利尻島の自然史に関連する調査・研究・普及活動などの歴史を総観し,地域の活動を活発化させるための方策を検討した.本島における自然史解明の歴史は3つの時代に大別される.それは,(1)島外研究者による植生または記載的な調査,(2)様々な分野の調査や遠征調査と在住者による活動のはじまり,(3)研究者と在住者による継続的かつネットワーク化された調査,である.
さらに,地方の自然史に関わる活動を活発化させるためには,(1)調査研究の拠点を地元に置くこと,(2)自然史情報の保存と継承を行うこと,(3)多様な視点や場をつなぎ,地方と中央の双方向発信によるネットワーク構築をめざすこと,が重要である.
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