSr同位体比は, 基盤岩のものとは著しく異なり, 中国北西部黄土高原の黄土に近似していた. これらの結果と地形と地質の特微を考え合わせると, 細粒質土層の主要成分は風成塵由来と推定される. 土層断面内にはK-AhおよびAT広域テフラの挾在が確認され, テフラの噴出年代と降灰層準間の堆積物の厚さから, この細粒質土層の平均的な堆積速度が試算された. その値は0.027m/103年である. 細粒土層全体の厚さから, 細粒土層の形成は最近5~6万年以降になされた可能性が高い. 主要母材である風成塵の供給が過去5~6万年より以前にまったくなかったとは考えにくいので, 北部九州の安定な地形面の更新が数万年単位で起こっているものと解釈した.
  • 木谷 幹一, 松原 久, 植村 善博
    1992 年 31 巻 2 号 p. 113-116
    発行日: 1992/05/30
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    琵琶湖北西部に位置する高島町畑は, 蛇谷ヶ峰など標高600~900m程度の急峻な山地に囲まれた標高300~400mの山間小盆地である. 従来の地質図では古琵琶湖層群高島累層 (中部更新統) が分布するとされている. 筆者らはそれらのうち層厚100m以上にわたる有機質粘土と泥炭層の互層を「畑層」と命名し, 花粉および珪藻分析を行った. その結果, (1)畑層は古琵琶湖堆積盆とは別の小規模な湿原~沼沢地性堆積物からなる上部鮮新統であること, (2)畑層の堆積環境は湿原から沼沢地へと変化したこと, また堆積速度と同程度の沈降運動が継続したため, 湿原~沼沢地性の環境が長期にわたって維持されたこと, (3)湿原周辺は現在の急峻な地形とは異なり, かなり低起伏な状態であったことが推定される.
  • 澤 眞澄
    1992 年 31 巻 2 号 p. 117-119
    発行日: 1992/05/30
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
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