第四紀研究
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51 巻 , 1 号
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2010年度日本第四紀学会賞受賞記念論文
  • 吉川 周作
    2012 年 51 巻 1 号 p. 1-19
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    大阪周辺の丘陵地や台地に分布する大阪層群や段丘堆積層,大阪湾や平野地下に発達する都島・田中累層の層序学的研究の歴史を述べ,大阪堆積盆地第四系の岩相・火山灰・化石・古地磁気層序を説明した.また,大阪で組み立てられた第四系総合層序と海洋酸素同位体比層序との対比をもとに,中期更新世に関連する3つの重要層準,Ma3層,Ma6層,Ma9層の層準について,植物・動物化石などの層序学的資料を整理し,海洋の酸素同位体比などの層序的資料との関連を検討した.
論説
  • 竹本 仁美, 奥村 晃史
    2012 年 51 巻 1 号 p. 21-33
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    糸魚川・静岡構造線活断層系北部に位置する長野県神城断層において,1996年に行われたトレンチ調査時に採取された堆積物を用いて花粉分析を行い,断層活動に伴う地形変化に対する完新世の花粉化石群集の応答を検討した.花粉化石には,断層運動に伴う地形変化による環境変化を堆積物中に記録している可能性がある.そのため,断層の活動履歴および盆地内に分布する河成段丘の離水年代と花粉分析結果の対比を行うことにより,断層運動と花粉化石群集の対応を検討した.
    神城断層は,過去7,000年間に4回のイベントをくり返しており,イベントと一部の河床高度低下が同時期に起こったことが明らかになった.花粉ダイアグラムは,河床高度の低下と同期的に,生育が水分状態に支配されるような分類群,および盆地の上流域に分布すると考えられる分類群の変動を示している.
    したがって,神城断層の白馬トレンチに認められる花粉分類群の変動は,地形変化を反映していると考えられる.このことは,断層運動が地形変化を伴う場合,花粉組成の変動から過去の断層運動を推定できる可能性を示している.
短報
  • 松居 俊典, 石塚 正秀, 此松 昌彦
    2012 年 51 巻 1 号 p. 35-43
    発行日: 2012/02/01
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    香川県綾歌郡綾川町の綾川中流域で採取した8mのボーリングコアを岩相に基づいて下位より9層(No. 9~No. 1)に区分し,年代測定,花粉分析を行った.年代測定結果から,コア深度8.00~3.55mは上部更新統,コア深度3.55mより上部は完新統と判明した.花粉分析結果から,最終氷期中期はQuercus subgen. Lepidobalanus(コナラ属コナラ亜属)を主とする落葉広葉樹林が分布する冷涼な環境が,後氷期前期はQuercus subgen. Cyclobalanopsis(コナラ属アカガシ亜属)を含む落葉広葉樹林主体のやや冷涼な環境が,そして後氷期後期には温帯針葉樹を含むCyclobalanopsis優占の照葉樹林が分布する温暖な環境が推定できた.この傾向は既存の瀬戸内地域における古植生研究の結果とおおむね一致する.この地域の特徴として,後氷期後期にはCastanopsis(シイ属)がほとんど産出しない.これは,この地域の試料採取上流域からのCastanopsis供給が少なく,瀬戸内海地域の中でも年間降水量が1,200mm以下と少ない乾燥した地域であるためと考えられる.
資料
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