第四紀研究
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35 巻 , 1 号
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  • 岸 清, 宮脇 理一郎, 宮脇 明子
    1996 年 35 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    柏崎平野に分布する中部更新統最上部~上部更新統は,青海川層,安田層,大湊砂層および番神砂層からなる.
    安田層は下部・上部の2部層に区分され,両部層ともに,外海から閉鎖された内湾において,淡水~汽水環境下で堆積した海進に伴う谷埋め性の地層である.安田層上部層が形成する安田面は,南関東の下末吉面に対比される.
    本稿において新称した大湊砂層は,安田層下部層を整合に覆う水成の海浜~浅海堆積物である.大湊砂層とそれを整合に覆う風成の番神砂層との境界付近に,中子軽石層(約150ka~130ka)が挾在することが確認された.このことから,大湊砂層上面は,安田面と一連の下末吉期における離水面に相当し,大湊砂層と安田層上部層とは同時異相と判断できる.すなわち,下末吉海進期において,柏崎平野の前面に砂州が形成され,大湊砂層は砂州の構成層,安田層上部層はその背後の内湾に堆積した地層であり,バリアーシステムの存在が示唆される.
    砂州はその後の海退期のはじめにも存在し,背後の内湾ではおおむね内湾底が干上がるように安田面が離水した.また,大湊砂層および安田層離水後,下末吉期,小原台期,その後のそれぞれの海退期に,砂丘堆積物である番神砂層が堆積し,古砂丘は約5万年前にはほぼ固定したものと考えられる.
  • 村上 哲生
    1996 年 35 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    長の山湿原(愛知県)において,珪酸質生物遺骸の消失過程と遺骸の種類組成の変化を,現在生息している生物群集の種類組成と比較することにより調査した.
    珪藻殻の密度およびアルカリに可溶な珪酸含量は,柱状試料の下方に向かい急速に減少する傾向が認められた.珪酸質遺骸の消失は選択的であり,有殻アメーバの被殻の減少は珪藻殻のそれ程著しいものではなかった.珪藻殻の中では,肥厚した中軸域を持つFrustulia rhomboidesのみが試料の下部に残存していた.
    種構成の変化に基づき古環境の変化を調べる際,遺骸の選択的な消失により誤って解釈される可能性がある.
  • 成瀬 敏郎, 柳 精司, 河野 日出夫, 池谷 元伺
    1996 年 35 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    風成塵の給源地を明らかにするために,電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance, ESR)による微細石英(≤20μm)の酸素空格子信号量を測定した.分析試料は中国黄土高原~北京の馬蘭黄土,韓国の低位段丘上の土壌,山地斜面土壌,USAのPeoriaレス,日本の福井県黒田のボーリングコア,網野・鳥取両砂丘地の古土壌で,いずれも最終氷期の風成塵堆積層と完新世土壌から採取したものである.分析結果は,馬蘭黄土の酸素空格子信号量(任意単位)が5.8~8.3であり,韓国の最終氷期・完新世両土壌が6.0~7.7であった.両国の先カンブリア紀基盤岩の赤色風化土壌は11.2~12.4であり,カナダの先カンブリア紀岩石分布地域に由来するisotope stage2のPeoriaレスの分析値も11.0~14.0であった.黒田低地では,最終氷期に古生層山地から流水によって運ばれて堆積した>63μm石英は3.6~4.0であり,同じく20~63μm石英,≤20μm石英も3.3~4.7であった.いっぽう,広域風成塵起源の微細石英(≤20μm)は5.8~8.5であり,中国黄土および韓国土壌の数値と一致した.網野・鳥取両砂丘地の古土壌中の微細石英は3.7~4.8と低く,アジア大陸起源だけではなく,最終氷期に陸化した海底からの風成塵が多くを占めるためと考えられた.鳥取砂丘地のisotope stage 4に相当する層準の微細石英には,中国黄土の数値域に属する5.8を示すものや,AT上の古土壌層のように1.9と低い数値を示すものがある.それはisotope stage 4が風成塵堆積量の多い時期にあたっており,同層準中に大陸起源の広域風成塵が多く混入したためであり,逆に数値が低いのは大山新期火山灰起源の石英が多量に混入したためと考えた.
  • 小岩 直人
    1996 年 35 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    岩手県夏油川扇状地において,河成段丘構成層に挾在する村崎野軽石(6~5万年前降下)の堆積高度,およびその上下の堆積物を検討し,河谷の埋積期に関する考察を行った.
    扇央部および夏油川北西部における河成段丘面下には,村崎野面(約9万年前離水:渡辺,1991)を掘り込んだ埋没谷が伏在しており,金ヶ崎面(約2万年前離水)の構成層はその谷を埋積しながら堆積している.谷の埋積は村崎野軽石の降下以前にすでに開始されており,その埋積は金ヶ崎面の離水する最終氷期後半に終了する.本地域の堆積段丘である金ヶ崎面の形成は,渡辺(1991)が指摘したような最終氷期後半の最寒冷期のみに対応するのではなく,少なくとも約6~5万年前にはその形成が始まっていたことが明らかになった.
  • 米倉 伸之
    1996 年 35 巻 1 号 p. 41-62
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
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