第四紀研究
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41 巻 , 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 大久保 弘, 荒井 晃作
    2002 年 41 巻 6 号 p. 429-442
    発行日: 2002/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    十二町層は富山県氷見市周辺に分布する鮮新-更新統の海成層である.同層中部において,火山灰層の分析と古地磁気の検討を行った結果,鮮新-更新統境界付近に位置する穂高-Kd39テフラと恵比須峠-福田テフラを見いだした.両テフラの発見により,これまで下部鮮新統とされてきた同層中部の堆積サイクルは,鮮新-更新統境界を含む可能性が高い.また,両テフラは同層中部の堆積サイクルIIIに位置し,酸素同位体ステージ63に対応する間氷期に堆積したと推定される.
  • 加古 久訓, 森山 昭雄
    2002 年 41 巻 6 号 p. 443-456
    発行日: 2002/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    高富低地には泥質の湖沼堆積物が厚く堆積し,西深瀬でボーリングしたオールコア試料には,阿蘇4(Aso-4),姶良Tn(AT),鬼界アカホヤ(K-Ah)の広域火山灰が挾まれる.最終氷期のMIS5b以降現在に至るオールコア約16mの堆積物試料の花粉分析をもとに,本地域における植生と気候の変遷を論じた.さらにMIS編年との対比を行い,他地域との対比と各時期の植生分布・古気候を考察した.花粉化石群集はTK-X~I帯に分帯された.MIS5bの時期には,アカガシ亜属Quercus subgen. Cyclobalanopsisなどに示される暖温帯広葉樹林が覆っていて温暖湿潤な気候であった.MIS5aの時期には,スギ属Cryptomeria,コウヤマキ属Sciadopitys花粉が優勢となり,湿潤な気候であったことが推定される.MIS4になると,急激な寒冷化になり,マツ科針葉樹林が卓越した.その後のMIS3には,少し温暖化して冷温帯落葉広葉樹林が卓越した.約3.1万年前に再び急激な寒冷化と乾燥化が到来し(MIS2),亜寒帯針葉樹とカバノキ属Betula花粉が増大した.しかし,約1.4万年前には針葉樹花粉は急減し,コナラ亜属Quercus Subgen. Lepidobalanusなど落葉広葉樹林が拡大して温暖化が始まる.後氷期中期にはモチノキ属Ilex花粉が卓越し,約3,000年前からはアカガシ亜属花粉が急増して暖温帯広葉樹林が成立した.太平洋側にある高富低地は,北陸地方とは違って,スギ属・コウヤマキ属が優占して湿潤な気候を示す時期はMIS5aのみであり,それ以外の時期は北陸地方よりも乾燥していたと考えられる.
  • 八木 浩司, 早田 勉
    2002 年 41 巻 6 号 p. 457-469
    発行日: 2002/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    脊梁山脈中央部に位置する鬼首カルデラを起源とする中期更新世テフラ層として,鬼首池月テフラ層(O-Ik:約250ka)がある.O-Ikは,火砕流堆積物を主体とする総体積18~36km3のテフラ層で,脊梁山脈東山麓側の宮城県北部丘陵地域に分布する最大規模のテフラ層として広く認められてきた.一方,脊梁山脈西山麓の向町・新庄盆地では,山屋層と呼ばれる厚い砂礫層の中および上位の層準に,火砕流堆積物が認められてきたものの,他地域のテフラとの対比がなされていなかった.本稿では,向町・新庄盆地に分布するテフラ層中の火山ガラスや斜方輝石の屈折率測定,および火山ガラスの主成分化学組成の分析から,同地域においてもO-Ikが分布することを明らかにした.この新たな知見により,新庄盆地南部に分布する舟形断層・長者原断層など構造線の活動場の変化と,それに伴う丘陵内の高度分化を時系列的に明らかにできた.さらに,脊梁山脈を挾んだ東西山麓地域での中期更新世以降の地殻変動と地形発達様式に差があることが明らかになった.
  • 鈴木 美保, 五十嵐 彰, 大沼 克彦, 門脇 誠二, 国武 貞克, 砂田 佳弘, 西秋 良宏, 御堂島 正, 山田 哲, 吉田 政行
    2002 年 41 巻 6 号 p. 471-484
    発行日: 2002/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    本論では,剥片の製作痕跡から石器製作時に使用されたハンマー素材を推定する方法を,実験考古学的手法によって考察した.硬質の石,軟質の石,鹿角,木の4素材のハンマーを用いて,実験的に製作した剥片痕跡の諸属性を検討した結果,ハンマー素材の差は剥片の剥離開始部分の属性に特徴的に現れることが判明した.そして,それらの諸属性を組み合わせることで,各素材と相関性の高い5類型に区分をすることができた.また,各素材と剥離対象物である黒曜石のビッカース硬さ測定した結果,その類型区分はハンマー素材と剥離対象物とのビッカース硬さの関係に相関していることも明らかになった.さらに,南関東地方の後期旧石器時代の2遺跡出土の剥片群に対してハンマーの推定を試みたところ,いずれも軟質の石によって製作されたものである可能性が高いことがわかった.
  • 前島 勇治, 永塚 鎮男, 東 照雄
    2002 年 41 巻 6 号 p. 485-493
    発行日: 2002/12/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    Absolute ages of soils developed on the raised coral reef terraces in Kikai Island in the Ryukyus, Southwest Japan were estimated by using the mean rate of tectonic uplift and glacio-eustatic curve during late Quaternary in the previous paper. In order to estimate the soil age of other areas where the similar soils as those existed in Kikai Island were formed by using the index of soil age, which was highly correlated with some physico-chemical properties of soil itself, total iron (Fet), iron and aluminum extractable by dithionite-citrate (Fed, Ald) and by acid ammonium oxalate (Feo, Alo) were determined for all horizons of the six profiles in Kikai Island. The results obtained are as follows:
    The crystallinity ratio of free iron oxides [(Fed-Feo)/Fet] gradually increased with the stage of soil development, while the activity ratio (Feo/Fed) decreased. There was a highly positive correlation between the soil age and (Fed-Feo)/Fet. By using this relationship, the ages of Minami-Daito Island soils, Lateritic Red soil and Lateritic Yellow soil whose age had not been determined, were estimated from the mean values of (Fed-Feo)/Fet, as 500±60 ka and 630±110ka, respectively. Therefore, it was concluded that the crystallinity ratio of free iron oxides could be a good index of the degree of soil development and age of Red-colored soils.
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