第四紀研究
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42 巻 , 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 加 三千宣, 吉川 周作, 井内 美郎
    2003 年 42 巻 5 号 p. 305-319
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    古気候の高解像度復元を目的として,琵琶湖湖底コアを用いて珪藻殻濃度(valves g-1)および年間珪藻殻堆積量(valves cm-2yr-1)を,数百年オーダーの高解像度で分析した.年間珪藻殻堆積量は完新世と最終間氷期に多く,最終氷期ではいくつかの増加期が認められるものの,比較的少ない.また,過去14万年間において珪藻殻堆積量には,千年オーダーの短周期変動が顕著に認められる.珪藻殻濃度および年間珪藻殻堆積量の変化をもたらす要因について検討した結果,珪藻生産量の変化を通じて,降水量を間接的に反映している可能性が示された.年間珪藻殻堆積量を降水量のプロキシとみなすと,完新世(0~7ka)と最終間氷期(68~135ka)では,降水量は現在のレベル以上であり,最終氷期(12~68ka)には現在の降水量レベル以下の期間が多い.特に,酸素同位体ステージ4では,降水量の減少期が1万年以上継続し,LGM期に比べても減少期が長かったと考えられる.珪藻殻堆積量とGRIP氷床コアの酸素同位体比における千年オーダーの変動パターンはよく類似しており,過去14万年間の日本の降水量とグリーンランドの気温との間で,気候上のテレコネクションがあったことが示唆される.
  • 菅沼 悠介, 鈴木 毅彦, 山崎 晴雄, 菊地 隆男
    2003 年 42 巻 5 号 p. 321-334
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    伊那層群は,長野県南部伊那盆地に分布する砂礫を主とする陸成層であり,下位より最下部層,伊那層,久米層に区分される.伊那層はさらに凝灰角礫岩層のミソベタ部層を境に,下部層と上部層に細分される.伊那層群の年代は,これまで植物化石や層序対比により推定されてきたが,未だに不明な点が多く残されていた.そこで,伊那層群中に挾在される6枚のテフラ(下位より富田2火山灰,富田1火山灰,小林火山灰,堀越火山灰,袖ヶ洞火山灰,久米火山灰)の記載を行い,広域テフラとの対比を試み,伊那層群の堆積年代を推定した.その結果,富田1火山灰が約175万年前に噴出したとされる恵比寿峠-福田火山灰に,久米火山灰が約60万年前に噴出したとされるKs18テフラに,それぞれ対比されることが明らかになった.これらの結果から,伊那層下部層もしくはさら下位に,第三紀・第四紀境界層準が存在し,少なくとも久米火山灰より上位の久米層は更新世中期に堆積したことが示された.また,伊那層上部層の形成に関係が深い赤石山脈の本格的な隆起が140~100万年前に開始したこと,久米層の形成に関係が深い木曽山脈の本格的な隆起が約60万年前以降に開始したことが推定された.
  • 山口 正秋, 須貝 俊彦, 藤原 治, 大森 博雄, 鎌滝 孝信, 杉山 雄一
    2003 年 42 巻 5 号 p. 335-346
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    完新統を貫く連続した2本のボーリングコアの49試料による高密度な14C年代測定により,濃尾平野における詳細な堆積曲線がはじめて得られた.この堆積曲線とコアの堆積相解析により,後氷期における本平野の堆積プロセスについて検討した.堆積曲線から得られた堆積速度(上方累重速度)は約1~53mm/yrであり,日本列島のデルタとしては大きい.これは,濃尾平野西部の速い沈降と,木曽川などからの大きな堆積物フラックスを反映している.内湾堆積物である中部泥層の最も内陸側に分布する地点と2本のボーリング,および現在のデルタの前縁の4地点の間の3区間でデルタの前進速度が求められた.それらは5,900~4,200cal yrs BPまでが6m/yr,4,200~2,800cal yrs BPまでが10m/yr,そして2,800cal yrs BPから現在までは5m/yrであり,大きく変化したことが明らかになった.
  • 幡谷 竜太, 白井 正明
    2003 年 42 巻 5 号 p. 347-359
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    段丘堆積物の年代測定研究の一環として,光ルミネッセンス(OSL)年代測定法の浅海成堆積物への適用性を検討した.まず,石英の光曝・加熱・エッチング実験を実施し,この結果に基づく試料調整手順を示した.続いて,年代既知(酸素同位体ステージ5e~5c)の浅海成堆積物を対象として,付加線量法によるOSL年代測定を実施した.この結果,前浜堆積物および前浜~外浜遷移帯堆積物から,層位学的・地形学的に推定される離水年代とおおむね調和的な88~112kaのOSL年代値を得た.一方,後浜堆積物ではより新しく,外浜堆積物ではより古いOSL年代値が得られた.これらの結果から,前浜堆積物および前浜~外浜遷移帯堆積物中では光ブリーチングが成立していると考えられる.したがって,精度は粗いが,OSL法による海成段丘堆積物の年代測定は可能であり,地形情報と組合せれば,酸素同位体ステージ5と7に離水した海成段丘の区別が十分可能であると考えられる.
  • 植木 岳雪, 山本 信雄
    2003 年 42 巻 5 号 p. 361-367
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    長野県西部,安曇村白骨温泉の北方には,梓川の右岸に松本盆地の波田面に対比される段丘面群が分布している.梓川の現河床と約320mの比高を持つ段丘面は,姶良Tnテフラをはさむローム層に覆われ,その構成層から産出する材は46,000年前以前という14C年代を示す.梓川の上流部では,最終氷期前半の森林限界は標高1,360mより高所にあったことになり,礫層の堆積年代からそこでの過去5~7万年間の平均下刻速度は5~7mm/年と見積もられる.
  • 森江 孝志
    2003 年 42 巻 5 号 p. 369-372
    発行日: 2003/10/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
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