第四紀研究
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57 巻 , 2 号
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短報
  • 千葉 崇, 西村 裕一
    2018 年 57 巻 2 号 p. 53-63
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/05/10
    ジャーナル 認証あり

    北海道東部太平洋沿岸には,海域側が砂州により閉じられることで形成した汽水湖が複数ある.ホロカヤントウはこれら汽水湖の一つである.ホロカヤントウと海を隔てる砂州は標高5.7mほどあり,陸域側(湖側)の表層には土壌が形成され,塩性植物群落が被覆している.2016年6月,この砂州上で,植生を覆う土壌塊と砂質堆積物が観察された.大樹町役場の職員の証言によれば,この砂質堆積物が2015年10月7日から8日にかけて北海道東太平洋沿岸域に接近した台風に伴う高潮により形成された可能性が高い.砂質堆積物は海浜砂と似た構成物からなり,海域側から陸域側に向かって薄層化及び細粒化する.また,この堆積物中の珪藻群集は海生種に加えて,土壌由来と考えられる淡水生種も含まれており,珪藻殻数は内陸へ向かって増加する傾向を示す.これらの傾向は,高潮堆積物が海浜と砂州表層の土壌を侵食して,それらを内陸へ運搬したこと及び珪藻を含む細粒物はより内陸側で堆積したことを示唆している.

  • 長橋 良隆, 木村 純一, 隅田 まり, 池原 研, 片岡 香子, 中澤 なおみ
    2018 年 57 巻 2 号 p. 65-75
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/05/10
    ジャーナル 認証あり

    本論では,年代的に接近する北海道支笏カルデラ起源のSpfa-1テフラおよび屈斜路カルデラ起源のKP-1(Kc-Sr)テフラ,仙台沖SO219A-GeoB16442-1コアに挟在する4層のテフラ,猪苗代湖INW2012コアに挟在するINW-A2144テフラと新たに記載した5層のテフラについて,層相記載とそれらに含まれる火山ガラスの主成分元素組成(SEM-EDS)と微量成分元素組成(LA-ICP-MS)を明らかにし,テフラの対比について検討した.その結果,仙台沖コア中の16442-A296テフラと猪苗代湖INW2012コアのINW-A2144テフラは,北海道支笏カルデラを給源とするSpfa-1テフラと対比されることが明らかとなった.Spfa-1テフラのAMS14C較正年代から,猪苗代湖INW2012コアの深度15m以深の年代モデルを修正すると,猪苗代湖が形成された猪苗代湖層上部基底の年代は49.6ka(+1.3ka/-1.4ka)となる.東北地方の湖成堆積物からのSpfa-1テフラの報告は本論が初めてであり,その分布域はこれまでより約300kmも南西方向に拡大されることになる.

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