第四紀研究
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54 巻 , 1 号
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論説
  • 徳安 佳代子, 田中 和広
    2015 年 54 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2015/09/25
    ジャーナル フリー
    光ルミネッセンス(OSL)年代測定法による堆積物の年代測定において重要な前提条件であるOSL信号リセットが,日本の現世河川堆積物(山口県の錦川沿いで採取した洪水堆積物と河床堆積物)で達成されているか否かについてSAR法を用いた測定により確認し,その結果に基づいて,日本の河川堆積物におけるOSL年代測定の適用にあたっての妥当性について検討した.OSL測定の結果,現世河川で堆積するまでにリセットされず,鉱物粒子に残存するOSL信号強度(残存強度)は,線量に換算して1.2±0.3〜5.9±3.5Gyであり,6-0.6kaの年代値に相当する.これらの結果から,約10万年前の河成段丘堆積物の年代決定にOSL年代測定法が適用可能であることが推定された.
短報
  • 藤原 治, 北村 晃寿, 佐藤 善輝, 青島 晃, 小野 映介, 小林 小夏, 小倉 一輝, 谷川 晃一朗
    2015 年 54 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2015/09/25
    ジャーナル フリー
    静岡県西部に位置する太田川低地で,弥生時代中期後半から後期頃(100BC〜300AD)に相対的海水準の上昇があったことが明らかになった.相対的海水準の上昇は,河川改修工事の法面に現れた淡水成の泥炭層などを覆う“海成シルト層”によって認定された.この海成シルト層は最大で層厚約25cmで,干潟周辺に棲む貝類や珪藻の化石を含む.その上位には河川や湿地性のシルト層などが重なる.相対的海水準の上昇が起きた時期は,合計12個の14C年代測定値と土器片を用いた編年によって推定された.太田川低地で見られた相対的海水準上昇の原因は,1,000年スケールのローカルな地殻変動(沈降)と考えられる.
  • 片岡 香子, 長橋 良隆, 小野 映介
    2015 年 54 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2015/09/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,津軽平野岩木川下流域の上位沖積面を構成する約2,500yrsBP以降に堆積したと考えられる浅層堆積物のテフラ分析を行った.その結果,浅層堆積物中には火山ガラスが数10%の含有率で普遍的に存在することが明らかとなった.火山ガラスの屈折率および主成分元素組成から,火山ガラスは単一の噴火に由来するものではなく,多くは3万年前や1万5,000年前の十和田火山のカルデラ形成噴火以降から最新の915年噴火を起源とするものが混合し,再堆積したものと考えられる.また,周辺の基盤をなす尾開山凝灰岩相当層(鮮新統)などに由来するものも含まれている可能性がある.このことは,噴火後の過剰物質供給が収束した後の平常時(バックグラウンド)の堆積時においても,活動的な火山の影響を受ける流域では,潜在的に火山砕屑物が侵食・運搬・堆積され,相当量の火山砕屑物が地層中に混在することを示す.
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